チラシの裏SS投稿掲示板




感想掲示板 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[20761] 【習作】おれドラキュラくん(2035年 悪魔城 転生)
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 20:31
ユージンといいます。

練習です。練習です。
大事なことなので二回言いました。

ずっとやってみたかったんです。

たぶんツッコミどころ満載です。

ユージンは日本語が不自由だと友人に言われるので、
(日本生まれ日本育ちですが)
構成上もしくは文法上の問題点を箇条書きで教えていただけると、
今後のためになりとても嬉しいです。
もちろん他のツッコミも所望しております。

また続くか続かないかもわかりません。
いけるとこまで行ってみようと思います。

よろしくお願いします。
あと私は厨二病と妄想癖です。



[20761] 暁月編プロローグ
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 20:32
う~~、神社神社。
今 神社をもとめて全力疾走している僕は
高校に通うごく一般的な男の子
強いて違うところを挙げるとすれば
トラックに轢かれてないのに転生したってところかナーー
名前は来須蒼真(クルスソウマ)

ごめん。マジふざけすぎた。
転生してもう18年。
ぶっちゃけこの年までイベントが起きないと、転生した理由がわからん。
せっかく4歳から筋トレかかさずやって割れた腹筋を手にいれたのに。
魔王でも攻めてこねーかな。
現在2035年。
個人情報端末が幼稚園児にまで持たされる科学の時代にそんなことはおきるはずもにゃい。
話は変わるが、この時代驚きなのは電線がめちゃくちゃ減ったことだな。
端末の電波と干渉するとかなんとか。
まぁそんなことはどうでもいい。
重要なのは、結局俺が転生したのには特に理由も原因もなかったってことだ。
前世の名前、齋宗真(イツキソウマ)から名前だけ変わってなかったの幸運だった。
俺にとって得しかない、この転生は。
かつて160cmに届かなかった俺の身長は、今では172cm!
たぷんたぷんだった腹は引き締まり割れた腹筋(前述)!
そしてイケメン!
ダメ押しのグリリバヴォイス! 自爆スイッチを押せって言いたくなるね。なるよね。
それと幼馴染。
ここまで揃って高校三年までイベントなしってただの強くてニューゲームじゃね?
少し残念なのは前世で最後に母さんに送った誕生日プレゼントのお礼のメールを見ていないことくらいだ。
就活始まる前に転生したせいで、面接とか練習してないのも痛いな・・・。
まぁなんにせよ転生なら仕方ないね。仕方ないね。

・・・ん?幼馴染?弥那は嫁になんぞやらん!
おk。Koolになろう。
白馬弥那(ハクバミナ)。隣の白馬神社の一人娘。
フラグだと思ったか!? 俺もだよ!
小さい時から「蒼真くん、蒼真くん」いいながら後ろをついてくるのが可愛くてな。
光源氏計画みたいなことしてたんよ、中学入るまで。
気づいたら妹みたいになっちゃって。
なんかこう踏み込めなくなったみたいな。
・・・何?血の繋がらない妹?
高校で突然そんなのが現れたら燃えるかもしれんが、小さい時から一緒にいても萌えるだけよ。
そんなこんなでときどき弥那を見ながらニヨニヨしている俺勝ち組。
友達少なねーがな!
高校でも友達ができません。
中学までは転生者オーラのせいだと思っていたが、そんなことはなかったぜ。
弥那に情報収集を依頼したところ、
来須蒼真の評価B-。
「目が怖い」「近寄れない」「何だこのプレッシャーは」「怖い」「白い」
俺が何をしたorz
っていうか目は仕方ないだろう。
これって就職に不利なんだろうか?

まあそんなことはどうでもいい。
今俺は皆既日食を見るために白馬神社へ向かっている。
瓶コーラ片手に。
ラムネと迷ったが今はコーラな気分だった。
弥那のためにオレンジジュース(缶)もコート(弥那からの誕生日プレゼント)のポケットに入っている。
境内でみる皆既日食はたいそういいもののはずだ。
押しかける形になったのは、電話にでない弥那が悪い。弥那が悪い。

しかし毎度のことながら階段長いな・・・。
コーラもポケットに入れてしまおうか?ポケットの入り口が伸びてしまうが仕方ない。

そんなわけで白馬神社の鳥居までやって来たのだ。
ふと見ると御神木の枝に一匹のコウモリがいた。

「ウホッ! いいコウモ・・・あれ・・・?」
意識が薄れて。
「ちょま・・・」
ブラックアウト。


レポート
来須蒼真(クルスソウマ)
男 18歳
覚醒未確認
幼少時より奇行が目立つが、現在まで能力の発現は確認されていない。
両親とのなかは良好。
日食に対し興味を示しているが単なる好奇心の模様。
引き続き監視を続ける。



[20761] 暁月編1[目覚め(※いろんな意味で)]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 20:38
「う、ううん…」

眠い。眠すぎる。
っと思ったがそんなことはなかった。

「あっ、気がついたみたい」

んん?
その声は弥那か?

「よっ、おは…どういう事なの?」

ここはどこですか。
そしてなぜ俺は寝ていた。

「やっと御目覚めか…? いい気なものだ」
「へぇあっ? 誰…ですか?」

初対面の相手には礼儀正しく。
それが俺のジャスティス。
たとえイケメン相手でもだ。

「あっ、蒼真君。この人は、有角さんって言う人で…」
「有角さんさんですね、わかりま「そんなことはどうでもいい」orz」

「それより、お前に聞きたいことがある」



「なんですか?」


「なぜ、ここに来た?」


・・・哲学的な質問だ。自己啓発セミナーですか? ならば…。

「俺が、俺自身が…俺であるために(キリッ)」

初対面の人相手に俺は何を言っているんだ。

「! お前…既に? いや…報告には…(ブツブツ)」

思考の海に沈むイケメン。絵になりすぎててムカつくwww
とりあえず質問させろや。

「失礼ですが、有角さん…でしたか?」
「…なんだ?」
「Q.ここはどこですか」
「A.ここは、ドラキュラ城だ」

どういうことだキバヤシ。

「ヨーロッパへの長距離ワープ航路…既に完成していたとは…」
「いや、正確に言えば日食の中だ」

オワタ。残念なイケメンに確定だ。会話が危ない。

「確認しますが、ドッキリですか?」
「蒼真君! 聞いて、本当のことなの…」

どういうことなの。

「説明求む、なう」
「(なう?) それはだな…!? 敵か!」

!? なんですと!?

「ちょ、ま、ちょっと、いや大概待てよ!?」

骸骨が動いてるぅー↑↓!?

「ハッ!!」

そして砕けたー!?
木っ端微塵だー!

「しまった! 彼女を頼む!」

なんかきたー!?

「キャア!」

現状説明、空飛ぶ骸骨が槍を持って襲ってきた。
後ろには倒れた幼なじみ。

「・・・ォオオオオ!? ボクアルバイトォォォオオ!?」

結果、コーラ瓶で頭骨をかち割りました。
弾ける骨。と瓶。
ってなんかまた中からでたよぉ!?
こっちキター!?

「うわぁ!?」

胸に入ってきたんですけど。

「な、何だ…、今のは…」

胸がドキドキする。

「やはり、目覚めたか…」

これが…恋…?

「お前の身体に入った物は、今倒した、モンスターの魂だ。
お前には、モンスターの魂を自分の能力にする力がある」

違いました。

「な、何で…。そんな力が…(※今更的な意味で)」
「力を得た今、お前はこの城の城主の間へいかなければならない」
「一体何の為に?」
「彼女と、元の世界に戻りたくはないのか?」

え、なにそれこわい。出れないのここ?

「元の世界に戻りたければ城主の間に行くことだ。
そうすれば、全てが分かる」

いやいやいや。なにそのラスボスがそこにいますよフラグ。

「いやいやドラキュラ城の城主の間ってことはまんまドラキュラがいるんでないですか?」
「既にドラキュラは滅んだ。今のドラキュラ城はその魔力の残滓にすぎん」
「でも、なんかさっきみたいなモンスターのすごい版がいる気がするんだけどなー、
っていうかああいう類はヘルシング機関とかベルモンドとか埋葬機関とかに任せておくべきだと思います」
「…ベルモンドは行方不明だ。教会も動いてはいるが、もはや日食の内側に入ることはかなわんだろう」

いるの!?
驚愕の事実。転生先は悪魔城ドラキュラの世界でした。
日本が舞台のなんてあったっけ? シャノアさんに会いたいです。


「生身の人間がこの城に長くとどまることは、死を意味する」


「! つまり弥那は…」
「そうだ、彼女を助けることが出来るのは、お前だけだ」

…なんてこった。いきなり命の危険かよ。

「ここに結界を張っておく。魔物に襲われることは無い。
…俺にはこの城でやらねばならない事がある」

厄介なことになったな…。だが

「行くしかないか」

急ごう。

「待て」



「なんだよ?」
「これを持っていけ」

変な首飾りと変な玉と普通の剣をもらいました。

「なんだこれ?」
「その首飾りにはある程度のものを入れておける。
卵は常に身につけるようにしろ。剣は武器だ」

最後のはわかるよ。有角よ。
とりあえず卵はポケットにいれといて。
首飾りは…どうやって使うのかと思ったら何となく分かった。
剣を入れてって…

「つまり武器を使うような目に会うと…」

欝い。

「時間は少ない。さあ、行け!」

目的地は城主の間か…。

「行くか」



その後、彼の姿を見たものはいない…。


ってならないようにだけ気をつけよう。


ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 ショートソード
防具 コート
他1 首蔵
他2 卵?

ソウル

ウィングスケルトン

その他

オレンジジュース(缶)
PIT(ポータブルインフォメーションターミナル)小型情報端末


だんだん「礼儀正しく」が適当になっていくのは仕様です。
あとこの蒼真は厨二病です。突然不思議さんになることがあります。



[20761] 暁月編2[激逃]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 20:41
「ハァ…ハァ…」

俺はいま全速力で走っている。逃げるためだ。

あいつから。

あいつは俺を、俺だけを狙っている。

わかるのだ。今もあいつの視線を感じる。

「ハァ…ハァ…くそっ!」

限界だ。瓦礫に身を隠す。

剣は折れてしまった。魔力もすっからかんだ。

(どこかに休む場所でもあれば…!?)

休ませるつもりもないようだ。
瓦礫がはじけ飛び、中から

「ホァァァイ!!」
「なんなんだこいつはぁぁぁ!?」

真紅のマントに身を包んだ骸骨が飛び出した。


**********

やぁ、俺、来須蒼真(クルスソウマ)
高校生にして転生人だ。

あの後初めて見たゾンビにびっくりしたり、
魔力をソウルに流しこんで発動できるようになったりといろいろあった。

で、剣の扱い(といっても振り回すことしかできないが)やら、
ソウルの扱い(魔力を扱えるようになりました)の練習も兼ねて、
隠れながらゾンビを倒していたのですよ。

ゾンビ
一般に知られる動く死体。伝承によっては腐ってたり新鮮だったり。

悪魔城のは腐ってました。
はじめに驚いて剣を叩きつけたら、
頭頂部から真っ二つ。素晴らしきみたいになった。

何か数体倒してわかったけど崩れた肉や骨を無理やり魔力で人の形にしているみたいだ。
ある程度体が崩れるともう戻れない。
だから剣をたたきつけるだけで、真っ二つだぞ!

ソウルの方は簡単に説明すると、
俺の中に吸収したモンスターの魂があってそれに(俺の)魔力を流し込むと、
その魂の構成情報に従って特殊な能力が発動するという仕組み…たぶん。

なんでこんな能力に目覚めたんだろう?

1. 実は悪魔城作品の主人公だったんだよ!
2. 実は転生したときに神様にもらってたんだよ!
3. 別に理由はなかったんだよ!

多分2だろうな。
1は魔物の力をコピーだったら主人公だったかもしれん。でも吸収だとセルっぽい。
3はないと信じたい。
2ならテンプレ通りだ。

っていうか魔物の魂を吸収って…暴走フラグっぽくね?
ほら、なんか「もうこれ以上は…抑えきれない…ウボァー」って。
ちょうこわい。

吸収の条件も分からんしな。
ゾンビを十数体狩ってそのうち魂が出たのが二つ。
効果は毒物への耐性…たぶん。

もう少し詳しく調べてみる必要がありそうだ。
この吸魔の力(命名)は。

ナンカオラワクワクシテキタドー

「もう少し殺ってみるか」

首蔵(命名)から剣を出すのにも慣れてきた。
ちなみにコートは中にしまった。

早くもこちらに気づかぬ哀れなゾンビっ娘(性別仮)を発見した。

(こっちだ…もっとこっちに来いい…)

なんだか好戦的になっている気がする。
俺は大丈夫だろうか。

きた!

「ヒャッハー! 新鮮な「待てい!!」!?」

だれやねーん!?

そこにいたのは

**********

「チェストォォォ!」
「ヴォォォオオオ!?」

ありえねぇよ!?

はじめにみた羽根つき骨より速い、硬い、強い。
キックで剣折るし、空跳び回るし。
殴っても硬くて突き指しかけたし。
槍(ソウル)は避けるし。

あれ? 打つ手なくね?

「貴様のような! 貴様達のような!
自らの欲を満たすだけに!
罪の無い哀れなゾンビの少女を滅せようとするような輩に!
この私が! この"サスケ・ザ・キシン"が敗れるものかよぉ!」

…キシンとな?
もうダメかもわからんね。




ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 拳
防具 ふだんぎ
他1 首蔵
他2 卵?

ソウル

ウィングスケルトン
ゾンビ

その他

初めての魔力(本)
オレンジジュース(缶)
PIT(ポータブルインフォメーションターミナル)小型情報端末


ユージン、イン自動車合宿教習所なう



[20761] 暁月編3[鬼神の如く]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 20:43
キシン流
多分「鬼神流」。
分身、高速移動、(中世ヨーロッパでは)特殊な剣を使う。
以上のことから古い時代に日本とかから伝わった退魔術かなんかだと予測される。
ムッムッホァイ!


勝てねぇよ。

「アチョー!」

この蹴りだ。空中から加速するこのライダーキックだけはもらってはいけない。
ショートソードが折れる蹴りってなんよ?

「くっ…!」

まだ避けれる。いっぱいいっぱいですがなにか?

「ぬぅ…ここまで避けるとはな…」

着地の衝撃で砂埃を巻き上げながら静かに語りかけてくる骨(ライダー)。
いやいや、あたったら死ぬ気がするから。

「貴様のことを甘く見ていたようだ」

! 嫌な予感が…。

「ここからは全力で行かせてもらう!」

ですよねー。

コォォォ…という音と共になんだか素敵なオーラのようなものを纏う骨(強化仕様)。
背景が歪んで見えるんですけど。

「これで…終わりだ!トアァ!」

跳び上がる骨(赤オーラ)
ライダーにやられる怪人の気持ちが今ならわかる。
ありえん(笑)

「ホアァァァァァ!」

速い! 無理だ! 避けられねぇ!

っとそう思った瞬間

ゴッ…

頭を後ろから踏みつけられました。

「ひぎぃ!? ぬあっ…!?」

俺の頭を踏みつけて跳び上がったのもまた骨だった。
ただし青マント。

「やらせぬ!」
「貴様は!?」

ぶつかり合う骨と骨。
お互いに後方にはじかれた。

「久しいな…サスケよ…」
「ぬう…まさかまだ生きていたとはな…」

いや死んでいると思うが。

「だが今更何をしに来た!兄者…"ハンゾウ・ザ・キシン"!」

なんですと?

「サスケェ…なぜ貴様は人を襲う…?」
「我らは既に人ではない!」
「ならば食すためか」
「奴は襲われたわけでもないのに、自らの力を試さんとするためだけに魔物を襲ったのだ!」

ごめんなさい。

「人と魔は相いれぬ。それは自然の摂理」
「否、既に魔物たちの魂は王より解き放たれた!
ただ生きようとするものたちを滅ぼすことなど許せるのか! 貴様は!」
「変わらぬな貴様は…」
「私はただすべての生きようとするものには平等に権利があると考えているだけだ!」
「ただ本能のままに人を襲う魔物たちにも…か?」
「当然だ!」
「…やはりお前は一族に生まれるべきではなかったのだ。ここでその魂、祓わせてもらう!」
「やってみせろよ、この"サスケ・ザ・キシン"にぃ!」
「貴様にその名を名乗る資格はない! 消えよ!亡霊!」

どういうことなの。
そしてなぜ説明口調なの。あまり説明になってないけど。

両者空中跳び上がり、赤と青のオーラを纏いぶつかり合う。

…今のうちに逃げようかな。


そうまはにげだした。

だがまわりこまれた!

「逃すかぁ!」
「ぬぉ!?」
「やらせぬ!」

骨(赤)のこうげき!
骨(青)はそうまをかばった。
骨(青)はばらばらになった。

ヤベーよ。頭骨以外木っ端微塵だよ。跡形も無いよ。

「ふんっもはや邪魔者もいない…」

アチャー。俺オワタ。

[少年よ…]

幻聴!?

[頼む…奴を…止めてくれ…]

骨(青)か!

[私の…残った力を…君に…]

うぉ!?

「ぬっ!?」
「こっ…これは…」

青オーラが…体からふきでてます。
体が馬鹿みたいに軽い。

[チャンスは一撃だ…頼む…]

いきなり無茶ぶりですね。

「クククッ所詮付け焼き刃よ!止めだ!」

また跳び上がる骨(赤)

[奴の弱点は…]

既に骨(赤)との距離はほぼない。

[頭だ…]

接触。




「馬鹿な…この"サスケ・ザ・キシン"が…この…よ…な…」

適当にとにかく頭を蹴ろうとしたらすごいことになった。
相手のキックが肩にかすったときに俺の体が回転。
すごい勢いで上段回し蹴り。しかも頭にあたった。

「生きてる…」

想像していたよりも俺の運は強いらしい。
肩がすごく痛いが。

頭骨を砕かれた骨(赤)は残った骨をバラバラにしながら崩れていった。
そして塵となって消えていった。

頭蓋骨が本体なのか?

[少年よ…感謝する…]

…うぉ!? 忘れてた。

「骨(青)…」
[なんなのだそれは…]

「結局あんたらなんだったんだ…」
[我らはかつてこの城にドラキュラを倒すためにきた退魔の一族だ…]
「ほぅほぅそれで?」
[奴…サスケは優しい男でな…祓うべき魔にも情けをかけてしまうような男だった…]

(ありがちだな、おい)

[かつてドラキュラが滅ぼされる前まで城のあらゆる魔物たちは完全に人の敵対者だった…]
「えっ、今は違うの?」
[ドラキュラが滅び…城の主がいなくなった頃から…
少しづつ人の敵対者ではない魔物が現れるようになった…。
我らも…この姿になったことを自覚した…]
「それは…(ミイラ取りが乙)」
[私は…人を襲うものを人が倒すことは自然だと考えている…]

「…さすがに襲ってきた奴相手には情けはかけられねえわな」

[ああ…それでいい…
だが…人を襲わない魔物に出会ったら…むやみには襲わないでやって欲しい…
既にただの生き物とかわらぬように生きている魔物もいるのだ…]

まあ意思の疎通ができるなら…あるいは。

[少年よ…最後にもう一度…感…謝を…あり…とう…]

そうして骨(青)は塵になっ…!? ソウル!?

ポシュッ

…吸収しちゃった。
なんだかなあ。




一回弥那のところに帰ろう。




ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 拳
防具 ふだんぎ
他1 首蔵
他2 卵?

ソウル

ウィングスケルトン
ゾンビ
スケルトンキッカー

その他

初めての魔力(本)
オレンジジュース(缶)
PIT(ポータブルインフォメーションターミナル)小型情報端末


ユージン、イン自動車合宿教習所なう
カオスです。
主にユージンの頭の中が。
そしてまだグレイブキーパーのとこまでも進んでない件について。




[20761] 暁月編4[休憩中1]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 20:47
**********

前回のあらすじ

「うぉぉーー!」
「さぁ来い蒼真! 実は私は頭を蹴られると一撃で死ぬぞー!」

デュクシ

「ぬわーー!」

「ハァハァ…やっと骨(赤)を倒したぞ!」
「クククッよくやったな蒼真…だが奴はキシン流でも最弱…」
「うぉぉーー!」

デュクシ

「ぬわーー!」

「フッ…やるじゃないか。これなら安心して君にこの力を託せるぞ」
「やった!ライダーキックができるようになったぞ!」
「わが人生に一辺の悔いなし!」
「骨(青)さん…無茶しやがって…」

**********

「っと、まあこんな感じだったな」
「へぇー、蒼真くん大変だった…えーっと…う、嘘だ!」
「なかなか分かってきたじゃないか、あとでジュースを奢ってやろう」
「…やっぱり9本もいらないよぅ」
「京都のぶぶ漬けみたいなものだからとりあえず言わなきゃいけないんだって」

帰ってきて(オレンジジュースを渡しながら)適当に現状報告。だいたいあってるはず。

「体はもう大丈夫なのか?」
「うん。とりあえずは大丈夫。蒼真くんこそ無理してない?」
「もちろんさぁ☆ (嘘、実際にはやせ我慢でしかない)」
「有角さんが結界を張ってくれたから、ゆっくり休んでいってね」

結界
害意を持ったものを近づけさせなくするらしい。
便利なものだ。使ってみたい。
ところで

「弥那、そうじゃない。ゆっくりしていってね、だ」
「…そんなに重要なのかなぁ?」
「ああ…間違えれば地軸がずれる! (これも嘘、言うまでもないが)」
「ええっ!? そ、そんなわけ……どうしよう…どうしたらいいの蒼真くん!?」
「うつです。違った、嘘ですが」
「……」

癒されるなぁ…骨に追いかけられていたのが夢のようだ。
あの後手に入れたソウルにどれだけ魔力を流しても、あの素敵オーラは発現しなかった。
ただ空中で斜めにキック、要するにライダーキックができるようになっただけだ。

「…こんな時でも落ち着いてるんだね」
「ああ、操作系能力者だからな」
「?」

マイペース。

「そういえば有角はどこいったんだ?」

もはや呼び捨てである。

「えっ? えっと…何かやらないといけないことがあるって…そうだ! 伝言があるの!」
「伝言?」

なんだ?

「えっとね。まずこれ、PITに魔物図鑑の機能を追加するチップだって.
それともし剣が折れたり曲がったりしてもそのへんを探せばまた見つかるかもって」
「…さすが悪魔城! あらゆるものは現地調達! サバイボウ!」
「あのね…水とご飯は用意していってくれたの。蒼真くんの分も。はい、これ」

とりあえず受け取り首蔵に入れる。こらこら弥那さん、欲しそうにしないの。

「その首飾りってひとつしかないのかなぁ?」
「有角にきいてみたらいいんじゃないか?」

ってか結構食料あるな。これをスーツの中に隠していた…いや、担いで持ってきた…?

「有角さんも持ってたし」

ですよね。そんなわけないよね。
もう少しでイケメンのシュール画像が脳内に完成しそうだった。
……ん?

「なあ弥那」
「なーに?」
「有角って…お前のなんなんだ?」
「!? ゲホッケホッ…」
「ちょ、おい大丈夫か?」
「…大丈夫、うん、大丈夫。
有角さん? 有角さんは…えっと…お世話になっている人…なのかなぁ?」

何故に疑問。

「昔から、よく家に来てたみたいなんだけど…よくは知らないの」
「ほうほうそれで?」
「国の諜報機関にいるって、聞いたことはあるけど…」
「諜報機関? あれだろ。CIAだったかFBIだったかNBAだっけか? まあスパイ、つまりボンド」
「(接着剤…)なんだか不思議な人なの」

見ればわかる。

「普通の人って、10年も経ったら、
少しぐらい変わるものでしょう?」
「そりゃあなあ」
「全然、変わらないの」
「気のせいじゃなくて?」
「そうなのかな…」

スパイで年をとらない美形?

「でも、顔だって綺麗過ぎるし、人間離れしてると思わない?」
「…弥那。よく聞くんだ。それ以上いけない」
「…え?」
「奴は危険だ。奴はきっと過去に幾人もの女性を泣かせてきたに違いないんだ、たぶん。
もしも、あーゆうのがお前の好みだとしたら、
俺はあいつがごめんなさいというまで綺麗な顔をぶん殴ってやる!」
「な、何、言ってるのよ! 私はどっちかといえば…。
!?
関係無いじゃないそんなこと!」
「冗談だよ。お前が本気だというなら止めはしないさ。だがその道はイバラのみ「違うってば!」むぅ…」

奴は確かにイケメンだ。間違いない。何が違ったのだろうか…。
しかし、年をとらない色白の美形か…吸血鬼だったりして。
いや、日当たってたしなあ。
いや日食の中なのに日が当たるってのもそもそもおかしいしなあ。

「もう…蒼真くんのバカ…」
「ワード”バカ”を抽出しました。バカとはなんだねバカとは」
「そんなことより!」

そんなこと…。

「蒼真君もここにいたほうがよくないかな?」
「んー、いや。ここから出るためには、
城のあちこちに隠された7つの宝玉を集めて最上階の祭壇に捧げなくてはいけないらしいんだ。
ちょうど退魔の力に目覚めたんだ。有角も忙しそうだし行ってくるよ」

でも骸骨(オーラ)は勘弁な!

「そうなんだ…。でも、気をつけてね」
「ああ、全力で気をつけ尽くしてやるさ。
あっ! これ読むか? 暇つぶしの道具にでもなるかも」
「…一応預かっておくね」

初めての魔力

っと、

「弥那?」
「何?」
「俺の事、信じてくれるか?」
「うん。蒼真くん危ない嘘はつかないもの」

(ちょっとからかってるだけなのに)

「じゃ泥舟に乗った気分で待っていてくれ。
ここから戻る方法を必ず見つけ出してみせるさ」
「泥舟はいやだなぁ…」
「ならノアの箱舟にでも気分で変えてくれ」
「うん。待ってるから。
絶対に、無理だけはしないでね」
「まかせとけって」

さて長くここにいたら危ないって事は、黙って置いた方がいいかな…。

「いってきます」
「いってらっしゃい」


とりあえずは武器の調達だ。
行こう。


おまけ
「あと有角さんがね」
「ああ」
「かつてない強大な魔力の塊が二体ほどこの近くをうろついているから気をつけろって」
「……(先に言えよ)」



ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 拳
防具 ふだんぎ
他1 首蔵
他2 卵?

ソウル

ウィングスケルトン
ゾンビ
スケルトンキッカー

その他

PIT(ポータブルインフォメーションターミナル)小型情報端末
魔物図鑑機能


ユージン、イン自動車合宿教習所なう

どう考えてもあのコートを高校生が着るのは妙だ→誕生日なら仕方ない

コーラ瓶の蓋はベルトのホックで開けたりもできるらしいです。見たこと無いけど。

有角に対してはイケメンという印象が強すぎたということで…。

状況描写が少ないのは単純にユージンの力量不足です。
申し訳ないです。

ぼくドラキュラくんから題名をとっています。

宗真は悪魔城のメインと有名な外伝はあらかたやっていたりします。

悪魔城の新作PS3かXBox360で希望



[20761] 暁月編5[魔物との戦い・初級編]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 20:50
**********
前回のあらすじ

「きゅ、休憩しました…」
「ああ…つぎは武器調達だ…」

以上

**********

(恐怖が麻痺しているのだろうか)

ぜんぜんゾンビが怖くない。
主に骨(紫)のせい、たぶん。

ゾンビはライダーキックで倒した。
触りたくないから。

(ゾンビさん踏み台役乙です)


襲ってくる奴以外を無視して進んでいたら、
あっさり瓦礫の道を抜けた。
骨(紫)がいなければ普通にここまでこれたのに。

っお? …水の流れる音だ。
これはなんだろう。池か? 池っていっていいのか?
地下水を組みだして貯めているのだろうか。

「シャー!」
「シャー?」
「シャー!」

なんかいる。
っとこんな時は…隠れてっと。

(お前の出番だ…いでよポ○モン図鑑)

カメラから取り込んだ映像を読み取らせる。
ちなみに、俺のPITは自作の改造品でありシャッター音はない。
…でた。

はんぎょじん
水辺に生息し近寄る獲物を襲う

…えっ? 弱点とかでないの?
だめじゃん。

あれ? いくつか知らないデータが…

ゾンビ
はんぎょじん(New!)
ウイングスケルトン
スケルトンキッカー

ああ。倒した奴の名前がわかるのか。
仕組みはわからんが。

適当に閲覧する。

判明。

写真があれば名前がわかる。
ソウルを手にいれればその他もろもろもわかる。

(なかなか便利じゃないか…)

あの骨(紫)ってスケルトンキッカーだったのか…。
てっきり新種だと思ってたよ。


とにかく、あいつらはこっちに気がついていないようだし一気に駆け抜けよう。

あいつが振り返った瞬間に後頭部を踏みつけて飛び越える!

…今!

「ぃよっと」
「ぎょ!?」

成功。
あとは地雷原を一気に駆け抜けてや…なんだあれは?

なんといえばいいのか。
魂を瓶詰めにしたようなものがあった。
これはいったい…。

「シャー!」

しまった!?
忘れてた!

ブバッ

「うぉぉ!?」

口から水吐き出しやがった。
しかもすごい威力だ。
バケツで水をぶっかけられる以上の衝撃だ。
痛えし、冷てえ。

吹っ飛ばされました。
さっきのなんだかよくわからないものの方向に。

ガシャン

あ…壊しちゃった。
飛び出した魂を吸収と同時に池にボチャン。

水の中ではんぎょじんの団体さんとご対面。

**********

急いで陸に上がって逃げてきた。
水の中の奴らマジパネェ。
槍とかあっさり避けるんだもの。

(しっかしびしょ濡れだな…)

服が水を吸って、すごく…重いです。
コートしまっておいてほんとに良かった。


…この部屋に入った途端あいつら追いかけてこなくなったな。
原因は…

「これか…」

女神像
俺にもわかる。
これからはなにか神聖なそれっぽいアレがでている。

ここで休憩しよう。
さすがに服が乾くまでは待っていられんが、
軽く絞っておけば動いているうちに乾くだろう。

そういえばさっきの瓶詰めソウル(仮)はなんだったんだろうか。
壊してよかったのだろうか。
あとで弁償とか…!

[既にドラキュラは滅んだ]

なんてこった。
別に壊しても怒られねーじゃねーか。
所有者はもういないし。
過去のベルモンズなんてあちこちの燭台壊しまくってたんだし。
…よし。大丈夫だ。

あとはさっき手に入れたソウルを確認するか。
陸まで追っかけてきたはんぎょじんを倒したときにソウルも手に入れた。
さっきの水鉄砲が撃てるみたいだ。

もうひとつは瓶詰めの方。
魔力を流すと、

カカッ

「おぉ?」

バックステップ。これはいいものだ。
回避に使えそうだ。
相手に背中を見せないですむ。


ギュッギュッ

と服も絞った。

出発しよう。

**********

部屋をでたら目の前がはんぎょじんでいっぱいだったらどうしよう。
っと思っていたがそんなことはなかった。
もう既にあいつらは池の方に戻っていた。
気付かれないように別の道に行けそうだ。

**********

途中でこうもりに襲われたけど、
私は元気です。

ソウルも取れました。
普通のこうもりじゃないのだろう。
悪魔城だし。

さて、また入口付近のような瓦礫の道にもどってきたわけだが。

骸骨がいる。
複数。

俺は骸骨に苦手意識を持ってしまったのだろうか。
近づきたくない。
はじめてゾンビをみたときよりひどいかもしれない。

隠れて進もう。

**********

バレませんでした。
よかった。

今度は整備された道にでた。
やっと城って感じがする道だ。
道の端には鎧が飾られている。

…その中の一本を素早く首蔵に入れる。

ブロードソードを手に入れた。

(…別に火事場泥棒とかじゃないんだから! 勘違いしないでよね!)

気持ち悪いね。


ギシギシッ
ゴゴゴッ


!?
周りを見渡す。
あるのは鎧だけだ…!?
待て。あんな所に鎧があったか。
っていうか

ブワッ

「あぶねえ!」

斧投げてきた。
死ぬかと思った。刃物だよ。
骨(紫)の時とは違う、現実的な死の感触がした。

ガシャッガシャッ

こいつの正体は魔物図鑑なんてなくてもわかる。

アックスアーマー

悪魔城シリーズほぼ皆勤のザコモンスター。

こいつがザコ? ねーよ。
刃物投げてくる奴がザコとか。

だが今のこいつは斧を投げたせいで無手。
今なら倒せる!

「くらえ!」

[蒼真! 伏せて!]

!?

ブワッ

頭の上を通りすぎる巨大な質量。
それを奴が受け止めるのと同時に、俺は全力で獲物を奴に叩きつけた。

**********

忘れていた。
こいつらは斧をブーメランにするタイプもいるんだった。

塵となり消えていく鎧(と折れた剣)を見ながら思う。

[蒼真! 伏せて!]

しかしあの声はいったい…?

また骨(青)が助けてくれたのだろうか。
…いや。

(女の子の声だったよな…)

まあいい。
とにかく先に進もう。

**********

あの扉の向こうから大きめの魔力を感じる。

「…よし! イクゾー!」

入った先には

「あ…ああ…」

巨大な骨

どうやら俺は骨に縁があるらしい。



ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 拳
防具 ふだんぎ
他1 首蔵
他2 卵?

ソウル

ウィングスケルトン
ゾンビ
スケルトンキッカー
はんぎょじん
グレイブキーパー
こうもり

その他

PIT(ポータブルインフォメーションターミナル)小型情報端末
魔物図鑑機能


ユージン、イン自動車合宿教習所なう

文章上不自然な部分などは、
箇条書きで教えていただけるととてもありがたいです。




[20761] 暁月編6[退魔の心得・初級編]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 20:52
**********

前回のあらすじ





以上

**********


「あ…ああ…」

それは人間の骨の形をしていた。
人間の上半身。
だがあまりに大きすぎた。
頭蓋骨だけで俺の身長くらいある。

ありえない。
なんだこれは。
いったいなんの骨からこんなものができたんだ。

恐怖で体が動かない。
骨(赤)と戦ったときほどの威圧感はないのに。
奴が右腕を振り上げているのに。

[避けて!]



ドゴッ

奴のもつホネこんぼうは地面に突き刺さった。
危なかった。
バックステップがなければ即死だった。
いや、それ以前にあの声がなければ動くこともできなかった。

「くそっ!」

情けない。
ビビって動けないなんて!
とにかく一旦距離を開けないと…。

[怖がっちゃだめだよ! 恐怖は魔を強めるの!]
「さっきからいったい誰なんだ!」
[いまはそんなことより目の前の敵に集中して! くるよ!]
「く…」

振り回されるホネこんぼうを避けながら考える。
今俺は武器を持っていない。
相手のリーチは長い。
ソウルを使っても今の俺じゃあ相手の間合いに入らないと当てられない。

しかし…

(あの間合いに入る度胸がない…)

そもそも俺はビビリだ。
ゾンビやはんぎょじん、アックスアーマーと戦ってきて、
恐怖が麻痺していたのかと思ったらそんなことはなかった。

くそ…くそ…どうする!?

[とまっちゃダメ!]
「なっ…グッ!?」

奴の振り回した腕にあたったようだ。
吹き飛ばされて壁にたたきつけられた。
痛い。

「うぇ…」

口の中切った…。
だが距離は開いた。
今のうちに

「おい! あいつはどうやったら倒せる!」

口の中の血を吐き出しながら問いかける。


「おい! 答えろよ!」

返答はない。

ちくしょうめ。
ついに天の声にまで見放されたか。

近づいてくる骨。

もともと無理だったのか?
転生したとはいえ、
ただの一般人だった俺が少し体を鍛えた程度じゃあ悪魔城に挑むなんて無理だったのか?

右腕を振り上げる骨。

[…まの…み…も、こい…は倒せる!]



[魔物は人間の心から生まれているんだ!
本来なら人間が負けるはずがないんだよ!
でも恐怖を持って触れてしまえばそれだけ強く見えてしまうだけ!
倒すという気持ちがあれば倒せるはずだよ!]

「簡単にいうねぇ…」

[こんなところで終わったらあの娘と一緒に帰れないんだよ!]

!?

振り下ろされるホネこんぼう。

(…ああ、終われねえよ)

やってやるさ。
その綺麗な頭蓋骨をぶん殴ってやる!

ドゴッ

バックステップで避け、そしてその腕を駆け上がる。

「ぉぉおおお!」

[とにかくはやくこいつを倒してよ! 揺れが…]

そして俺は

「くらええぇぇ!」

全身の体重をのせた右ストレートをその眉間に叩きつけた。

**********

消えてゆく骨の体を見ながら、
俺はその左腕に引っかかっていた卵(仮)を拾い上げた。

「お前がさっきからの天の声だな」
[アル…有角から何も聞いてないの?]
「ただ持っておけとしかきいてねえよ!」

さっきからの声の正体は卵(仮)でした。

[まさか何も伝えていないとは思わなかったな…]
「結局お前なんなんだよ?」
[僕? 僕はまだ卵だから生まれてみないとわからないな]
「どういうことなの。…まあいい。とりあえず助かったよ」
[そう頼まれているからね]
「卵なのに」
[卵だからだよ。僕は君の魔力を少しずつもらって成長するんだよ]
「…つまりしゃべれるようになったのはアックスアーマーの時か?」
[その通り。君より少しはこの城に詳しいからね。サポートしてあげるよ?]

なるほど。サポートか。

「そうか。じゃあよろしく頼む。改めて、来須蒼真だ」
[よろしく。僕の名前はまだないから生まれたときに名前をつけてね]
「名付け親か…」
[ゆっくり考えてね]


フワッ

!?
何だこの珠は!?

[大丈夫だよ]
「なんだよこれ?」
[触れてご覧。さっきの骨の魔力の塊だよ。確か傷も直してくれるはずだよ]
「ほう…そういうものもあるのか…」

触れると一気に口の中の傷が治った。
これはすごい。
実は口の中を切った以外は大したケガはなかったのだが。

[蒼真]
「ん? なんだ?」
[これから魔物と戦う上で絶対に覚えておいてほしいことがあるんだ]

なんだ?

[恐怖に飲まれないこと!
恐怖を感じないようにすればいいんじゃない。
それじゃただの馬鹿だしね。
それに飲まれないことが大事なんだ]
「…難しいな。やっぱり怖いさ」

これからも戦えるだろうか?

[大丈夫だよ。さっきの君なら及第点だ!]
「むう…まあがんばるさ」

ふむ。
とりあえずサポートも手に入ったし、これからも戦えそうだ。
頑張ろう。





オマケ

しかしボクっ娘か…生まれるのが楽しみだ。

[ん?なに?]
「いや何でもない」




ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 拳
防具 ふだんぎ
他1 首蔵
他2 卵(サポート)

ソウル

ウィングスケルトン
ゾンビ
スケルトンキッカー
はんぎょじん
グレイブキーパー
こうもり

その他

PIT(ポータブルインフォメーションターミナル)小型情報端末
魔物図鑑機能


ユージン、イン自動車合宿教習所なう

文章上不自然な部分などは、
箇条書きで教えていただけるととてもありがたいです。

サザンアイズ全巻読みました。
合宿で何やってんだろ…。




[20761] 暁月編7[覗き目]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 20:54
**********

前回のあらすじ

ついに己の恐怖に打ち勝ち、真の勇気と力を取り戻した蒼真。
だがそれは有角の仕組んだ巧妙な罠だった!
新たなる仲間と共に、蒼真は最後の戦いに赴く…。

**********

「というのを思いついたんだが」
[それじゃ有角がラスボスみたいじゃん。
どうでもいいから早くその地図開いてみてよ]
「見えんのか?」
「君の目を通して見るんだって! ほらはやく!」

今、俺は卵(孵化するまでそのまま呼ぶことにした)と一緒に、
拾った地図をみている。

[うわっ。だいぶ形が変わってるや]
「悪魔城経験者なのか?」
[一応ね。でも悪魔城は混沌から生み出されてるから]
「入るたびに形が変わる、と…」

それなんて不思議のダンジョン?
正確には復活するたびにだけどねー、と話す卵。

しかしこいつはいつ悪魔城に入ったのだろうか?
こんなサポート役が悪魔城にいるなんて知らない。
せいぜい二人組で入った時に相談ができるくらいだったと思うんだが…。

「なあ」
[なに?]

「お前はいつここに来たんだ?」

直接聞いたほうがはやい。

[えっとね…前回は確か…30年くらい前…1999年だったかな?]
「ほう? その年ってなんかあったのか?」
[さあ? アル…有角は何も教えてくれなかったし、途中からおいてかれちゃったからわかんない]

おいていかれたって…

[卵に戻されてポーン…っていうのは言い過ぎだけどそのまま道具袋の中にいたらしいよ]
「へー。で、その前は?」
[その前? その前は…ごめん。ちょっと記憶が足りなくてわかんないや]
「なんと! 記憶喪失とな!」
[知識は殆ど残ってるし、君の魔力を吸収し続けてれば少しずつもどっていくはずだよ]
「ふーん。吸いすぎないでくれよ? こっちはど素人なんだから」
[大丈夫大丈夫。普段発散している無駄な魔力もらってるだけだから]

記憶が戻ったらまたきこう。


さて地図を見ているわけだが…

「卵。今俺の後ろから凄まじい気配というか視線を感じるんだが」
[ごめん、言うの忘れてた。後ろからピーピングアイが近づいてるよ]

(そういうことは…)
「先に言え!」

前に飛び出し、後ろを振り向く。
そこには

「このロリコンどもめ!」
[なにいってんの?]
「いやあんなの見たら言わざるをえないだろう?
まさかバックベアード様がご降臨されるとは…」
[ピーピングアイだって。そんな上級の魔物じゃないよ]
「なにっ! やはりベアード様もいるのか!」
[伝説やら人の噂になるものだったら大体存在する可能性があるよ。悪魔城には]
「そうなのか」
[そうなのだ。っま、戦うんならこいつはぶつかってくるだけだから簡単に倒せるよ]
「ほうっておくのは?」
[ずっと見られる…っていうのは人の精神を衰弱させるんだよ。
これからのことを考えるなら、一度目をつけられたなら潰しておいたほうがいい]
「なんか不良の掟みたいだが、仕方ないな」

グシャッ

ぶつかってくるピーピングアイを地面に叩きつける。

「やっぱり武器は必要だな…」

手が何かぬめぬめする。
すぐに塵になって消えるとはいえ、あまり好ましくない。

ボシュッ

ソウルだ。
吸収する。

[へえ…それが蒼真の力か]
「名づけて吸魔の力。俺には魔物の魂を吸収して使う力がある」
[で、ピーピングアイの能力は?]
「ちょっと待てよ。
…ソウルの受ける魔力の量が少ないっていうか低燃費だ。
これなら慣れればずっと使っていられそうだ」

こういうソウルもあるのか。
さて能力は…ん?

「卵。この壁変じゃないか?」
[…んー。わかんない]
「たぶん壊せる…」
[そういえば悪魔城にはそんな壁もあったね]
「こいつの能力だな。俺にはそんな洞察力はないし」

洞察力が上がるのか。
戦闘の役に立つかもしれないな。
しばらく魔力を流し続けてみよう。

「さて、壊せそうだがスコップやらツルハシが都合よく落ちてたりしないかね?」
[素手で殴ってみれば?]

ほう…

「フタエノキワミ、アッーーー!」

ドゴッ

[いいパンチじゃん。魔物にも効くわけだ]

まさか本当に壊れるとは…。
まあいい。
さて奥には何があるかな?

[右のほうだよ]
「これは…」
[よかったじゃん。武器が手に入って]

クレイモアを手に入れた。

ブンッブンッ

「ふう。振り回せるな…大丈夫だ」

武器調達…完!

[あのさ、蒼真]
「ん? なんだ?」
[実は魔物と戦った経験あったりする?]

なにを馬鹿なことを。

「この城に来て初めてですがなにか?」
[うーん。身体能力が上位の退魔師並なんだよね。魔力も]

マジで!? ちょっと嬉しい。

「ちっちゃい頃から鍛えてたからな」
[それにしたってちょっと強すぎかな。
実は記憶喪失だったり、前世の記憶があったりする?]

!?

「…笑わないなら言う」
[いいよ]
「実は断片的に前世の記憶があったりする(半嘘)」

ほぼ前世のままです。

[うーん? 実は前世で凄腕の退魔師だったとか?]

それはない。

「まあ結局強いのは力だけなんだろ? 技もない、心もなっていないんだ。頼りにしてるよ?」
[そりゃ全力でサポートするけど…なんか違和感があるなぁ?]


首を傾げる(?)卵と共に、俺はさらに悪魔城の探索を続けた。





オマケ

「前世の記憶がある!? …いや、それならベルモンドを知っていてもおかしくない?
しかし報告書では未覚醒のはずだ…。蒼真…お前はいったい…」
卵とリンクしている人がいたり。



ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 クレイモア
防具 ふだんぎ
他1 首蔵
他2 卵(サポート)

新しいソウル

ピーピングアイ

その他

PIT(ポータブルインフォメーションターミナル)小型情報端末
魔物図鑑機能


ユージン、イン自動車合宿教習所なう

文章上不自然な部分などは、
箇条書きで教えていただけるととてもありがたいです。

バガボンド(1-20)、グルグル(1-10)読みました。
学科模擬の点数が取れないです。
交通ルールって難しい。

鼻悪魔! それもありか…? いや…しかし…。



[20761] 暁月編8[休憩中2+α]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 20:57
**********

前回のあらすじ

「このロリコンどもめ!」

以上

**********

「重力。
地球上のすべての存在が受け続ける宿命を負った力場だ。
この力によって空気抵抗などを考えなければ、
落下する物体は毎秒約9.8m/sづつ地上方向に加速することになる。
つまり何が言いたいかというと…
[単に高いところが苦手なだけでしょ?]
…Exactly(そのとおりでございます)」

俺達は今六階建てのビルの屋上、そのくらいの高さの瓦礫の山の頂点にいる。
地図のとおりに来たんだけどなー。

「ほんとにこっちなのか?」
[だってちゃんと道もあるじゃん]
「…あれか?」

瓦礫を支える壁の反対側に確かに道はある。


「この距離を飛び移るのは無理だろう?」
[やってみれば?]
「なんと死ねと申すか」

さすがにこれはないわ。

[こういう時はどこかに方法があるはずだよ]
「そんなもんかね。とりあえずさっきの階段を下ってみるか」




「地下水路かよ…」
[ここなら進めそうだね]

せっかく服が乾いてきたのに。
まあ諦めるわけにもいかないので、水の中に入る。

バシャッ

「冷たい。とても」
[地下水はたいてい冷たいものだよ]

不親切な設計だ…!?

「痛ッ!?」
[あ、キラーフィッシュだ]
「痛ッ! こんのっ!」

クレイモアを水中のキラーフィッシュに突き刺す。
キラーフィッシュはあっけなく泡になっていった。

「うわ…噛み付かれたところ血でてるよ…」
[そのくらいならほっといても治るよ。でも水の中にずっといるのはよくないな]

ちくしょう。

「とっとと進もう」
[ちょっと待って!あれ!]
「あれは…」

瓶詰めソウル発見。

「なかにソウルが入ってるんだ」
[ソウルキーパー。復活しやすい魔物なんかを魂を切り離して封印してるんだ。
普通なら壊すと復活しちゃうんだけど…]
「俺なら吸収できるな」
[うん。壊しちゃおう]
「了ー解」

ガシャ

クレイモアをフルスイング。
木っ端微塵になったソウルキーパーから魔物の魂が飛び出した!

やったー。
フライングアーマーのソウルをつかまえた。

[能力は?]
「落下速度の減速…パラシュートみたいなもんかな?」
[さっきのところそれを使って飛び移れない?]

うーむ。

「試してみるのは怖いなぁ…」
[怖いからって]
「それよりも有角から伝言があるかもしれないから、いったん弥那のところに戻ってみよう」
[後回しにしても多分あそこしか道ないとおもうけどなー]
「っく…」

まあ弥那ちゃんにも会ってみたかったし別にいいけどねー。
と卵。
べ、別に怖くなんかないんだから!勘違い…これまえにやったなー…


まあそんなこんなで弥那のところに帰ることになりました。
ちゃんと服は絞った。

帰ってきました。

「おかえりなさい」
「ただいま。体の具合とか、平気か?」
「全然、平気よ」
「そか」

まだ大丈夫みたいだな。

「有角さんから伝言預かってるの」
「ほう。どんな?」
「えっとね。
落下速度を遅く出来れば、ジャンプした時の飛距離を伸ばせるって」
「…」

あいつはエスパーか。

[ほら。やっぱりさっきの道であってるんだよ]
「いやでも怖いしなぁ」
[女の子の前でカッコつけなくてどうすんのさ]
「そんなこといってもなぁ」

こわいもんは怖い。

「そ…蒼真くん?」
「ん? どうした?」
「え…あの…誰と話してるのかなー…って…」

Oh。

「これだ」
[イエーイ]

卵を見せる。
弥那は少し卵を見て…

「しゃべるの? これ…?」
「…卵よ。もしかして…」
[魔力が足りなくて、音は出せないんだ。
ちょっと弥那ちゃんに持ってもらって]

卵を手渡すと、弥那は興味深くそれを見ている。

[これでラインが繋がったはずだよ]
「キャッ! び、びっくりした…」
「ほう。なにか弥那の体に負担とかは?」
[ないよ。僕が波長を合わせただけだから]

なら安心だ。

「…女の子なんだ」
[まだ生まれてないからわからないけどね。
改めてはじめまして、サポートの卵だよ]
「あ…こちらこそはじめまして、白馬弥那です」
「なら俺の名前は…
「[知ってる]」
…orz」

いってから突っ込んで欲しかった。

それから適当に今までのことを報告したあと(骨にビビったことは隠した)、
出発することになった。

「また来てね。有角さんから伝言あるかもしれないから」
「わかった」

「いってらっしゃい」
「[いってきます]」


もどってきて

[さあ! 跳ぶんだ蒼真!]
「ちょっと待った。一回降りて地上で試してからでも…」
[僕たちには時間がないんだ!]
「適当なこと言ってないか…?」

うだうだいっていても仕方ないので、
ソウルに魔力を通す。

ブワッ

風とともに羽の生えた鎧が背中に現れた。
この感触だとパラシュートというよりグライダーのようだ。
これなら大丈夫だ。大丈夫のはずだ。

「行くぞ…」

バッ
フワッ
ストッ

無事についた。
が、あの一瞬の浮遊感は気を失いかける威力があった。

[これで進めるね]
「これで行き止まりだったら泣くけどな」
[悲観的になったりすると魔物が寄ってくるよ。ほら]

さて、さっそく来たか…。
なかなか好戦的な魔物たちじゃないか。

「よし! 卵よ!」
[うん]
「隠れてやり過ごそう!」
[やっぱりか]

とっとと先に進もう。





オマケ

「そういえば有角に首蔵が余ってるか聞いたのか?」
[首蔵?]
「これのことだよ」
[あーこれか]
「うん。でもやっぱり余ってないって」
[そりゃ結構なレアアイテムだからね]
「そうなの? でも有角さん自分のを渡そうとしてくれたのよ?」
「…」

やはり弥那狙いなのか…?





ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 クレイモア
防具 ふだんぎ
他1 首蔵
他2 卵(サポート)

新しいソウル

フライングアーマー

その他

PIT(ポータブルインフォメーションターミナル)小型情報端末
魔物図鑑機能


ユージン、イン自動車合宿教習所なう

文章上不自然な部分などは、
箇条書きで教えていただけるととてもありがたいです。

見直すと小学校の頃書いた感想文みたいになってるような気がせんでもないとも言い切れ無い感じになってることは、
よくあることですよね?



[20761] 暁月編9[蛇と宗教家]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 21:02
**********

前回のあらすじ

高いところなんてぜんぜん怖くなんかないよ!

以上

**********

悪魔城。
あまたの魔物が跋扈するこの空間にそれはあった。

[(ほんとにばれないの?)]
「(実際ばれてないだろ? 魔物も不自然だとは思ってるみたいだけど襲ってこないし)」

段ボール箱である。
休憩に行ったときに弥那にことわり、食料の入っていたダンボールをもらってきたのだ。

これまでの魔物の反応を見る限り、
このへんのゾンビやらスケルトンやらは直接俺の姿を確認しない限り襲ってこない。
また、気配を感じたりといった能力もないようだ。

まあ新しい魔物がいたらまた別だが…


いました。

「(図鑑図鑑…あった)」

ゾンビアーミー

[(あれは…1999年の時に乗り込んできた軍人さんの死体だね…)]
「(退魔師以外の人間をいれたのか?)」
[(あの時はどこの国も自分たちの国こそが魔王を倒した英雄だっていうのを望んでいたからね…。
教会からやめるようには言われていたみたいだけど、この量だと裏で勝手に軍を動かしてたんだね…。
はじめから専門家に任せておけばここまで被害はでなかったと思うけど)]

うーむ。
まあ少数の人間に人類の未来を任せてしまうというのもちょっとな。

コロンコロン…

「[ん?]」

足元にピンの刺さった丸い形をした物体。
どう見ても手榴弾です。本当にありがとうございます。

「!?」
[あ! ちょっ!]

ガバッ

とっさにダンボールを首蔵にしまい、手榴弾を拾い上げ遠くに放り投げた。

「び、びっくりした…」

はじめて本物をみた。
ピンは刺さっていてもびびるわぁ…。

[あのさ…蒼真…]
「ん?」

「「「アー…アー…」」」

ゾンビアーミーに囲まれていました。
みんな手榴弾を持って。

「!?!?」

ザワ…ザワ…

[後ろからもきてるよ! ってか全部憑いてきてるんじゃん!]
「と、突破するぞ!」

手榴弾を投げつけられた。
だがあくまでゾンビ、動きは遅い…!

「その頭を…踏み越える!」

ポーン
シュタッ

[とにかく安全なところまで!]
「走り抜ける!…!?」

ドカーン! ドカーン!

後ろで起きた爆発に巻き込まれました。

「うおぉぉぉ!?」

**********

あの後俺は、吹っ飛ばされた先に地面がなくてフリーフォールを体験することになったりしたんだが
(フライングアーマーがなければ即死だった)それは置いておく。

「というわけなんですよ」
「それは災難でしたね」
「しかしグラハムさんは日本語が上手ですね」
「ふふっ。今回この日食を観に来るために勉強しましたからね」

近くにあった扉をくぐった先にたまたま人間がいたので話をしているのだ。
グラハム・ジョーンズさん。宗教家らしい。
神社にいた人間はみんな日食に巻き込まれたそうな。

「あなたはどのようにしてこの城に来たのですか? 神社では見かけませんでしたが…」
「よくわかんないんですけど、鳥居をくぐったときに気を失って気づいたら…」
「なるほど、そうでしたか」

この人は状況に詳しそうだな…

「ちょっと質問してもいいですか?」
「はい、かまいませんよ」
「ここはドラキュラ城ですよね? なんで日本の日食に出現しているんですか?」
「…ふむ。あなたはどれくらいこの城のことを知っていますか?」
「とりあえずは…
1. 吸血鬼ドラキュラの魔力の結晶であること
2. ドラキュラが滅んでその魔力の残りカスであること
3. 復活するたびにその姿が変化すること
…ほかにもなにかありそうだけどこれくらいです」
「…一般人にしてはちょっと詳しすぎる気も…
「オカルト趣味なんです(嘘)」
…まあいいでしょう」

危なかった。前世の記憶でドラキュラの生誕秘話とか話す勢いだった。

「ノストラダムスの大予言を知っていますね?
恐怖の大王…ドラキュラは1999年に完全な力を持って復活しました。
しかしヴァンパイアハンターたちがドラキュラを完全に滅ぼしました。
その結果魔王が復活の輪廻から放たれ、その力の象徴であるこの城が”日食”という現象に封印されたのです」

つまり日本のである必要はなく”日食”があればどこにでも現れるのか。

「しかし、続きとも言える別の予言が存在したのです」

!?

「2035年…。
城は新たな城主を迎え、力を受け継ぐ者が現れる」

…アルカードは?
いやそれよりも

「2035年…今か…」
「ご理解いただけたようですね。
おっと、話が過ぎました。もう、行かなくては…」
「あっ、有難うございました」
「では、失礼。くれぐれも、気をつけて」
「グラハムさんも」

コツッコツッコツッ

行っちゃったな。

[蒼真…さっきの男には気をつけたほうがいい]
「うぉ!? ずっと黙ってたと思えば…さっきの男…グラハムさん?」

なぜに? いい人っぽいが…

[確かに言っていることは間違ってない。でもなにか違和感があるんだ]
「違和感?」
[…とにかく気をつけて]
「ふーん…」

ぬぅ…実はサンジェルマン伯爵だったとか?
ないか。

まあ次会ったら考えよう。
とりあえずまとめると
ドラキュラは完全に消滅。
だがその力は消えていない。
今ちょうど後継者が現れる。

…待てよ?
有角は城主の間を目指せって言ってたよな?
どういうことだ?

[蒼真?どうしたの?]
「ん? いや、たいしたことじゃない」


次弥那のところに戻ったら有角への伝言を頼んでみるとして、
今はとりあえず先に進もう。






オマケ

「ところで手榴弾の威力が、数の割に思いのほか弱かった気がするんだが…」
[あれは魔力で作られたまがい物だよ。昔持ち込んだ本物が混じってたみたいだけど。
魔力で作られた方はそこまですごい威力じゃないはずだよ。低級の魔物の作ったものだから]
「そういえばソウル手に入れてたな。えい」

ポンッ

「ピンはないのかよ!?」
[早く捨てないと!]

ボフッ

[…ね? あんまり威力無いでしょ?]
「すごく痛いけどな…」





ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 クレイモア
防具 ふだんぎ
他1 首蔵
他2 卵(サポート)

新しいソウル

ゾンビアーミー

その他

PIT
魔物図鑑機能
段ボール箱

ユージン、イン自動車合宿教習所なう

文章上不自然な部分などは、
箇条書きで教えていただけるととてもありがたいです。




[20761] 暁月編10[礼拝堂散策]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 21:04
**********

前回のあらすじ

兵など所詮捨て駒よ…
この気持ち…まさしく愛だ!(宗教的な意味で)

以上

**********

廊下を抜けるとそこは礼拝堂だった。

「悪魔城という名前なのに礼拝堂とはこれいかに?」
[礼拝堂とかは無駄に清浄な空間になっているから、結界がなくなると魔物とかの巣になっちゃうんだよ]

いや、そういうことじゃなくて何考えて城の中に礼拝堂を作ったのかと。
ドラキュラが魔王になる前に設計したのか?
作ったのは大工だろうが。

「火の玉…ゴーストがブンブン飛んでるな」
[生きているものに吸い寄せられる悪霊だね]

近づいてきたら叩き落すということで、ほっといて進もう。

「そういえばあとどれくらいで記憶が戻ったり、体を作れたりするんだ?」
[んー、あとちょっとかな?大型の魔物を倒せれば魔力の塊ですぐかも]
「あんまり戦いたくないんだけどな」

魔物を説得とかができればいいのに。

「今のところ骨(紫)以外はみんなオレサママルカジリ型だからなぁ…」
[なにそれ?]
「問答無用で襲ってくるって意味だよ」

魔物と会話できるソウルもあるかもしれんな。
考えておこう。

群がってくるゴーストを適当にさばきながら進んでいると、
前方からこのまえ倒したがしゃどくろ(図鑑より)とおなじくらいのサイズのゴーストが飛んできた。
ふつうのゴーストと違い、炎の中に頭蓋骨が見える。
つくづく骨に縁がある。

[大丈夫?]
「大丈夫だ…こ、怖くなんかないんだから! 心配しないでよね!」
[………]

うけなかったorz

さてそんなことを言っている間にビッグゴースト(仮)もこちらに気づいたようだ。

[広い場所で戦ったほうがいい]
「たしか地図だとこの先は広い空間があったはずだな」

体当たりをしてくるビッグゴーストの横を通りすぎ隣の部屋に移動すると、
確かに広い部屋に出た。

「だが、足場が階段じゃあ戦えないんでないかい?」
[とりあえず踊り場まで移動しなよ]

トットットットッ…

階段を下っていく。
リヒターってすごかったんだな。
階段でジャンプなんて、ぼくにはとてもできない。

ストッ

さてビッグゴーストはどのへんかな?
そう思い後ろを振り返るとそこにはなにもいなかった。

「…振り切ったかな?」
[いや、来るよ!]

ヌポッ

そんな音はしていないが、階段の中腹辺りからビッグゴーストの頭が見え出した。
そりゃあ幽霊だから障害物なんて関係ないわな。

とりあえず俺はクレイモアを振りかぶり、全力で叩きつけた。

「せいっ!」

あっけなく崩れていく悪霊。

「障害物は通り抜けるのに武器は通り抜けないのか」
[人が持つものはある程度魔力がこもるからね。それよりまだ終わってないよ!]

崩れたビッグゴーストの下顎がぶつかってきた。

「なんの!」

サッ

バックステップで華麗に避ける。
だいぶ戦うのにも慣れてきた。と思っていた。

ガッ

「あ」
[ここ階段だよ…]

ゴロゴロゴロ

階段を転げ落ちる。
地形をしっかり判断しないといけないと心に刻んだ。
自称中級者が一番危ないというのは本当だった。

「いてて…」
[鼻血出てるよ…]
「ぬう…」

俺ってカッコ悪いorz
なんだか魔物と戦うよりそれ以外で地味に痛い思いをしていることが多い気がする。

ビッグゴーストは崩れていったようだ。
鼻にティッシュで栓をして先を進むことにしよう。

[蒼真…カッコ悪い…]
「ほっとけ」

**********

[ここを下だね]
「今度は螺旋階段か」

階段ばっかだな、ここ。
欝陶しいゴーストをはたき落としながら進む。

トットットッ…

まだ階段はつづいているが、扉を見つけた。
なかはいつぞやの女神像だった。

「ちょっと休憩していこう」
[そうだね]

というか鼻の奥にティッシュがはいってしまったのをとってしまいたい。

「卵、これがなんだか知ってるか?」

せっかくなので聞いておく。
(ただしティッシュをとるために変な顔である)

[…魔物が人の心から生まれるって前に話したよね?
この城も人の心から生まれているんだよ]
「ドラキュラの心から?」
[違うよ。個人のじゃなくて、人の意識の集合体みたいなものかな?
だから、人の希望とかが集まってこういう場所ができるんだ。と思う]

人の総意識…阿羅耶ですね、わかります。

…うお。血が止まってなかった。

[像に触れてみなよ。軽いキズは治るし、服も乾くはずだよ?]

触る! その発想はなかった!

触れてみると本当に鼻血は止まった。
なるほど、触るのか。
前回はこういう像とかの美術品は触ってはいけないものというイメージがあったので、触らなかったのだが。
ただの休憩場所ではなかったということか。

**********

「よし、行こう」
[下にまだ先があるね]

トットットットッ…

螺旋階段はやはり目が回る。
真ん中に空洞はあるが、さすがに飛び降りる気はない。

トットットッ

下までついた。
ゴーストもだいぶ振り切ったようだ。

[そっちの道だね]

地図を見ながらふと思う。

「地図って誰が作ったんだ?」
[ここで便利なものは、さっきのと同じように人のプラス面の結晶だと思うよ]

人の希望とかなんやらを背負う俺。
めっちゃ勇者じゃん。

「クククッ…悪くない…」
[早くいきなよ]
「おう」

卵のツッコミ力が足りない。

**********

「あれがノミ男か」
[すばしっこいよ。気をつけて]

「また爆弾か」
[隙をみて手榴弾でも投げつけたら?]

「うわ! きもっ!」
[ウネだよ。突然変異すると可愛くなるよ]

いろいろな魔物と闘いましたが、ソウルはウネしか出ませんでした。

「ソウルのでてくる条件ってなんなんだ?」
[さあ?]




「またこの扉か」
[なかに強いのがいるみたいだよ]
「さて鬼が出るか蛇が出るか…」

ゴゴゴッ

「ライオンが出たよ」
[さそりでもあるね]

「ガアァァァ!」

混ざったなにかと遭遇した。





ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 クレイモア
防具 ふだんぎ
他1 首蔵
他2 卵(サポート)

新しいソウル

ウネ

その他

PIT
魔物図鑑機能
段ボール箱

ユージン、イン自動車合宿教習所なう

文章上不自然な部分などは、
箇条書きで教えていただけるととてもありがたいです。




[20761] 暁月編11[魔獣戦線]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 21:08
**********

前回のあらすじ

人の希望 = 悪魔城で便利なものすべて
階段 = 敵

以上

**********

「羽の生えたサソリの尻尾をもったライオンだな」
[確かにそうだね]
「あれか? キメラとかキマイラとかそんなのか?」
[たぶん天然物だからマンティコアじゃないかな? 違いは知らないけど]

大丈夫だ…。骨ほど恐怖は感じていない…。
戦える!

わたしには ひるいなき ゆうきが みについた。

「ガアァァァ!」

この バックステップで きみらのこうげきは さけるぞ。

サッ

パーフェクト…

バサッ

!?
はばたいた!?

ザシュッ

無理でした。
爪で服を破かれました。

ちくしょう。やっぱり飛ぶのかよ。
滑空飛行して攻撃範囲を広めるとは。
完全に避けれるタイミングだったのに。

ならばその機動力を奪う!

「着地取りぃぃぃ!」

ザシュッ

大きく一歩踏み出し、すれ違い、翼を斬りつける。

「グガアァァァ!」

もしかして今俺はものすごくカッコ良いのではないだろうか?
まるで剣の達人…本物だったら片翼と言わず一瞬で両翼を細切れにするんだろうな…。
ん? 影が…

[前に跳んで!]

ゴッ

その声の一瞬あと、俺のいた場所をマンティコアのしっぽが貫いていた。
あ、あぶねえ…。
とっさに前に飛び出さなかったらえらいことになっていた。

「ナイスだ卵」
[油断しないで。あのしっぽ…かなり厄介だよ]

やけにあっさり斬られると思ったら、しっぽがあったか。
だがもう滑空は…あれ?

「おい卵」
[なに?]
「翼が元通りなのはどういうことだ」
[再生してたよ]

おいい!?

「再生ってどうすんだよ!?」

適当にウィングスケルトンの槍で牽制しながら話す。

[大丈夫。強い再生力はないよ。それに再生するのに体力を使うみたいだ]
「地道にチクチク体力を削るのか?」
[いや、それよりも再生できない威力の攻撃で倒したほうがいい。
あのしっぽ…たぶん毒だよ]

さそりだからな。

「ガァ!」

ボワッ

「うお!?」

くそ、火もはくのか。
距離をとるのは危険か。

一撃…一撃を決めるためには…

「ガアァァァ!」

くそ!

「もう少し待てよ!」

水鉄砲で顔面を撃つ。

バシャッ

「ガアァァァ!?」

サッ

そしてバックステップ。

バサッ

!? ミスった! 滑空して当ててくる!

ブワッ

と思ったが、その爪は俺のやや手前を空振りした。
水が目潰しになったようだ。

ゴッ

さらに先程まで俺のいた場所にしっぽが突き刺さった。
前が見えてなくてもしっぽを動かしてくるのか。


「卵! 全力で剣を叩きつければしっぽって切れるか?」
[蒼真の力なら…根元ならたぶん切れるよ]

だったら…

「グルルルル…」

めっさ怒ってらっしゃる。
これなら挑発する必要もないな。

俺は一番近い壁の方に走りだした。

「来い!」
「ガアァァァ!」

怒りで火を吐くことも忘れているようだ。
ただ追いかけてくる。
この距離なら追いつかれない!

壁の間際で振り向き、
もう一度水鉄砲で顔面を撃つ。
そしてバックステップ、ではなく前転して後ろに回り込む。
こうすると最初のようにしっぽが飛んでくるはずなのだが、

バサッ
ゴスッ

前も見えず滑空したマンティコアは壁に頭をぶつけたのだ。

「ガアァァァ!?」
「古典的で悪いね!」

頭をぶつけた衝撃か、のた打ち回るマンティコア。
そのしっぽの根元に、俺は全力でクレイモアを叩きつけた。

ズバッ

「グギャァァァ!?」
「さすがに完全にちぎれちまったら再生すんのにも時間がかかるだろ」

憎しみのこもった瞳でこちらを振り向こうとするマンティコア。

「グルルル…」

だが

「!?」

足元にすれ違いざまに植えつけたウネによって足を絡め取られた。
しっぽを切り落とされ力も弱っているのだ。
魔力を全部つぎ込んだウネはそう簡単には取れないだろう。

バサッバサッ…

はばたいて逃れようとするマンティコア。
その翼を根元から切り離す。

「グギャァァァ!」
「悪いな。言葉が伝わらない相手に情けはかけられないんでな」

そして、俺はクレイモアをマンティコアの脳天に突き刺した。

**********

[蒼真…大丈夫?]
「なんとかな…」

普通に戦えた。
疲れた。

[とりあえず、もう恐怖にとり殺される心配はないみたいだね]
「ちっと生物を斬った感が手に残っててやなんだが…」

ちょっと憂鬱。
完全にオレサマオマエマルカジリ型だから仕方ないが。

フワッ

魔力の珠だ。

「これって服とかも直ったりするのか?」
[さすがにそこまではしてくれないと思うけど…]

むう。
今回はケガらしいケガもしてないしなあ。

「この魔力の珠、全部お前が吸収するとかどうよ?」
[んー、ちょっと吸収量より多すぎるかな。とりあえず蒼真がとってよ。
あとで蒼真から吸収するからさ]

さいですか。
珠に触れると、疲労は一気に取れた。

これで一段落か。


[あ…]
「ん? どうした?」
[う…]

う?

[生まれる…]

!?

「え、ちょっ、おま!? うぇ!?」
[僕が…]

ですよね。

「ど、どうすればいい!?」
[大丈夫…ポケットから出して…手のひらに置いといて…]

卵を取り出すと、光を放っていた。
すげえ。
その光がひときわ強くなり、卵は糸のようにほどけながら中身をあらわにしていった。
とても神秘的だった。

そして

「蒼真。改めて自己紹介だ」

俺は

「半分は自然の妖精、半分は君の魔力からできた半妖精だ」

手のひらサイズの少女に出会った。



「ちゃんと名前は考えてあるのかな?」

だが服を着ていなかった。





オマケ

「無事に孵化したか…」
「? どうしたの、有角さん?」
「いや、蒼真にこれを渡しておいてくれ」
「これって…人形の服?」
「必ず必要になるはずだ。俺はもう行く」
「え? あ、ちょっと…いっちゃった…」
なにに使うんだろう?





ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 クレイモア
防具 ふだんぎ(破け)
他1 首蔵

新しいソウル

なし

その他

PIT
魔物図鑑機能
段ボール箱

ユージン、イン自動車合宿教習所なう
仮免ライダーになりました(MT普通)

地の文は増やすことがユージンの技量的に難しいのです。
申し訳ありません。
今後少しずつでも増やしていけるように頑張ります。

とある・・・氏には…ていうかみんなたぶんわかってましたね。
半妖精名前募集中
鼻悪魔と言われてちょっと迷ったりもしました。

なぜこの合宿所の漫画はすべて完結間際の巻がないのだ…。
からくりサーカスもゲットバッカーズも天上天下ですら…。



[20761] 番外編1やるんじゃなかった【私立キャッスルバニア学園】
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 21:09
「卒業式の日に、校庭のはずれにある伝説の樹の下で、
女の子から告白され成立したカップルは永遠に幸せになる」
という伝説がある私立ときめき高校。

そんな学校に入学した俺は、
部活や勉強で自らを磨きながら高校3年間を過ごしていく、はずだった。

「あ、ドラキュラ校長先生。おはようございます!」
「ほおぅ…元気があぁってぇ、大変よるぉしいぃ!」

「「「キャーッ有角先生よ! こっちむいてー!」」」
「…貴様らには死すら生ぬるい」
「「「キャーッ!」」」

「めずらしいですね、デス先生が保健室の外にいるなんて」
「ガラモス教頭がまたやらかしたそうで…」
「なんであの人教頭なんですか…」

なにかが違う。
どうしてわざわざ私立を受けてこんなところに来てしまったんだ。
いちども見学に行かなかったのが悪いのか。
転生したおかげで勉強自体は余裕綽々だったので、弥那と同じ学校に行こうと思っただけなのに。

「よぉ来栖!」
「あぁ…おはようございますリヒター先生」
「どうした? 元気が無いじゃないか」

朝から暑苦しい体育教師に声をかけられたからですが。

「そうそう。今度の大会でうちの部の助っ人にきてくれないか?ちょっとけが人が出ちゃってさ」
「遠慮しておきます」

三次元に動きまわるサッカーはできません。

ちょっと不満そうなリヒター先生を残し、俺は教室に向かった。

**********

一時間目 英語

「ヨーコせんせー、このあいだ駅前にいませんでしたかー?」
「!? そ、そんなこと別に関係ないじゃない!授業を始めるわよ!」
「なんかユリウス先生と一緒にいたって…」

ガラッ

「ヨ、ヨーコさん…」
「用務員のハマーさん…?」
「ど、どうしてユリウス先生と…」
「ちょっと買い物に付き合ってもらっただけですよ」
「ほ、ほんとに…?」
「ところでそれがどうかしましたか?(悪意なし)」
「!?」

ここまですべて英語である。

**********

二時間目 数学

「はい、これが微分方程式ですね」

黒板の図式をすべてノートに書き写す。

「みなさんノートに書き写しましたか?
どこかわからないことはありませんか?」
「はい」
「はい、シャーロットさんなんですか?」
「あのこの式だと…
(中略)
…と思うんですけど、先生はどう思われますか?」
「え…あの…そのですね…」

シャーロット…ヴィンセント先生の時だけこうなるな…

**********

三時間目 化学

「このように、三つに分けて保管することで薬品の劣化や干渉を防ぐことができる」
「先生、質問が…」
「あとで質問の時間を設けると言っただろうが! この馬鹿生徒が!」

殴るこたァねえだろうが…

**********

四時間目 体育

「こうスライディングしたときに、斜めに足を突き上げて空中をだな…」
「「「無理です」」」
「じゃあ空中で水平方向にタックルを…」
「「「無理です」」」

余談だが、保険になると髪が伸び悪い表情をするようになる。

**********

昼休み

キーンコーンカーンコーン

「蒼真くん。一緒に食べようよ」
「いいよ。屋上に行こう」

屋上
うちの学校は珍しく屋上が開放されている。
フェンスが高く強靭なもので囲っているのも理由の一つだとは思うが、
うちの大半の生徒が飛び降りても大丈夫そうなのが理由の大部分だと弁当を食べながら思う。

「あのさ、蒼真くん」
「ん? どうした?」

「この学校に入ったの、後悔してる?」

結構ね。とはいわない。

「いや、弥那と一緒だからな」
「もう…またそうやってからかって…」

後悔しているが、通学し続けているのは弥那をここにひとりにできないからだ。
正直言って心配過ぎる。
いまも裏山の方で、高速回転する男が森に消えていった。
ここは魔境だ。

「もうそろそろチャイムなるな…ごちそうさま、美味しかったよ」
「お粗末様でした」

キーンコーンカーンコーン

「んじゃあと二時間がんばりますか」

**********

五時間目 美術

「そう! これこそがっ! まさに! 血の、芸、術!」
「救急車呼べ!」
「またかよ」
「毎回血を抜き過ぎなのよ」

いや、明らかに人の出していい血の量じゃないだろ。
猟奇殺人現場みたいになった美術教室から運びだされる教師を見ながら思う。

**********

六時間目 物理

「時間の止まった空間では空気ですらなにも通すことのない絶対的な壁になります…
これを応用した核融合炉の設計を考えた場合…」
「時間を止めることってできるんですか?」
「フフッ…あくまでできたら…の話ですよ…」

DI…アイオーン先生の授業は実に興味深いな。

**********

緊急集会

突然校長に体育館に全生徒が集められた。

「いったいなんだろ」
「さあ?」
「バイトあんのになー」

ざわついている体育館。

「みなさん静かにしてください、サンジェルマン理事長からおはなしがあります」

…理事長がでてくるのはめずらしいな。
いったいなんだ?

「みなさん、今日の授業お疲れ様でした。
疲れているところに申し訳ないのですが、残念なお知らせがあります」

ざわ…ざわ…

「なにかしら?」
「ガラモス教頭が自殺したとか?」
「あの人なんで教頭やってるんだろ」

ざわ…ざわ…

ざわつく体育館。

「みなさんお静かに!」

再び静かになる。

「ではお知らせします。
ガラモス先生が勝手に金庫の資金に手をつけたため、校庭のはずれの伝説の樹がなくなります」

!?

「わが校の象徴とも言える樹であるため本来は許されることではないのですが、
維持し続ける事ができないため、国の施設にて保護されることになりました」

ざわ…ざわ…

「もともとあの樹は古来種であり、以前より国から…」

「ざけんなよ!」
「まだ告白されてないのに!」
「ガラモスどこいった!」

「静かに! 静かにしてください!」

まさか、象徴である樹がなくなることがあるなんてみんな思ってなかったようだ。

「…しかし、このままなくなってしまってはあまりにも味気ない」

再び理事長が話し始めると体育館は嘘のように静かになった。

「よって、現一年生が卒業する日の翌日! その日までは私がポケットマネーで維持し続けることにしました」

!?

「伝説は私も知っています。各々悔いの残らぬ学生生活を送りなさい!」

**********

「俺…あんなに理事長がカッコよく見えたの初めてだ…」
「同じく…」
「おい急いでバンド始めるんだ!」
「リヒター先生! 俺に修行を!」

「無駄ににぎやかだな…」
「蒼真くんは伝説のこと知ってるの?」
「噂程度には。そういう弥那は?」
「んー、秘密?」
「なんだよそれ」

しかしガラモス教頭…どうして教頭なんだ?

「ねえ蒼真くん」
「ん?」
「ちょっとあの樹のところに寄って行こうよ」
「別にいいけど…」

なんで?

歩いていく弥那についていく。


伝説の樹
なんでもありえない時代に生まれたとされる生きるオーパーツ。
樹齢が測定できないとか何とか。
その根元にやってきた。
夕日で辺りは赤く染まっている。

「ねえ蒼真くん」
「?」

弥那は樹に触れながら話す。

「卒業式の日以外に告白したらどうなるのかな?」
「!?」

振り向いた弥那の顔はいつになく真剣で。
夕日のあたるその姿に俺は目を奪われた。

「…なんてね!冗談!」

いっつもからかってくるから仕返しだよー、なんていう弥那。
対する俺は表面上冷静にしていても、早くなった心臓の鼓動を鎮めるのに必死だった。

**********

卒業式まで三年弱!
それまでに蒼真は自らを鍛えあげ、理想の男子になれるのか!

次回「一緒に帰って噂になると困るし…」





ユージン、イン自動車合宿教習所なう

半妖精名前募集中ですので、適当に書いてみました。
ごめんなさい。



[20761] 暁月編12[孵化]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 22:34
**********

前回のあらすじ

「壁に激突させて倒す…ゲーム好きの蒼真くんが考えそうなことだ」
[おめでとうございます!元気な女の子ですよ!]

以上

**********

目の前には人形くらいの透明な羽の生えた少女。
裸の。

「卵…か?」
「いまは卵じゃないよ」

確かに。
だがそれより重要なのは

「…服を着ろ」
「なに恥ずかしがってんのさ」

いくらリ○ちゃん人形サイズでも、裸はまずい。
主に俺が。

「服なんて持ってないよ」
「…ちくしょう」

破れた服から適当なサイズの布を切り取り、簡単な服を作る。

「へー…器用だね」
「ほれ、着れ」
「うん」

もうこの服は着れないな。
とりあえず、破れた服を捨てコートをはおる。
上半身裸コート。

「おお! ワイルド!」
「やかましい」

さて

「捕まえた半妖精にニックネームをつけますか?」
「ニックネームより先に真名をつけてよ…」

真名?

「龍宮?」
「誰? 真名っていうのは…」
「ごめん、大体わかる」
「ならよろしく。さあ!」

どうしよう。
妖精…妖精…パック…チルノ…修造…ビリー…
違うよ、ぜんぜん違うよ。

[半分は君の魔力]


じゃあ
「イツキ」
「イツキ?」
「そうだ。お前の名前はイツキだ!」
「イツキ…」

齋。
前世の苗字。
いまは誰も使っていない(はずの)名前。
自分のもうひとつの名前でもある。
詳しくは知らないがなんかすごかったらしいし、
ちょうどいいのではなかろうか。

「んー…うん。いいよ」

ちょっと迷っていたが納得したようだ。

「じゃああらためて」
「ああ」
「僕は半妖精、イツキだ。よろしく」
「俺は人間、来須蒼真だ。よろしく頼む」

俺達はそうして、小さな手と大きな手で握手をした。

**********

で、その後探索を再開したのだが…

「頭に乗るのはやめてくれ」
「ポケットはさすがに狭いし、飛ぶと疲れるから…」

魔物をさばきながら話す。

実はこの半妖精ボディは完全体ではないらしい。
成長期サイズらしい。
成熟期以降だと飛んで追いかけてくることもできるが、
いまはまだ無理とのことで。

「せめて肩に乗るのはどうだろうか?」
「視界遮っちゃうじゃん。胸ポケットがあったらそこがいいんだけどな」

とりあえずあきらめて先を進む。

下り道か。
近くにいたゴーストを叩き落す。

ボシュッ

お?
ソウル手に入れた。
ミニデビル。
ゴーストだと思って叩き落としたのだが。
真空波をだす…。

「蒼真!」



「アー…」

サッ
ガシャッ

あぶねえ。
剣を持ったゾンビか。
ちょうどいい。
ソウルオン!

「裂けろ!」

ズバッ

「うわ…」
「真っ二つだな…」

頭頂部から股間まで縦に、まさに真っ二つだった。
これは人に向けて撃ってはいけないな。
あと、次からは指パッチンにあわせて使おう。

っと、扉だな。

「イツキ。この先は?」
「地図だと蔵書庫…図書館だね」

ほう…。
ネクロノミコンとかあるんかな?
オカルト、意外と好きだった。タロットとか陰陽道とか。
ゲームやってると設定見るのが楽しくなって、
元ネタを調べるのも楽しくなる。
あるある。

「行くか」
「油断しないでね」





オマケ

「しかし何か服を見つけないと弥那のところに帰れないな…」
「そのまま帰ったら?」
「…来栖家にはその素肌を見られたものと契を結ばなくてはいけないという鉄の掟が」
「はいはい」
「とにかくコートを破かないようにしないと」
「大事なモノなの?」
「弥那からもらった誕生日プレゼントなんだ」
「へー。そういえば蒼真は弥那ちゃんとどういう関係なの?」
「…妹、いやむしろ娘みたいなもんかな?」
「え?」
「え?」





ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 クレイモア
防具 コート
他1 首蔵

新しいソウル

ミニデビル

その他

PIT
魔物図鑑機能
段ボール箱

ユージン、イン自動車合宿教習所なう

いろいろ仕様を変更しました。

指パッチンって正式名称あるんですかね?



[20761] 暁月編13[図書館の魔物たち]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/14 22:13
**********

前回のあらすじ

「手伝ってやろうか?ただし真っ二つだぞ!」
あと名前が決まった

以上

**********

「漫画もあるんだな」
「悪魔城の性質上なんでもあるとおもうよ」

本を取ろうとしたら後ろから血濡れのナイフが飛んできたり、
魔力のこもった本に襲われたりもしたけれど、私は元気です。
ボロ布だけど服も見つけました。

すごい本の量だ。
近所の図書館とは比べものにならない。
読書が趣味の俺としては端から順番に読んでいきたいと思うのだが、
大きな問題がある。

「日本語でおk」

読めないです。

「これラテン語かな」
「読めるのか!?」

期待を込めてイツキをみる。

「ぜんぜん!」
「…期待してたのに」

無茶言わないでよー、というイツキをスルーしもう一度辺りを警戒する。
本を取る前に襲ってきたのみ男やエビルブッチャーは倒した。
ソウルも手に入れたが、その後に
「なんだかよくわからないものの皮」を表紙に使った本に噛みつかれて忘れていた。

ソウルは…のみ男の召喚とナイフか。
のみ男はどうでもいいが、ナイフは便利そうだ。
ミニデビルといいエビルブッチャーといい、最近は便利なソウルがたくさん手に入ったな。

「さて、読めない本はあきらめて…何冊か持って行こう」
「首蔵にも限度があるから持ち過ぎないようにね」

結局棚の一列を持っていくことにしました。

**********

少女は後悔していた。

「あ…ああ……」
「フフフッ」

彼女はまだ生まれたばかり。
未熟者の自分がひとりでうろちょろすれば、
他の魔物に襲われることもあるということを理解できていなかったのだ。

「…やああっ……」
「ちょうどお腹もすいていたの…」

逃れようにも、蜘蛛の巣が体に絡まって動くこともままならない。

この近辺に現れる下半身が蜘蛛の女モンスター、アルケニー。
巣にかかった獲物は何でも食べる。
それがたとえ魔物でも。

「いただきまーす!」
「いやぁぁぁ!」

とっさに目をつぶる。
だが予想された衝撃はこなかった。

ガギッ

「…?」

うっすらと目を開ける。

彼女は魔術関係の本を読むよりも、人間の描いた物語を読むことが好きだった。
窮地に陥ったお姫様を助ける勇者の物語。
そんなことが現実にはおきることなんてない。
そう思っていた。

「なんでとびだしたの!」
「いや、さすがにこれを見逃すのは見た目的にちょっと…」

ひとりの少年がアルケニーの爪を受け止めていた。

**********

どうしよう。
悲鳴が聞こえたのでとっさにとびだしたら、
助けた娘が魔物でした。

「魔物が魔物を襲うこともあるのか?」
「よっぽどお腹がすいていたんじゃないかな!」

若干怒っているイツキをスルーする。

さて、今回は会話が通じそうだが…

「そこの蜘蛛のお嬢さん。ちょっとこの娘を見逃してくれたりはしないかな?」
「やあよ。だってお腹がすいているんだもの」

ぬう。適当に散策してうまい肉でも探してくるべきだったかな。

「…やっぱりやめたわ」



「だってもっと美味しそうな人間がいるんですもの(ハート)」

そうきたか!

「襲ってくるなら容赦しねーぞ!」
「人間が偉そうな口をたたくものね!」

蜘蛛足を振り回してきた。
とりあえずバックステップで距離をとり、
蜘蛛の巣に絡めとられている魔物の少女の近くに向かう。

「ひっ…」

怯えられたorz
ともかくまわりの蜘蛛の巣を取り除く。
もちろん指パッチンで。

パチッ
ヒュオッ

俺いますごいカッコいい。

「とっとと逃げろ」
「……」

魔物娘はなにか言おうとしたが、黙って走り去っていった。
俺今すごいカッコい…

「シャアッ!」

ブオッ

「あぶね!って、あっー!」

ズシャッ

また服が破れたでござる。
ちくしょう。

「蒼真!とりあえず足を減らしたらいいと思う!」
「オーケイ!」

パチッ
ズシャッ

「痛っ!」

指パッチン万能説。
足の半分以上を細切れにした。

「やるじゃない…でもまだまだよ!」
「あきらめて巣に帰ってくれ!」

バシャッ

水鉄砲で吹っ飛ばす。

「ウフフッ…せっかくのご馳走…ご馳走…」

満身創痍でこっちをナメるようにみつめる蜘蛛女。
正直言ってマジ勘弁www

「ていっ」

トスッ

「あっ…」

眉間にナイフを投げつけて倒しました。
やっぱり人型(上半身だけだが)は相手にしにくい。

ボシュッ

ソウルゲット。
こ…これは…!

「お疲れ様…でも今回は自分からとびこんだんだからね!」
「いや…そんなことよりも!」

ソウルに魔力を通す。

「スパイダーストリングス!」

ビュルッ
ベチャッ

「これ! すごいだろ! なあ!」
「……」

…イツキに俺の感動は伝わらないようだ。
しかしこれまた便利なソウルだ。
戦いたくないときはとりあえず相手にこれをぶっかけよう。

さて、奥に進むか。

**********

彼女は信じられないものを見ていた。

目の前でただの人間(というには不思議な能力がいっぱいだったが)が、
自分の手も足もでなかった蜘蛛の魔物を倒したのだ。

魔物と人間の間には大きな力の差がある。
しかし人間の中の退魔師というものは、
その差を埋めるどころか魔物を圧倒するものもいるという。
彼もそのような退魔師のひとりなのだろう。

だが彼は自分を助けた。
退魔師は魔物にとって忌むべきものであり、逆もまた同じである。
そう彼女は書物から学んだ。

本に書いていないことが、彼にはある。
知りたい。
好奇心からか、
彼女は彼のあとを追いかけることにした。
助けられた時から高鳴る胸の鼓動に気づかぬまま。

今度は蜘蛛の巣にひっかからないように。

**********

「…まだ憑いてきてるよ、あのまじょみならい」
「ほっとけばいいさ」
「前にも言ったけど、見られている状態っていうのは精神に負担をかけるんだよ!」

かわいい女の子なら大丈夫です。

「…変なこと考えた?」
「ノー! 絶対にノー!」

本の迷宮を進み続ける。

「…で、あの娘。どう思う?」
「蜘蛛の巣に絡まっていた姿がなかなか可愛かったな」
「! 蒼真ってそっちの側なの!?」
「ちょ、違う! 絡まった姿が! じゃなくて絡まっていても! って意味だよ!」

誤解を解くのに結構時間を食いました。

**********

ちょっとひらけた場所に出た。
その中心にひとりの女性。
人間のようだが用心して近づく。

「こんばんわ…」
「あら、あなた…蒼真君?」

サッ

バックステップで距離をとる。

「…なにものだ?」
「あっ、ごめんごめん。驚かせちゃった?私、ヨーコ・ヴェルナンデス。教会の者よ」

教会の…ヴェルナンデス!

「ヴェルナンデスってあの?」
「え、知ってるの?」

あ。

「いえ、全然知りません珍しい苗字でしたので驚いただけでございます」
「…なんだか釈然としないけど」

またやるところだったぜ。

「して、その教会の人がなんで俺を知ってるんですか?」

それとなく自然に話題をそらす。

「アルカ…、いや有角幻也のこと、知ってるでしょ?」
「ああ…あのイケメンですか」

ブフッ

…目の前で美人のねーちゃんが噴出しおった。

「ご、ごめん…イケメンって…確かに顔は整ってるとは思うけど…」

ゴホンと咳払いをして仕切り直す。

「有角がなんて?」
「なにかあったら、手助けしてやって欲しいって」
「嘘だ!」
「え?」
「すいません、なんでもないです」

有角…将を射んと欲すればまず馬を射よか…まさか俺を狙ってくるとは。
弥那には気をつけるようにいっておかないと。

「信じられない?」
「ちょっと…」
「無愛想な奴だけど、あれでも案外良いとこあんのよ。
まぁ、彼もあなたと同じ暗黒の力を持つ身だから、
身を案じているのかもね」

!?

「もう一回言ってもらっていいですか?」
「? 案外良いところ…」
「その後を」
「あなたと同じ暗黒の力を持つ…」
「なっ…なんだってー!?」
「知らなかったの!?」

ちょ、うぇ、おま、暴走フラグビンビン。

アチャーと頭をかくヨーコさん。

「魔物の力を使うことができるってことしか言われてないんだけど…」
「言っちゃったものは、隠してもしょうが無いわね。
君の力は、支配の力って言って、モンスターの魂を支配する力なの…」

バイバイ吸魔の力。
支配って…支配って…!

「支配しているつもりはないんだけど…」
「それは、息をするみたいに出来ることだから、自覚がないだけ」
「俺は悪役だったのか…orz」
「あ! 暗黒の力って言っても悪の力って訳じゃないから、安心して」
「?」
「要するに武器と同じ。使う人によって、善にも悪にもなるって事」

悪用しなければ問題ないってことか。

「ありがとう、ヨーコさん」
「? いきなりどうしたの?」
「俺が悪いことには使わないと思って話してくれたんだろ?
いきなりこんな力に目覚めて、自分がわからなくなってきてたんだ」

どうしてもっと転生したての頃に目覚めなかったのかと。

「君は君よ。それ以外あり得ないわ。それがこの城では最も大事なことよ」
「なんとなくは分かるような気がする。ありがとう、ヨーコさん」
「御礼なんていいわよ。ちょっと照れちゃうしね」

ちょっとはにかんだ表情がグーですヨーコさん。

「しかしなんでよりによってこんな力が…光の勇者的な力が良かった!」
「フフフッ。聞いてたよりも子どもっぽいところもあるのね?」

魔王と戦うのは男のロマンです。

「あっ、そうだ!
君、グラハムって男知らない?」

グラハム…

「さっき会ったよ?」
「あの男には気をつけて。私は、彼がドラキュラの力を受け継ぐと思ってるわ」

イツキが違和感を感じていたけど…

「いろいろ教えてくれたよ? 予言のこととか」
「彼、自分のことなにか話してた?」

…そういえば宗教家ってことしか聞いてないな。

「君、人にだまされやすいって良く言われない?
表の顔にだまされちゃダメ!
本性を知れば、そんなこと言えなくなるわ」
「ちょ、ヨーコさん!近い!近いって!」

アップで凄まないでください。
美人さんの凄みはマジ勘弁www

「あっと私、彼を追わないといけないから。それじゃ!」
「気をつけてねー…」

風のように行ってしまった。
…探索を続けるか。





オマケ

「ちょっと待って蒼真くん!」
「うわ、びっくりした!もどってきたんですか?」
「うん。有角にあったら一言伝えてくれない?」
「?」
「管理された半妖精の素が一個なくなっているんだけど心当たりがないかって」
「………」
イツキ。だからずっと頭の後ろに隠れているのか…。





ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 クレイモア
防具 布の服(破れ)
他1 首蔵

新しいソウル

のみ男
エビルブッチャー
アルケニー

その他

PIT
魔物図鑑機能
段ボール箱
本(ラテン語他)x30

ユージン、イン自動車合宿教習所なう

指パッチンの正式名称。本当にありがとうございました。

アルケニーのソウルは天井にぶら下がったりはできません。



感想掲示板 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
1.73525905609