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【格闘技】

フリーの小島が歴史的V G1クライマックス制覇

2010年8月16日 紙面から

新日本プロレス所属者以外で初のG1クライマックス王者となった小島聡

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◇新日本プロレス G1クライマックス<最終日>

▽15日▽東京・両国国技館▽観衆1万1000人

 フリー参戦の小島聡(39)が初優勝。20回目のG1で初めて、新日本所属以外の選手がトロフィーを抱く快挙を達成した。Bブロックの小島は最後の公式戦で後藤洋央紀(31)を粉砕。決勝ではAブロックから出てきた棚橋弘至(32)を、痛めている左腕でのラリアットで吹っ飛ばして完勝した。超満員1万1000人の観衆をのみ込んだ国技館は、小島の偉業で大興奮に包まれた。

 こんな結末は、誰も予想していなかっただろう。「“外敵”は絶対にG1を取れない」と言われ続けて20年。そのジンクスを、小島が左腕で吹っ飛ばした。

 小島は、新日本所属時代は、G1とは無縁だった。02年1月に全日本に移籍してエースになったが、方向性の違いや左腕の故障などが重なって今年5月にフリーに。手術を受け、今後の身の振り方を考えていたとき、G1出場のオファーがきた。

 リーグ戦は永田裕志、中邑真輔に敗れたが、土壇場で踏ん張って決勝進出。棚橋との大一番では、左ひじのサポーターをはがされ、徹底的に手術個所を攻められたが、「日本一のラリアッター」を自負する男には、やはりラリアットしかなかった。これまでほとんど試したことのない右腕でのラリアットで盛り返し、とどめはバンデージをぐるぐる巻きにした左腕を、相手ののど元にたたき込んだ。

 小島コール一色の観客を前に、小島は「おれはG1で復活した。次に必要なのは、IWGPのベルトだ!」と、現王者・真壁刀義に挑戦表明。報道陣とのインタビューでは「2カ月前まで試合ができなかった男が優勝するなんて…。こんな光景が待ってるなんて、奇跡だ」と、興奮気味に語った。

 G1優勝者は慣例として、IWGP王座への挑戦権が与えられる。この日、ゼロワンの田中将斗も真壁に挑戦を迫った。どちらが先に挑むかは未定だが、新日本・菅林社長は小島に継続参戦のオファーを出すことを確約した。新日本マットは今後、小島が戦いの中心になる。 (大西洋和)

 

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