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気失うまで飲むのが当然だった――増える女性のアルコール依存症 (4/4)

[産経新聞]
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専門家「節度守った飲酒を」

yd_al3.jpg 現在もアルコール依存症の治療中の市川みゆきさん(仮名)

 ただ、女性の飲酒者の割合がこのままの高さで推移すれば、「依存症になるまで、男性は30年、女性は20年のタイムラグがある」(樋口氏)ものの、「近い将来、女性のアルコール依存症患者はさらに増え、男性に近づく」とみる。

 樋口氏は、女性の飲酒者の増加で少子化が加速するのではないかとの懸念も抱く。「これまでは結婚や出産が飲酒の歯止めになっていたが、晩婚化が進んだために昔のように歯止めにならない可能性がある」。

 また、依存症患者は、アルコール依存症の親から虐待を受けていたために、精神的疾患を抱えるようになったケースも多いという。

 「虐待の背後に親のアルコール依存の問題があるが、まだ国からは見過ごされている」

 酒と人のかかわりについて調査研究している、酒文化研究所の狩野卓也代表(51)は、「最近の若い男性は、酔っ払った姿を人前にさらすのをいやがる傾向があるが、逆に女性は『私はこれだけ飲めるのよ』とばかりに、仕事も酒の強さも負けていないと一緒に働く男性に誇示しようとしがちだ」と指摘する。

 また、「汗をかいて酒を飲んで寝るという、体を使った仕事の後に酒を飲む機会が減っている」とし、「精神的なストレスから酒を飲むのは問題飲酒の第一歩。節度を守った飲酒を」と注意を促した。

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