「高校野球・2回戦、早実21‐6中京大中京」(14日)
79年ぶりの名門対決となった一戦は、早実(西東京)が21‐6で中京大中京(愛知)に大勝した。大会史上3位の25安打と打線が爆発。OBのソフトバンク・王貞治会長が観戦する中、春夏通算60勝目を挙げた。
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4万7千人と満員に膨れ上がった甲子園に、乾いた打球音が次々と鳴り響いた。早実が大会史上3位となる25安打の猛攻で21得点。圧倒的な攻撃力を発揮し、前年優勝の中京大中京を寄せ付けなかった。
初回、8安打を集めた打者一巡の攻撃で一挙7点。和泉実監督(48)が「先攻なので、何とか1点と思っていたが、こんなにつながるとは」と驚くほどの鮮やかな先制パンチを決めた。さらに五回には11安打、打者16人を送る猛攻で12点。この回、鈴木、重信、真鍋、安田の4人がそれぞれ2得点し、1イニング個人最多得点タイをマークした。
指揮官は「まさかこんなに点数が取れるとは思わなかった」と大勝劇を振り返った。中京大中京とは1931年以来、79年ぶりの対戦。前回は3‐4でサヨナラ負けを喫しており「OBにいい報告ができたらいいなと思ってました」と、勝利の味をかみしめた。
テーマとして掲げる「つなぎの野球」を実践した。日ごろから長打を無理に狙わず、低い打球を打つことにチーム一丸となって取り組んできた。25安打のうち、実に21安打がシングル。5安打4打点と大暴れした重信は「とにかく塁に出ようと。つなぐことだけを考えていました」と、してやったりの笑みを浮かべた。
母校の試合を観戦したソフトバンクの王会長も「バットがよく振れていた。選手は伸び伸びプレーしていた」と、目の前で大暴れした後輩たちの勝利をたたえた。
17日の3回戦では東東京代表の関東一と対戦する。重信は「相手のことを意識すると思いますが、とにかく自分たちの野球をするだけ。きょうのようにつなぐ意識で、次も勝ちたい」と“東京対決”に闘志を燃やしていた。