最終更新: 2010/08/16 13:19

スーパーニュースニュースJAPANスピークスーパーニュース WEEKEND新報道2001

中国で不動産投機が加熱 投機マネーが内陸部に流入しゴーストタウン出現、社会問題に

今や日本を抜き、世界第2位の経済大国にのぼり詰めようとしている中国では、不動産投機が過熱している。投機マネーが都市部から内陸部へと流入した結果、無人のマンションが立ち並ぶゴーストタウンが出現し、社会問題となっている。
中国・内モンゴルの都市オルドス。
乾燥した大地に、突如出現する建設中のビル群。
石炭やカシミヤ製造などの産業が盛んなこの町に、地元政府が日本円でおよそ5,200億円を投資し、開発してきたカンバス新区がある。
目抜き通りには、図書館や博物館などの斬新なデザインの建物が立ち並んでいる。
街の中心にある広場は、正午を少し回った時間にもかかわらず、人通りはほとんどなく、閑散としている。
人口100万人の居住地として設計されたこの町だが、入居者がわずか3%にも満たず、ゴーストタウンのような異様な光景が広がっている。
また、昼間の大都市の姿は、夜になると一変し、闇に包まれる。
夜の町には、明かりはほとんどともっておらず、あたりは静まり返っている。
続々と誕生する無人のマンション群。
そのわけは、富裕層が投機目的で購入しているため。
中国都市部の土地価格は上がりきってしまい、投機マネーは今、内モンゴルなどの内陸部に流れ込んでいる。
マンション販売員は「新しい物件は、買いに来る客で行列ができるほどです。地方から買いに来る人もいて、あっという間に完売します」と話した。
あるヨーロッパ風の高級マンションは、370平方メートル、およそ7,500万円の物件だが、すでに完売している。
しかし、ここも実際に住む人はほとんどいない。
購入者は「2件目の物件をさっき買いました。支払いは現金一括です」と話した。
富裕層が投資に熱中する一方で、不動産をめぐる格差は広がっている。
工事現場作業員は「このあたりの不動産は、わたしたちには一生かかっても手が届かないね」と話した。
巨額の税収入を当て込み、高級住宅地の開発を優先する地元政府には、利益のみを追求していると、中国メディアからも批判が集中している。
しかし、カンバス新区の政府担当者は「わたしは、ここに来てまだ1カ月なので、何もわかりません」と話した。
社会科学院研究員は「政府は規制を続けてきましたが、不動産価格は、はね上がっています」と話した。
専門家は、不動産投機が過熱し続ければ庶民の不満が募り、社会不安を招くおそれもあると警告している。

(08/16 12:52)


[ high / low ]

「国際」の最新記事

最新記事