橋本宗洋『格闘裏グルメ』
(たかさき・けいぞう)
1970年、福岡県出身。93年、(株)ベースボール・マガジン社入社、『船木誠勝のハイブリッド肉体改造法』などの書籍や『プロレスカード』などの編集に携わる。02年、(有)ソリタリオ設立。携帯サイト『kamiproムーブ』の連載で、当コラムの前身である『kamiの事件簿』では某フリーライターに取材を申込んだ直後、何者かに個人情報を流出させられるという被害にも遭った。
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8月16日更新
暴露マスコミの今〜早川満編〜 最終回
「暴露系マスコミの今」シリーズ2人目、オークラ出版などで暴露系ムックの編集・執筆に関わった早川満氏については今回が最終回。まさしく早川氏の「今」について聞いてみた。
全体的に振り返っても、プロレス・格闘技ムック、とくに暴露系ムックが好調だったのは07年まで。フジテレビショック→ロレンゾ・フェティータによる買収→活動休止という一連の「PRIDEショック」によって、その真相を扱うムックがいくつも出たのが最後のピークだった。その後は別冊宝島が気を吐くばかりで、他社からはほとんど出なくなってしまった。
「オークラも会社としての余裕がなくなってきたのか、出なくなりましたねえ。でもホントに売れたのは1、2冊というところで、あとはだましだましっていう感じですよ」
それでも、出ているうちはまだよかった。オークラのムックが発行されなくなり、プロレス・格闘技関係の仕事がなくなってからは厳しい日々が続いているという。
「それからはちょっとゴーストっぽい仕事をやったり、どうでもいいような書き物はチョロチョロッとあったけど、ホントにそれぐらいでねえ。一時期は知り合いと、大好きな中日ドラゴンズの本を一生懸命作ってた時期もあったんだけど、それもダメになって、今年なんか全然仕事してないですよ。何かないですかね?(笑)」
うっ、タダシ☆タナカ氏に続いて逆求職だ。早川氏は42歳で2児の父とあって、生活への危機感はなおさらだ。
「紙媒体の仕事がホントにダメでしょ? しかも中小出版社と仕事してたっていうのがねえ……。でも、いまさら大手に売り込みに行くっていうのもなんだし。紙媒体やってきた人間で40過ぎて仕事がないなんて、ゴミ屑でしょ。まだ紙が好きではあるんですけどね。若い子には、早く転職したほうがいいと言いたいですよ。ホントに何にもないから。
最近は企画書も書いてますけど、同時に履歴書も書く日々ですよ。こないだなんかね、バイトでもしようかと思って……肉体労働がしたいと思ったんですよね。それで、午前中だけでいいっていうんで、清掃員のバイトに申し込んだんですよ。そしたら『経験者じゃないとダメ』って言われてねえ。ホントにショックでしたよ」
うーむ、なんともシビアな話である。じつは最近、オークラ出版からは……