名古屋−浦和 後半9分、ヘッドで先制点を決める名古屋の闘莉王(左)(隈崎稔樹撮影)
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名古屋グランパスは、後半の玉田の連続ゴールで浦和を振り切り、勝ち点38で今季初の首位に浮上した。横浜Mは中村の3月以来となる今季2点目などで前節首位の清水を破った。清水は2敗目を喫し、勝ち点36で2位に後退。鹿島はFC東京に追い付かれ、同35の3位。
◆名古屋3−1浦和
男のけじめだった。試合後、グランパスサポーターへあいさつを終えた闘莉王は、三都主とともにアウェー側の観客席に向かった。容赦ないブーイングと「浦和レッズ」コールを浴びながら、深々と一礼した。
「すばらしいサポーターにきちんとあいさつしないといけないと思った。本当に尊敬している。わかってほしいのは、僕が(浦和を)出たかった訳ではなく、必要ないと言われたこと。ブーイングは心が痛かった」
6年間を過ごした古巣との初対決。複雑な思いで自らの先制点をたたき込んだ。後半9分、マギヌンの高速クロスに飛び込み、自らの背番号「4」を引き継いだ浦和DFスピラノビッチを吹き飛ばす、ド迫力のダイビングヘッドで突き刺した。浦和サポーターを気遣って喜びは控えめだったが、プロの生き様を示すかのような今季6点目だった。
チームは思いをひとつにしていた。小川が明かす。「試合前、トゥーさん(闘莉王)とアレさん(三都主)のために勝とうと監督が話していた」。負けられない戦い。その小川が決勝点の起点となり、闘莉王は「素晴らしいプレー。きっかけになれば」と称賛した。
4連勝で今季初の首位浮上。08年10月1日に鹿島にかわされて以来、683日ぶりに順位表の頂点に立った。闘莉王は、自らを戦力外としたフィンケ監督と浦和フロントに対し「浦和のサポーターに対してこういう状況は非常に失礼。上がしっかりしない限り良くならない」と痛烈なメッセージを送り、「オレは自分の人生がある。思い切って生きていかないといけないんでね」と話した。
感傷に流されることはない。やるべき事は一つ。浦和時代と同じように、赤鯱軍団を栄光に導いていく。 (塚田陽一郎)
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