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闘莉王「クビ宣告」浦和から首位弾/J1

勝ち越しゴールを決めた玉田を笑顔で祝福する闘莉王(撮影・上田博志)
勝ち越しゴールを決めた玉田を笑顔で祝福する闘莉王(撮影・上田博志)

<J1:名古屋3-1浦和>◇第18節◇14日◇豊田ス

 闘将が、プライドをかけた一撃で首位の座を奪った。名古屋の日本代表DF田中マルクス闘莉王(29)が、昨季まで6年間在籍し、事実上の戦力外となった古巣の浦和と移籍後初めて対戦。後半9分、右クロスをダイビングヘッドで押し込み、2戦連発の先制ゴールを決めた。これで勢いに乗ったチームはFW玉田の2得点で突き放し、3-1の快勝で4連勝。清水が1-2で横浜に敗れたため勝ち点差で逆転し、今季初めて首位に立った。

 自分自身に決着をつけるつもりだった。後半9分。闘莉王は前線にとどまり、チャンスをうかがった。味方の左クロスをファーサイドで待ち構え、浦和MF阿部とDF宇賀神の2人を相手に空中で競り合った。ボールが頭上を越えて右サイドへ流れてもあきらめない。2人のマーカーを置き去りにゴール前中央へ駆け込んだ。「1発で仕留めてみせる」。MFマギヌンの右クロスにダイビングヘッド。約15メートルの距離から、弾丸シュートを突き刺した。

 前節東京戦のロスタイム弾に続く、2戦連発の先制ゴール。「かつての仲間と対戦するのは、やりづらかった」と両腕を突き上げ、駆け寄るチームメートを思いきり抱きしめて喜びを表現したが、心から笑えなかった。リーグ優勝、アジア王者といった栄光の歴史を浦和とともに歩んできた。だが、選手の世代交代を進めるフィンケ監督やクラブ側の意向で契約を延長できず、事実上の戦力外となって名古屋へ移籍。5月の対戦は出場停止で不在だっただけに、本拠地での初対戦で意地を見せたかった。

 新たな夢がある。例年、優勝候補と言われながらタイトルを奪えていない名古屋を「勝たせなければならない立場」と自覚している。この日も相手の猛攻にさらされた序盤に何度も大声で指示を出し、体を投げ出した。左サイドを崩された前半27分には、ゴール前至近距離でFWエジミウソンのシュートをブロック。状況に応じてポジションを上げて前線にパスを供給。ストイコビッチ監督が「闘莉王はすべてOKだった」と手放しで喜ぶ活躍だった。

 広島、水戸、浦和。そしてW杯でベスト16入りした日本代表と、所属チームでは結果を出してきた。ときには「勝ちたいという気持ちが足りない。戦争に行くつもりでやれ」と同僚を一喝し、自らのプレーで鼓舞してきた。DFでありながら、最近の4試合で3得点。この日も闘莉王の一撃で勢いづいたチームは、終盤に猛攻に出た。後半34分、同38分と立て続けにFW玉田が追加点を奪った。闘将の勝負強さが、悲願のタイトルを狙う名古屋の力となっている。

 「4連勝だけれども、このまますんなりとは行かない。これからも気を引き締めてやっていきたい」と決意を新たにした闘莉王。試合後、三都主とともにアウェー側のゴール裏サポーター席へ向かい、頭を下げた。ブーイングと激励の拍手、そして「浦和レッズ」のコールを背に受けながら、胸を張ってピッチを後にした。【山下健二郎】

 [2010年8月15日8時7分 紙面から]


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田中マルクス闘莉王








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