ここから本文です
[PR]

警告無視…後絶たぬ“ダイブできる岩場”事故死

8月16日20時46分配信 産経新聞

警告無視…後絶たぬ“ダイブできる岩場”事故死
拡大写真
宮滝の岩場から飛び込む若者(写真:産経新聞)
 夏の水難事故が相次ぐ中、奈良県吉野町宮滝の吉野川で、岩場から飛び込んでおぼれ、死亡する事故が後を絶たない。今夏も20歳の男性が飛び込んだまま浮き上がらず遺体で発見された。インターネットや口コミで「ダイブできる岩場」と紹介され、多くの若者が集まるが、ほぼ毎年死者が出る。その原因は、再三の注意も無視して飛び込む若者たちの無謀さだった。(徳原麗奈)

  [フォト]岩場で飛び込み禁止とよびかける巡視員に若者らは…

 「岩から飛び込むのは危険です」。こう呼びかけるマイク放送が聞こえても、若者たちは次から次へと川に飛び込んではしゃいでいる。奈良県中部を流れる吉野川で、巨岩の岩場が連なり、川幅が狭くなる場所が「飛び込みスポット」として知られるようになったのは10年ほど前からだ。

 景観が美しい吉野川でそこだけは異様な光景が広がる。「とびこみ危険」「命を大切に」。不似合いな看板が目立つ付近は、岩場から水面まで高さ3〜4メートル。流れは複雑で水深が4メートル近くになるところもある。先月25日には、ここで東大阪市の男性会社員(20)が川に飛び込み、死亡した。付近では近年、増水時の遊泳や飛び込み禁止を呼びかけているにもかかわらず事故が相次いでいる。

 地元の吉野広域行政組合消防本部によると、宮滝付近の吉野川では過去10年間で10人が亡くなったといい、吉野署も巡回やホームページで「絶対飛び込まないで」と訴え、県河川課や町、吉野土木事務所なども監視強化を検討中だ。近くの宮滝河川交流センターからはマイク放送で注意を呼びかけ、土木事務所の委託を受けた巡視員が8月中は毎日見回りもしている。

 しかし、現地を訪れると、複数の若者グループが巡視員の注意を聞かずに何度も川へ飛び込んでいた。飲酒して泳ぐ若者もいた。巡視員の上垣賀敬さん(60)は「飛び込みは危険と話し、事故のないよう呼びかけているんですけどね」と困惑顔だった。

 岩場から飛び込もうとしている少年(18)に尋ねてみた。「注意は気になるが、友達がいるし、いいかなと思う」。危機感はまったく感じられなかった。

【関連記事】
水の事故、窃盗 ご注意を 夏休み、危ない海辺
ボート座礁、14人救出 高知県沖、けが人無し
奈良・吉野川で男性会社員水死
水上バイク衝突2人けが 岡山
水上バイク死傷事故増 海や川の危険把握を
医療費削減の“特効薬” ジェネリック医薬品

最終更新:8月17日8時17分

産経新聞

 

この話題に関するブログ 7件

関連トピックス

主なニュースサイトで 奈良南部のできごと の記事を読む

PR

carview愛車無料査定
PR
ブログパーツ

国内トピックス

注目の情報


nikkei BPnet for Yahoo!ニュース

nikkei BPnetnikkei BPnetの注目コラムをYahoo!ニュースの読者のために厳選しました。
最新のコラムを読む

PR

注目の商品・サービス

  • プロが使う「情報収集ツール」の活用法
PR