高木マニア堂

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250:怪物くんは45年も前の古典

ノンセクション2010年08月15日 09:00 | フォルダ : 

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      <2010年3月=東スポ携帯サイトより>

 この4月、藤子不二雄Aの名作「怪物くん」が、嵐の大野智主演で実写ドラマ化(日本テレビ、毎週土曜午後9時から)される。

 内容については説明不要だろう。過去2度にわたってアニメ化(1968年=TBS系、80年=テレビ朝日)されている怪物くんだが、実写ドラマ化は初となる。

 あまりにアニメでおなじみの藤子作品が実写化されると、その是非をめぐって、ものすごい議論が交わされる。イメージと思い入れが強いだけに…。だが、この場でそんなことを問う気はまったくない。

 藤子作品で「凄い!」と感服してしまうのは、こういったドラマ化、映画化される時、まったくレトロ感が漂っていないことである。中高年向けの郷愁やレトロ感のみでゴールデンタイムのドラマは無理。それに人気のジャニ
ーズタレントを起用する必要もない。

 完全に「今」のモノとして世に送り出されている。

 80年版のアニメが何度も再放送されているから、あまり古いとも感じないが、怪物くんの連載開始は65年。今は亡き「少年画報」の昭和40年2月号からだった。

 つまり今回の「怪物くん」は45年も昔の作品を原作に、人気アイドルを主演に据え、ゴールデンタイムでドラマ化するという大冒険なのだ。

 45年という月日が、どれだけ重たいのか? 怪物くんが初めてアニメ化された68年を基点に考えてみる。

 68(昭和43)年から45年前は、1923(大正12)年。関東大震災のあった年だ。この頃、流行った小説やマンガを原作に68年当時に、その時代のアイドルを主役に据えてドラマ化したとしたら…。

 23年に連載スタートした人気マンガには「ノンキナトウサン」(麻生豊作=報知新聞連載)や「正チャンの冒険」(樺島勝一作=アサヒグラフ、朝日新聞連載)などがある…そうな。

 68年当時と言えばグループサウンズの全盛期。人気アイドルだったジュリー(沢田研二)やショーケン(萩原健一)を主演に「ノンキナトウサン」や「正チャンの冒険」をドラマ化したとしたら…といっても、まるで想像がつかねえ!。

 彼らを主演に、45年前の惨事・関東大震災をドラマ化したとあっても、もはや
時代劇の範疇に入ってしまうほどの〝時差〟が生じるはず。

 逆に現在を基点として考えてみる。現在、各マンガ誌に掲載中の人気マンガが45年後にドラマ化されるとしたら…2055年だよ!。まず生きてもいないだろう。

 そんな「45年」という重みを、じっくりと噛み締めつつ「怪物くん」を観ることにしよう。 

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