履歴書のウソの見抜き方教えます
人生「裏ワザ」手帖 発売記念!チョイ読みスペシャル(2)
企業に応募してくる人間をいかに峻別するか、私なりのノウハウをお伝えしていきたい。
小泉元総理秘書官 飯島勲
未曾有の経済危機のなかで、採用を減らしている企業にとっては、いかに良い人材を見分けるか、眼力が問われます。
そこで、企業に応募してくる人間をいかに峻別するか、私なりのノウハウをお伝えしていきたい。それは、私が総理首席秘書官の時代に行った閣僚候補のいわゆる「身体検査」とは、やり方は違いますが発想は一緒です。
まず、最初に「履歴書のウソ」の見抜き方です。
再就職しようとする人間は、自筆の履歴書を提出します。仮に過去の職歴がA社に5年、B社に4年と記してあったとしましょう。しかし、その内容はあくまでも自己申告です。もしかすると、実際はもっと頻繁に会社を替わっていて腰を据えて仕事をしたことがない、問題がありそうな業界で働いていた、あるいは何もせずにブラブラしていたということもありうる。その部分は省いて、無難なA社の社名だけ書き、空白期間を埋めるために本当は2年なのにA社に5年勤務と誤魔化している可能性があるのです。
採用する側としては、直近の職場以前のことについてチェックするのは難しいもの。結局、その履歴書の内容を前提に「字がきれいで几帳面そうだ」などといったことを判断材料にして、その場の雰囲気で採用するのが現状です。
そこで、私ならどうするか。まず履歴書を提出してもらうまでは同じ。次に、それを受け取ったあとで、こう指示を出すのです。「次の面接までに社会保険事務所に行って、年金記録台帳のコピーをもらってきてください」。
持ってきてもらった記録を見れば、過去の職歴は一目瞭然です。実際には1~2年ごとに会社を替わり、過去に5回も6回も転職していたとわかれば、仕事に対する姿勢に疑問符がつきます。
同時に、その記録で年金保険料の事業者負担額と本人負担額もわかるので、過去の所得状況も把握できます。「前の職場では年収○○万円を得ていたので、その程度は欲しい」という本人の希望額が妥当かどうかもチェックできるというわけです。
ポイントは履歴書を受け取ったあとに提出してもらうこと。第二次書類選考と称して、「次回の面接時に提出のこと」とするのです。すると、履歴書にウソを書いた人は「しまったッ!」となります。履歴書の内容とツジツマが合わないので、指定の面接日に来社しないかもしれません。政府関係者も、すべてをオープンにすれば何もかもが解決すると考えるのでなく、慎重に政策決定をしなくてはいけないという好例でしょう。
自動車免許証からもさまざまな情報を手に入れることができます。その人の性格や仕事への姿勢が判別できるかもしれません。
免許証には、氏名や生年月日、本籍、住所、有効期限等々が書き込んであります。しかし、交付年月日欄の日付の右に、5桁の数字が並んでいることを意識している人はほとんどいません。実はこの数字を見れば、どんな時間帯に免許の更新に行ったか容易に想像がつくのです。先頭の数字は免許更新センターの撮影装置の番号で、「15」ならNO.15のカメラで顔写真を撮ったということ。問題は下3桁です。この数字が「258」なら、NO.15のカメラで258番目に受け付けたということを表しています。
258番目ということは、当日だいぶゆっくり出かけていったということです。少なくとも、朝一番の受け付け開始早々には行っていない。土・日や休業日でもなければ、サラリーマンが免許証を更新する場合、「明日、免許証の更新手続きをしなければいけないので」と会社や上司に「遅刻の許可」などをもらうことになるはず。
営業職を志望する人間で、もし平日にゆっくりと免許センターに行くことができているというのであれば、ちょっと業務を遂行する姿勢に問題ありです。仕事をサボっている、または適当な理由を見つけるのが得意な人材である可能性がある。会社や職種によって勤務形態はいろいろなので一概には言えませんが、番号一つで、その人がどんなライフスタイルを送る人間なのか、判別するための材料になるのです。もちろん土日を利用した、または警察署で免許証を更新するという抜け道にも着目しなくてはなりません。抜け道を利用して極端に若い番号をとったうえで先ほどの情報を流せば、あなたは労せずして周囲からの信頼を勝ちえるでしょう。
※プレジデント社新刊『小泉元総理秘書官が明かす 人生「裏ワザ」手帖』より転載。
>>「人生『裏ワザ』手帖 発売記念!チョイ読みスペシャル」の目次はこちら
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