南アW杯:「一生ダイビングヘッド」岡崎、決めたい!  

デンマーク戦を前に最終調整する岡崎(左)=南アフリカ・ルステンブルクのロイヤルバフォケング競技場で2010年6月23日、佐々木順一撮影
デンマーク戦を前に最終調整する岡崎(左)=南アフリカ・ルステンブルクのロイヤルバフォケング競技場で2010年6月23日、佐々木順一撮影

 【ルステンブルク(南アフリカ)安高晋】サッカー・ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会で、日本代表は日本時間25日午前3時半から、デンマークとの「決戦」に臨む。引き分けでも決勝トーナメント進出となる有利な状況だが、これまでの日本の得点は初戦のカメルーン戦に挙げた本田圭佑選手(24)の1点だけ。同級生のストライカー、岡崎慎司選手(24)は「おれも決めたい。チャンスは必ずある」と燃えている。

 岡崎選手はW杯2戦とも交代出場。ともに左足で惜しいシュートを放ったが、ゴールは決められず、オランダ戦後は「決めたかった。力が入った」と悔しがった。

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 「一生ダイビングヘッド」

 プロ入りする際、少年時代の恩師、山村俊一さん(34)から贈られた言葉だ。「お前は止まったら終わり。一生跳び続けろ」という思いが込められている。今、岡崎選手の代名詞ともなった。

 兵庫県宝塚市出身。小学2年でサッカーを始める。能力は「並」(山村さん)。ただ、周囲を盛り上げる明るさと、ヘディングの才能は光っていた。

 ボールを怖がらない岡崎選手をゴール前に立たせ、至近距離からチームメートが放つシュートのコースを頭で変えさせた。1日200回のヘディング。鼻血を流しながらの猛練習が、岡崎選手をプロの世界に導く。

 W杯出場を決めた昨年6月のウズベキスタン戦では、決勝のシュート。少年時代から何度も繰り返してきた、こぼれ球をヘディングで押し込む泥臭いゴールだった。

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 南ア入り後、悩んだ。攻撃の最前線に1人置かれる慣れないポジション。「自分の動きは通用しない」と困惑し、スタメンからも外れた。だが、「止まったら終わり」の言葉を思い出し、本番直前に迷いを吹っ切った。「今できるすべてを出すしかない。失うものは何もない」。今大会まだ見せていない、ムードメーカーの泥臭いダイビングヘッドが飛び出す時、日本初となる自国開催以外での1次リーグ突破が見えてくる。

毎日新聞 2010年6月24日 10時32分(最終更新 6月24日 14時39分)

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