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気失うまで飲むのが当然だった――増える女性のアルコール依存症 (2/4)

[産経新聞]
産経新聞

 もともと依存するもの、すがるものを求めようとする性格だった。「中学生のころは勉強に依存していた。毎日帰宅してから午前3時まで勉強していた」。しかし、そんな普通ではない勉強の仕方も3年間は続かず、「ある時、感情の表現がおかしくなり、笑いながら涙を流したこともあった。うつになり心療内科に通うようになった」。

自助グループに参加して治療

 うつ症状はずっと続いた。いつも誰かに責められているような気がして、いつも死にたいと思っていた。処方された40錠近い薬と酒を一気に飲むことも多々あった。「そんな自分を支えてくれたのが酒乱の彼氏だった。歯向かうことを許さないような性格だったが、彼に支配されている感覚はある意味心地良くて、酒の誘いも別れるのが嫌で断れなかった」

 しかし、泥酔した翌朝に部屋の中がめちゃくちゃになっていたり、携帯電話を4回も無意識で壊していたり、酒を飲むと良くないことが起こるのは、うすうす気づき始めていた。

 彼氏と付き合い始めてから1年近くたった昨年9月、自分の身を心配してくれた母親から、アルコール依存症を治療するための自助グループを紹介され、グループに参加するようになった。

 自助グループでは、各自がアルコールでの失敗を告白し合う。「アル中の〇〇です」と名乗り、自分がアルコール依存症であると認めることから治療は始まる。現在もグループのミーティングに参加するなど治療を行っているが、「もう酒を飲む必要は感じていない。彼氏とも別れた。自分の感情と冷静に向き合えるようになった」。

 自分と同世代の若い女性の飲酒や依存症が増えていることについて、「昼間に青空の下で若い女性が酒を飲むようなCMが良くない」と指摘する一方、「若い世代の依存症患者は多くが、小さいころに家庭の問題を抱えている。自分も父親が酒乱で、突然わけも分からずに怒鳴られた。現在81万人依存症患者がいるといわれているが、潜在的にアルコール依存症になる可能性がある若い女性は、もっとたくさんいると思う」

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