韓国軍は、北朝鮮との緊張が高まるなか、16日から2週間の日程で、朝鮮半島の有事を想定したアメリカ軍との定期的な合同軍事演習を始めました。
これは、韓国軍とアメリカ軍が、朝鮮半島の有事を想定して指揮命令系統を確認するため、コンピューターを使った図上訓練を中心に毎年行っているもので、両軍の8万6000人と韓国政府や地方自治体などおよそ4000機関の関係者が参加しました。イ・ミョンバク大統領は、演習にあたり、関係閣僚を集めた会議で「哨戒艦沈没事件以後、南北間の緊張が高まっていて、国民が演習に不安を感じるかもしれないが、徹底した準備をして平和を守らなければならない」と述べて、意義を強調しました。今回の演習では、11月にソウルで開かれる、先進国に新興国を加えたG20サミットへのテロ攻撃に備えた実戦的な訓練も行われる予定です。韓国軍は、3月の哨戒艦沈没事件を受けて、朝鮮半島周辺の日本海でアメリカ軍との大規模な合同演習や、朝鮮半島の西側の黄海で韓国軍単独の演習を相次いで実施しています。こうした動きに北朝鮮は反発を強めており、今回の演習についても、15日、北朝鮮軍総参謀部が、アメリカと韓国に対して「無慈悲な対応という、鉄ついを下すことになるだろう」などとする談話を発表しています。