池田信夫 blog

Part 2

2008年04月01日 18:17

資本主義と自由

ミルトン・フリードマンの古典的名著が、「日経BPクラシックス」シリーズの第1弾として復刻される。経済学を学ぶ者だけでなく、すべてのビジネスマンや官僚や政治家の必読書である。しかも、あの高橋洋一氏の解説というおまけつき。

本書で彼が提案した変動相場制はその10年後に実現したが、公的年金の廃止、法人税の廃止負の所得税教育バウチャー職業免許の廃止などは、いまだに論争になっている。出版された当時は、アメリカでも「時代遅れの自由放任主義」と酷評されたが、いま読むと、半世紀近くたっても、内容がまったく古くなっていないことに驚く。時代がようやくフリードマンに追いついてきたのか、それとも改革の理念と実行との間には、かくも長い時間が必要なのか・・・

トラックバックURL

コメント一覧

  1. 1.
    • Unknown
    • 2008年04月01日 19:29

    興味深いですね
    面白そうな内容ですね。とくに、「負の所得税」は格差社会を打開する策になりそうです。

  2. 2.
    • taro
    • 2008年04月01日 21:20

    負の所得税
    負の所得税。ググってみましたが、とても興味深いですね。公的機関の裁量が入り込む余地がないのが良いと思います。
    職業免許の廃止は、内容を理解しないのでなんともいえませんが、文字通りならちょっと怖いような気がします。でもがらがらポンでもういちどはじめからやりなおしというのも、社会に活気をもたらすような気がしますけどね。

  3. 3.
    • X
    • 2008年04月01日 23:50

    負の所得税の遥か前段階
    負の所得税よりも何よりも、まずやらねばならない事は、消費税を完全インボイス式に統一して、所得の把握率を高める事。これができなければ、所得の把握がデタラメなのだから、負の所得税どころの話ではない。

  4. 4.
    • 無政府資本主義者
    • 2008年04月02日 12:01

    医師免許
    たとえば医師免許制度を廃止し医師の評価を市場に任せることで医療のレヴェルアップにつながればいいな、と。が、国家によるお墨付きがないとヤダヤダという国民性からして、夢物語でしょう(泣

  5. 5.
    • 医学生
    • 2008年04月03日 06:26

    医師免許について。
    グローバル化していく中、必ずしも日本の医師免許が必要だとは思えない。
    アメリカでは、インドで手術しに行っている現実があるし、遠隔医療の分野では、診断などは、既に海外の専門医が活躍している。
    おそらく、日本も日本で治療できない病気に関しては、海外で受診することが当たり前になりつつある。

  6. 6.
    • 経済学志望者
    • 2008年04月27日 17:06

    先天性の不平等について
    フリードマン氏は「相続による財産と能力・努力による財産を分けるのはおかしい」と言っています。私もこの意見に反論する根拠はありません。しかし、私はどうしても「境遇の不平等は運がいいか悪いかの違い」という論拠に納得できないのですが、私の理解が足りないのでしょうか?

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。               



連絡先
人気記事
記事検索
アゴラ 最新記事




メルマガ配信中


13thagora

書評した本


リーマン・ショック・コンフィデンシャル(上) 追いつめられた金融エリートたちリーマン・ショック・コンフィデンシャル
★★★★☆


田中角栄の昭和 (朝日新書)田中角栄の昭和
★★★★☆


Lords of Finance: 1929, The Great Depression, and the Bankers who Broke the WorldLords of Finance
★★★★☆


ゲームの父・横井軍平伝 任天堂のDNAを創造した男ゲームの父・横井軍平伝
★★★☆☆


社会保障の「不都合な真実」社会保障の「不都合な真実」
★★★★☆




再分配の厚生分析再分配の厚生分析
★★★★☆




日本の税をどう見直すか (シリーズ・現代経済研究)日本の税をどう見直すか
★★★★☆
書評




人間らしさとはなにか?人間らしさとはなにか?
★★★★☆
書評




Fault Lines: How Hidden Fractures Still Threaten the World EconomyFault Lines
★★★★★
書評




ドル漂流ドル漂流
★★★★☆
書評




仮面の解釈学仮面の解釈学
★★★★★
書評




これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学これからの「正義」の話をしよう
★★★★☆
書評




ソーシャルブレインズ入門――<社会脳>って何だろう (講談社現代新書)ソーシャルブレインズ入門
★★★★☆
書評




政権交代の経済学政権交代の経済学
★★★★☆
書評




ゲーム理論 (〈1冊でわかる〉シリーズ)ビンモア:ゲーム理論
★★★★☆
書評




丸山眞男セレクション (平凡社ライブラリー ま 18-1)丸山眞男セレクション
★★★★☆
書評





〈私〉時代のデモクラシー (岩波新書) (岩波新書 新赤版 1240)〈私〉時代のデモクラシー
★★★★☆
書評


マクロ経済学 (New Liberal Arts Selection)マクロ経済学
★★★★☆
書評


企業 契約 金融構造
★★★★★
書評


バーナンキは正しかったか? FRBの真相バーナンキは正しかったか?
★★★★☆
書評


競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書)競争と公平感
★★★★☆
書評


フーコー 生権力と統治性フーコー 生権力と統治性
★★★★☆
書評


iPad VS. キンドル 日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏 (brain on the entertainment Books)iPad VS. キンドル
★★★★☆
書評


行動ゲーム理論入門行動ゲーム理論入門
★★★★☆
書評


行動経済学―感情に揺れる経済心理 (中公新書)行動経済学
★★★★☆
書評


現代の金融入門現代の金融入門
★★★★☆
書評


ナビゲート!日本経済 (ちくま新書)ナビゲート!日本経済
★★★★☆
書評


ミクロ経済学〈2〉効率化と格差是正 (プログレッシブ経済学シリーズ)ミクロ経済学Ⅱ
★★★★☆
書評


Too Big to Fail: The Inside Story of How Wall Street and Washington Fought to Save the FinancialSystem---and ThemselvesToo Big to Fail
★★★★☆
書評


世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書)世論の曲解
★★★☆☆
書評


Macroeconomics
★★★★★
書評


マネーの進化史
★★★★☆
書評


歴史入門 (中公文庫)歴史入門
★★★★☆
書評


比較歴史制度分析 (叢書〈制度を考える〉)比較歴史制度分析
★★★★★
書評


フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略フリー:〈無料〉からお金を生みだす新戦略
★★★★☆
書評


労働市場改革の経済学労働市場改革の経済学
★★★★☆
書評


「亡国農政」の終焉 (ベスト新書)「亡国農政」の終焉
★★★★☆
書評


生命保険のカラクリ生命保険のカラクリ
★★★★☆
書評


チャイナ・アズ・ナンバーワン
★★★★☆
書評


ネット評判社会
★★★★☆
書評



----------------------

★★★★★



アニマル・スピリット
書評


ブラック・スワン
書評


市場の変相
書評


Against Intellectual Monopoly
書評


財投改革の経済学
書評


著作権法
書評


The Theory of Corporate FinanceThe Theory of Corporate Finance
書評



★★★★☆



つぎはぎだらけの脳と心
書評


倒壊する巨塔
書評


傲慢な援助
書評


In FED We Trust
書評


思考する言語
書評


The Venturesome Economy
書評


CIA秘録
書評


生政治の誕生
書評


Gridlock Economy
書評


禁断の市場
書評


暴走する資本主義
書評


市場リスク:暴落は必然か
書評


現代の金融政策
書評


テロと救済の原理主義
書評


秘密の国 オフショア市場
書評

QRコード
QRコード
Creative Commons
  • ライブドアブログ