6回に2番手で登板した藪
「ロッテ3‐2楽天」(14日、千葉)
“因縁の相手”に、存在感を示した。藪が六回に2番手で登板し、2回を無安打無失点。日本球界に復帰後初登板となった10日の西武戦では1死しか奪えず4失点で降板したが、入団テストで不合格となったロッテ相手に快投を演じた。
「前回からの修正とかは特にない。いつもフラットな気持ちでいくだけ。後ろにつなぐために、いいピッチングをすることしか考えていなかった。ロッテへの意識?特にないです」
多彩な変化球に、衰えを知らぬ直球を随所に光らせた。六回には、大松を最速145キロの直球で空振り三振。七回は先頭打者・清田に死球を与えたものの、続く西岡を遊直併殺に仕留めるなどし、2回を6人で終わらせる貫禄投球だった。
あくまで現役続行にこだわった藪は7月26日、ロッテの入団テストを受験した。ブルペンでは最速146キロをマークするなど高評価を得て、合格は目前とみられていたが、2日目のテストで球速が落ち連投が厳しいと判断されたことなどから不合格に。直後に楽天入団が決まり、2試合目の登板で巡ってきた因縁の対決だった。
試合は1点差で敗れたものの、藪の好投はひと筋の光明だ。「内容自体には納得?そうですね…。結果(チームの勝利)が出れば一番良かったですが、また次の機会もありますから」。そう言ってバスに乗り込んだ藪の表情は、どこかすがすがしかった。
(2010年8月14日)