俺(第8話)

2009-06-29 14:42:09 テーマ:競馬

仕事(2)


オレが宝石を売って歩いている頃、
Mさんが借金を抱え、店を閉めることになった。


その店で働いていた女の子にも宝石を売っていたので、
“店閉まっちゃう…、どうしよう…”
などと相談を持ちかけられた。


“オレが店を出すからそこで働かないか?”と言うと、
30人ほどの女の子がやってきた。


当時ほとんどの店が5~6人で回転していたのに
開店当初から30人の女の子が在籍する店というのは
初めてだったのじゃないだろうか…。


景気もよく、3ケ月でベンツの1台目を購入した。
半年後にはベンツが3台になっていた。


だけど、そんな暮らし長くは続かない
(なんだかこの一節は、オレらしくない…。)


ある日、友人が遊びにやってきた。
“おみやげ~”って渡されたもの…


それが “シャブ” だった…


その頃オレはまだかわいいもので

シャブ=打つもの だと思っていた。(吸うという感覚がなかった。)



“とりあえず吸ってごらん” と言われ、

初めて “シャブ” を吸った。


身体がフワフワして気持ちよかった。


(この話は遠い昔のことなんで、もう時効だなっ!)


その友達は、おみやげだからと3カ月分置いていった。
これが患者を作る手口だった。
友達を信じていたのに、はめられた。


結局、毎日シャブ漬け。
寝なくても大丈夫だし、本当に気持ちよかった。


遅かったが、色々な奴に聞いて回った。


“これなんだ?” “それ、シャブだろっ!”


もうはまりにはまって、やめられなくなっていた。

だけど、だんだん頬もこけてきて、食欲もなくなってきた。

やくざさんともお付き合いがあったのに、

それさえ不義理をするようになっていた。
結局それでもめた。


店をどうする…という話になり、なんだかもうじゃまくさかったので、


“じゃまくさいっ! 店、くれてやるよ!
 タダじゃけったくそ悪いから、20万払え!”


ということで、20万円で店を手放した。


こんなことがあったので、しゃぶもやめられた。

人はなかなかやめられないらしいが、

なぜかオレはすっぱりとやめられた!


このころウォシュレットカブと出会う。


店をくれてやって、さてどうしよう……?

と考えていた時、


ちょうど阪神大震災の後で、
橋などが崩れて大変な状況になっていた時に
ハシトビの仕事で1日10万円という募集を見つけ
その面接に行こうと、タマプラーザ駅前まで出掛けた。

バスが2台並んでいた。


“シュッコウですか?”


“ん……? はい……。” 適当に返事した。


バスに乗り込んでみると、履歴書を集めている。
そんなもの持っていないので、寝たふりをしていた。


そのまま寝込み、気が付いたら、なんだかわけのわからない山の中。

着いた場所は、京都のタコ部屋……。


“オレはこんな所来るつもりじゃなかった!” とわめいたところで仕方がない。


開き直って、まぁ、来たんだから仕事していくっか!


で、タコ部屋から滋賀・京都での仕事、関西で半年を過ごした。


1日10万円の仕事に行く予定が、日給8,000円。

部屋代取られ、手もとには5,000円。


なのに、うちの “ババァ” は連絡をすると、
“金よこせ!” しか言わない。

仕方なしに2,000円仕送りをしていた。


なんだか本当に計算違いな時期だった。


こんな暮らしに慣れてはダメだと、一念発起。東京に戻った。


東京に戻った次の日、当然仕事を探さないといけないので、
新聞の求人を眺めていた。

★★喫茶 時給2,000円…なかなかおいしい?ちょうどいいか…。
と思い、面接に行った。


面接してくれた人がその店の店長だった。


いきなり “前は何をやっていた?” と聞いてきた。


“店をやっていたが、その店をたたんで関西に行っていた。”
と話した。

するとその店長は、


“ちょうど店を出そうと思っていたので、一緒にどうだろう?

なんだか君とならできそうな気がする、一緒にやろう!”


と本当にいきなりな話にびっくりしながら、


いやいや、この人の気が変わらないうちに形にしよう…と、
その段階で心は決まっていた。


次の日、不動産屋で物件の手配、チラシの手配…一気に動いて
1週間後には店をオープンさせた。

この時は、オープン時10人のスタッフを抱えた。


一緒に組んでいた店長はドケチだった。
お金儲けをさせてやろうと思っていた。


負い目があるのはいやだったから、

“ここが勝負!”という時に、


“広告費を出して! ここで勝負だ!” と言うと、


“広告出してすべったどうする…?” なんて答え、


これを聞いてこいつとはやってられない、ダメだと見切りをつけた。
大事なチャンスを逃し、スタッフもいなくなった。

大事なチャンスにお金を出せないならやってられない。
ここでその店長の答えは


“じゃあ店閉めましょう”だった。


(内心、よっしゃー!)


“閉めるんだったら、50万円やるからオレにやらせて” と言って
オレの店にした。


だけどこの店もだんだん暇になっていった。
たたんじゃうしかないか…等と考えていた時、


道端で分厚い財布を拾った。


その財布には150万円入っていた。

名刺も入っていた…名刺の肩書きが●●会社会長

普通なら、その人に届ける……、警察に届ける…、


いや違うだろう…。


●●会社会長……ということは……金持ちじゃん!

じゃー財布なくってもいいじゃん!


勝手な、前向きな考えに落ち着いて、その財布は、ちょうだいした!


それで店のたてなおしを図った。

落としてくれた会長には 感謝!


店を閉めようかと弱気になっていた時に、150万円が入ってきて
オレにツキがまわってきた。


そのお金を広告につぎこんだ。
1ページぶちぬきの広告を出した。

一気に客が増えた。


どんどん勝負する気になった。


一発あたってからは、関西や九州から
わざわざお客が来るほどになっていた。


11時開店なのに、10時には客が並んで待っている。
オレが出勤する前からだ。


こうなったらこっちのものだ。

“11時オープンだから待ってて!” と、こっちの方が強気。


並んでいる間に店の説明をして、
店を11時にあけてから夕方6時までいっぱい、という日が続いた。


ついに1店舗ではまかないきれない…ということで、
気のきいた奴が入ってきたのを機に、2店舗目をオープンすることにした。


当然毎日、色々試行錯誤の繰り返しである。
だが、いつも思うのは…


“念ずれば叶う!”


これはオレ流だが、妙な自信を持っている…オレは。

今も…。


つづく…

コメント

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1 ■相変わらず、というかなんというか、、

お疲れ様です。

先週はトリガミが多くで残念でした。

でもそれも競馬、僕はついていきますのでこれからもよろしくお願いしますよ~(笑

さて、日々の努力をされていることは触れるまでもありませんが、やはり昔から「運命の星の元」で人生を歩まれてきたんですね。

その結果「念ずればかなう!」という自信となり、それが周囲が感じる「この人についていこうと思うオーラ」となり、感じ取る人たちが集まってきたんですね。

破天荒な人生を生きてこられたジョージさんですが、去年初めてお会いした時から「見た目はちょっと怖いけれどこの人は悪い人ではない!」という妙な自信(確信?)を僕も持っていましたw

去年も今年もキャバのお嬢ちゃんたちは「なぜそんなに人を信じられるんですか?」とよく聞かれましたが、最初から「いい人」と答えがわかっていたら面白くないじゃないですか!(爆

だまされて悔しい思いをすることもありますが、それ以上に「一生の友達」を見つけることができたときは感慨深いものがあります。

と書いていたらもっと多くの人に会いたくなってきました!

五郎さん、カブさん、ローザさん、東から一言さん、ジョージ兄貴大好きな男さん、田中ですさん、ゆうじさん、多彩な顔ぶれが揃いそうですねwww

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