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【プロ野球】虎 首位奪回 金本 打ち直してラッキー弾2010年8月16日 紙面から
◆阪神9−6ヤクルト一塁塁上の金本が、笑顔で指さす。その先には城島の姿があった。阪神が1点を追う8回だ。相手のミスもあり無死一、二塁のチャンスで打席に入った金本が、しぶとく一、二塁間を破り同点に追いつく。なお一、三塁で続く城島が、松岡のフォークをとらえ、左翼フェンス直撃の二塁打で逆転。序盤で4点をリードしながら、逆転された苦しい展開を2人のバットではね返した。 「オールスター明けからいい仕事ができていなかったからホッとしている。ケガがあったりして貢献できなかったんでこういう日がたくさんできるように頑張りたい」 2回には17年連続2ケタとなる10号ソロを放ち、恩師の1人である山本浩二(現野球解説者)の通算2339安打に並び、3回には中前打、8回の殊勲打で5月30日の日本ハム戦以来となる猛打賞、通算2341安打で歴代13位の安打数とした。金本は記録について「山本浩二さんを抜くなんておこがましい。びっくりしています」と話した。 またひとつの節目を越えたその金本が、指さした理由を城島が明かした。「ネクストバッターズサークルで(金本が)バントしようかとおっしゃられたんで『プレッシャーがかかるからヒットで同点にして一、三塁でお願いします』と言ったらその通りになった。お前の望む通りにしてやったんだから打てよという感じで。打ててよかった。僕もやりましたよという感じ」。二塁塁上で珍しくガッツポーズを見せたほど、喜びは大きかった。 ヤクルトの勢いを止めた上に4カードぶりの勝ち越しで再び首位に立った。真弓監督は「ヤクルトも勢いあるけど、タイガースも勢いをつけてきた。面白いと思うよ」と、徐々に調子を取り戻しつつある金本、城島が下位に座る打線にあらためて信頼と自信を口にしていた。 (中山隆志)
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