とれいん工房の汽車旅12ヵ月

鉄道関係の時事ネタを紹介するブログです。趣味の外縁部に転がっている、生活には役に立たない情報を中心に語ります。廃線、未成線、LRT、鉄道旅行、鉄道史、駅、遊覧鉄道、鉄道マニア、鉄道本書評、海外の鉄道、奥祖谷観光周遊モノレール、宮脇俊三、種村直樹、今里筋線、阪急新大阪線、三江線、西武線、マンガ、アニメ、読書...etc。 09年夏の同人誌新刊「遊覧鉄道で眠りたい!」(700円)、再版「遊覧鉄道に乗ってみたい!」(800円)、はただいま通販受付中。プロフィール欄の"katamachi"という茶字から当方宛にメールを送って下さい

2010-07-18

katamachi2010-07-18

[]鉄道会社に怒られずに写真を撮るための7つのマナー

 「撮り鉄」という言葉、この数ヶ月で、新聞などマスコミにてやたらと使われるようになりましたね。

 7,8年前にどこかのライターが使い始め、その後、ネットの一部で使われていた造語なんだけど、いつしか「鉄道写真を撮る人」を意味する別称として使われるようになりました。勝手自分らの名前を付けないでくれよ……という旧来からのマニア鉄道趣味誌のボヤきもなんのその。2月の「あすか」某重大事件の後、大手マスコミによって公認された感じになっています。

 でも、改めて考えると、「撮り鉄」ってどういう人たちを指すんですかね。

 「鉄道写真を撮る人」となると、一眼カメラを構えて有名撮影地レア列車がやってくるのを狙う人……というイメージが先行します。例の「あすか」某重大事件なんかもそうですよね。

 でも、特急「●●」の廃止とか、●●系の引退とかに集まってくる人たちって、ちょっと違うんですよね。


鉄道写真を撮る人」=「撮り鉄」と簡単に分類することはできないんです

 今年3月、「能登」「北陸」の廃止にあわせて最終日に上野駅に2000人が集まった。鉄道ブームだ!凄いぜ!……なんて、一般マスコミがおもいっきり煽っていました。

 けど、あのときの映像画像をよく確認してください。ホームで集まっている人たちって、手にしているのは携帯電話だったり、コンパクトデジカメだつたりするんです。そりゃあ、でっかい一眼デジカメを持っている人もいるんだろうけど、ニュースを見ている限り、それは少数。イイ鉄道写真を撮りたいというコアな鉄道写真好きというより、廃止間際の「お祭り」となった現場を記録しておきたいという層が圧倒的に多いんですよね。

 一方、列車や路線の廃止間際の現地へ行くと、主に鉄道旅行を楽しんでいる層、いわゆる「乗り鉄」たちがホームに発着する列車の前に群がったりする。ホームや車内でのスナップ写真カメラに収めたいという気持ちがあるんでしょうね。

 「鉄道写真を撮る人」=「撮り鉄」という単純な図式で捉える人たちが多いと思います。鉄道趣味事情に疎いマスコミだけでなく、鉄道マニア鉄道ファンでもしかり。

 でも、「鉄道写真を撮る人」にもいろんな趣向があるんですよね。それをみんなあまり自覚していない。

 「鉄道写真を撮る」という行為そのものにしても、いろんな狙いがあるんですよね。

→有名な撮影地などにて定番の走行写真を撮りたい人たち

プロセミプロが目指すような"芸術的"な写真を目指す人たち

自分たちの目の前にある鉄道に関する"風景"を撮りたい人たち

→廃止直前とか時期限定とかレアな事象を「記録」することを目的とする人たち

 と、大雑把に4分類してみました。それぞれが別々な層というより、いろんな趣向が入り交じっているのが現状だと思います。

 旧来だと"1"や"2"をメインターゲットにする層が多かったと思うんです。多くの人の「撮り鉄イメージはここらにあると思う。

 それが、ここ7、8年で、"3"や"4"を目指す人たちが増えてきている。鉄道旅行好きやお祭り好きな人たちがカメラを使うケースが増えてきた


 そのきっかけとなったのはデジタルカメラの出現だと思うんです。この革命的な機材が一般層に普及してきたのは2003年から2005年にかけてのこと。これにより、さほど鉄道写真に関心がなかった層も鉄道趣味現場カメラを持ち込む回数が増えていったんです。特に鉄道旅行好きの「乗り鉄」や、ライトなファン層、それに経済的に余裕がない若い層。鉄道趣味への思い入れの薄い人たち、鉄道にはあまり興味がないけどお祭り現場には関心があるような人たちも記念撮影的にデジカメを持ち歩くようになります。

 僕なんかはアナログカメラを持ち歩いた90年代、1日でシャツターを押すのは5回とか10回程度。貧乏なときは1日に1度と決めていたこともあります。基本、鉄道旅行好きで、さほどカメラには関心なかったんです。それが、デジカメを持つことによって、鉄道旅行現場撮影する回数は激増しました。1日40枚、50枚というのはザラです。鉄道旅行好きがデジカメを持って趣味へのアプローチが変わった……というのはあちこちで聞く話です。

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 デジカメだと、現像しなかったら、ランニングコスト"ゼロ"というのが大きいですよね。撮影できる枚数も(カードに余裕がある限り)無限大

 かくして、本来的な「撮り鉄」に限らず、カメラを持ち歩く人たちがやたらと増えて、それぞれの撮影枚数もやたらと増えてしまい、かくして鉄道趣味的な「お祭り」の現場では、貴重な風景「記録」する人たちでひしめき合うようになった。インターネットの記録で鉄道趣味イベントがいつどこで開催されるのか簡単に入手できるようになったというのもあります。

 「鉄道ブーム」というか、「撮り鉄」の激増という現象が出てきた背景には、そうした鉄道趣味の方法論の変容が根底にあるんです。列車や路線の廃止案件、それに団臨やSLなど「非日常的な鉄道のある風景」にばかり関心が集まっているのも、「写真を撮る」=「記録」することの比重が高くなったからなんでしょう。


鉄道写真を撮るときの「暗黙の了解」が失われていく

 こうして、デジカメを使う人たちの意識や趣向が変わってくる中で、鉄道写真を撮るときの「暗黙の了解」というのが失われてきている。

  • 鉄道写真を撮るときには、なにをやってはいけないのか

 その最低限のマナーが周知していないと思うんです。

 興味深いのは、京浜急行電鉄ホームページに出した「1000系ありがとう運転の実施について」というリリース文。「1000系ありがとう運転の注意事項について」との項目で、

  • 駅構内、電車内では走ったりせず、ご乗降の際などには譲り合っていただきますようお願いします
  • 駅係員、警備員などから指示があった場合には、必ずそれに従って下さい
  • 走行中の列車に対するフラッシュ撮影はご遠慮下さい
  • 三脚、脚立等を使っての撮影はご遠慮下さい
  • 撮影のための事前の場所取りはご遠慮下さい

と、まるで遠足の注意事項みたいにいろいろ書かれているんですね。最近長野電鉄とか糸魚川鉄道部(大糸線)とかのホームページでもこういう表記があったと記憶していますが、ここまで細かなお願いは初めてです。209系ラストランでのいろいろが念頭にあったのかな。

 こうした「マナー」とかは当然の常識と思っていました。


 ところが、それって鉄道写真を撮る人の間で共有されていることなのかな……というとちょっと疑問に思ったりする。

 たとえば三脚

 混雑するホームで使っていると人の行き来の邪魔になりますよね。カメラファインダーに集中していると、"混雑している"とか"人の邪魔になっている"とかいう現状把握すら難しくなってくる。三脚や脚立を使って棒立ちになっている人がいかに邪魔なのか、御本人はまったく気付いていないというのが寂しいところ。

 夕方17時頃の大阪駅って、「日本海」「雷鳥」「はまかぜ」と、国鉄型車両がたくさん発着するんで、最近関西鉄道マニアの注目を集めています。特に中高生ぐらいを含めたライト系の鉄道ファンが多いんです。

 でも、夕方ラッシュへと移行する時間帯、ただでさえ乗降客が多いのに、カメラを持つ連中が行き来すると邪魔なことこの上ない。しかも、三脚を使っている子の割合が高いんですよ。

 そんな彼らに、"ホームで三脚使ったらアカンで"と指摘したことが何度かあります。新快速環状線の発着するホームでは乗降客がかなり増えて危ないです。通勤客は三脚を避けてホームを移動しないといけない。明らかに邪魔になっていたんです。

 指摘すると渋々片付け始めましたが、明らかに不満顔でした。なんで、オマエに言われなきゃダメなんだって感じ。三脚使うのって自分だけでない。他の年上の連中も使っているじゃないの。ということなのかな。

 ブルトレブームの時、大阪駅には、ホームでフラッシュ三脚使うな、という掲示がありましたし、それは誰もが認識している「常識」なのかと思っていたけど、最近、そうでもないんだろうか。

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 フラッシュに関してもどうなんだろう。

 フラッシュが焚かれた瞬間、運転士がまぶしさのため一瞬見えなくなります。幻惑された目が正常な視力に戻るのには数秒かかるし、その間、目を閉じて運転する形になります。夜間にクルマを走行しているとそういう状況って理解できますよね。でも、ホーム侵入時、フラッシュが焚かれるといかに危険なのか……というのは、意外にも知られていない。特にデジカメはオートでフラッシュモードになったりするんで危険度倍増。ライトな人たちが無意識フラッシュを使っているのをよく見かけます。

 そういえば、「あすか」某重大事件や「北陸」・「能登」の廃止時、「撮り鉄」の行動を批判するマスコミ報道をたくさん見ました。一部にルールすら守れない連中がいて迷惑をかけている、と。最終列車が発車する上野駅には記録写真記念写真を撮る人たちと共に、メディアから派遣されたカメラマンたちが大量に集まっていたようです。

 でも、彼らって、混雑するホームに三脚や脚立を持ち込むことに何の疑問も持っていなかったようです(取材申請をした会社には脚立・三脚を使わないように指導があった模様ですが)。

 鉄道写真を撮るときのマナーというのが、趣味層にすら共有されていない。そんな状況下では、ライト層や若年層、マスコミすらマナーを知る機会がないというのも当然の話なのかもしれない。


鉄道写真を撮るときのマナー」と「ルール

 「撮影のための事前の場所取り」問題もややこしいです。

 基本、

  • 先にカメラを構えている人の前に割り込むのは止めよう

というのは鉄道に限らず、カメラで何かを撮るときの「礼儀」ですよね。先にカメラを構えた人と対象物との間に割り込むと、他人のシャッターチャンスを妨げる形になってしまう。

 でも、焦点距離が短い携帯電話コンパクトデジカメだと、かなり列車と接近しないとうまく撮れなくなる。気がついていないのか意図的なのか割り込みをする人がやたらと増えたという印象があります。

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 上は岡山駅で撮った500系。僕がカメラを構えてシャッターを押そうとすると、中学生くらいの子が僕と500系との間に入ってきたんです。まあ、駅撮りだし多少こういう事があっても仕方ないわなァというくらいのこだわりしかないんで僕はスルーしましたが、こういう瞬間にキレてしまう人も少なくないんだろうな。

 有名撮影地でも駅ホームでもそうなんですが、いいアングル車両を収められるポイントってそんなにないと思うんです。いい写真を撮れるポイントは決して広くないんだし、お互いが融通しながらちょっとでもスペースを空けてあげればいい。

 でも、そうはならない。

 1970年代後半のブルートレインブームのときに牽引役となった南正時。彼は近著「「撮り鉄」入門 中高年・初心者のための撮影術」の中で、"「撮り鉄」が守るべきルール"についていろいろ指摘しています。フラッシュ三脚の問題と共に、この「先着権」の尊重を指摘し、そうしたルールベテラン中堅から若い層・ライト層に伝わっていないことを憂えている。

 でも、先着権を主張すべく場所取りを主張するのも問題です。貴重な列車のイイ写真を撮るべく、通過時間の何時間も前から場所取りを始める。そうなると、後から来た人が写真を撮るスペースがなくなってしまうんですよね。

 三脚の上にカメラビデオを2台も3台も並べたりするからさらにややこしくなる。それはベテラン層だけではない。若い連中も同じようなことをやっているみたい。先着権を主張するベテランから"学習"したんでしょうか。

 こうした「先着権」と「場所取り」の問題が複雑に絡むがゆえに、「オマエ、邪魔だ、そこどけ」といったトラブルが頻発するようになる。そこらの問題に触れず、ただトラブル現場を映した動画youtubeなんかでアップされることで、「撮り鉄」非難が加速していく。

 それは若い人だから、不勉強だから、という簡単な話ではない。ある程度鉄道写真に慣れ親しんだ人でも、そうした「マナー」について意識をせずやっている人は少なからずいる。


 なかなか難しい問題があります。

 こうした写真撮影に絡んだ問題って、鉄道写真世界に限らない。最近だと、ビデオカメラが普及した90年代くらいからあちこちで話題になっていましたよね。幼稚園小学校運動会学芸会が特にヒドいとマスコミで話題になってきましたし、友人たちからも散々愚痴られました。

 そうした学校イベント、そしてイベント系の鉄道案件もそうですが、ターゲットなる子供や鉄道の魅力的な姿を撮れるのは、イベントが行われる当日のみ。そう思いこんだ人たちが同じ日の同じ場所に集中してしまうから、場所取り合戦が加速してしてしまう。だから自分の後ろに並んでいる人たちに考えが及ばなくなる。そして、我慢しきれない人たちが先着者たちの前に割り込んでしまうため、怒号が飛び交うことになる。ファインダーを見つめると回りを見られなくなるんですよね。

 個人的には、そうしたイベントのとき以外でも、子供さんや鉄道風景が魅力的に見える瞬間があると思うんです。想い出や記録以外にも写欲を満たしてくれる瞬間というのはたくさんあるし、日常的な風景の中でそれらを見つけ出すのも撮影者の才能だと思います。

 でも、非日常的な瞬間にばかりカメラファインダーは向いてしまう。それはなんとかならないのかな.....

 とにかく、本エントリータイトル鉄道会社に怒られずに写真を撮る7つのマナー」とは何かというと、

  • 1.走行中の列車フラッシュを焚くのはやめよう
  • 2.ホームなど鉄道駅構内で三脚や脚立を使うのはやめよう
  • 3.先にカメラを構えている人の前に割り込むのはやめよう
  • 4.先着権を主張するための過度な場所取りはやめよう
  • 5.写真を撮るときには譲り合いの気持ちを大切にしよう
  • 6.撮影ポイントへ向かうのに線路などを歩くのはやめよう
  • 7.駅係員、警備員などからの指示には絶対従おう

ということ。

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 これらは一言で言うと「マナー」の問題なはず。でも、守らなくなる人が多くなると、先の京浜急行プレスリリースのように、会社側から指示される「ルール」とされてしまう。それってあまりにも寂しいことですよね。

 これらの暗黙の了解を「マナー」として押しとどめておけばいいのか。きちんと「ルール」化した方がいいのか。なかなか難しい問題です。

 「三脚がホームで使えない」ということがルールとされてしまうと影響を受けてしまう人たちも存在する。バルブ撮影とかビデオカメラでの撮影とかがかなり難しくなってしまいます。

 「鉄道会社に迷惑をかけるだけでウザい」と「撮り鉄」を批判する人たちにとっては、どうでもいいことなのかもしれません。ただ、鉄道旅行好きの少なからずの割合がデジタルカメラを構えるようになった現在、ちょっとしたきっかけであなたが「撮り鉄」となるときが来るかもしれない。「彼らは自分と違う」と切断して解決できる問題ではないということは認識しておかないといけない。

 僕自身は、

などで非日常的な風景にばかり対象を絞るのではなく、もっと日常的なモノに関心を向けよう!と主張しているんだけど、それもどこか精神論的なものがあるのは否めない。でも、他者への配慮ができないなら、誰から「ルール」を定めてもらうしかない。それは非常にむなしいことだよなあと思ったりもするのだけど、それはまた別の話。

うえしょううえしょう 2010/07/19 00:57 私も撮り鉄のマナーについて感じることがありますが、
自分が最も痛感することがこの7つの中には抜けていて残念に思いました。
(強いてあげると5に近いのですが)

それは
「撮影ポジションでの写真は速やかに撮ろう」
というものです。

自分が先頭になってから列車のいい位置で構図を決めたり露出を測定したりする人がいますが、そんなことは後ろで並んでいるときにすればいいのです。
また、撮影後にちゃんと撮れているか一眼レフなのに何十秒も確認する人がいますが、そんな長時間ふさがないでほしいのです。
あと、混雑時は撮影は1枚(あるいは連写で1構図)に抑えて後続に譲ることも重要です。

撮影マナーについて書かれているサイトを見ると、
たいていが走行中のフラッシュが過度に挙げられていて、
上に書いた視点が抜けているケースが多いです。

だから私はあえてフラッシュについては書かないことが多いですね。
(走行中にフラッシュたいてもいいよ、という意味ではありません)

むうちえむうちえ 2010/07/20 04:10 コメントのお返事、ありがとうございます。ブルガリア国鉄のセプテンブリ駅からたぶんベリングラッド駅まで年に1,2回SLの記念運転があるようですよ。

ブログのネタとしても、趣味としても、腕の良し悪しは別にして鉄道写真を撮りますが、お尋ねしたいことがあります。直接「撮り鉄」のマナーとは関係ないのですが・・・

ブルガリアで、そのナローゲージのSLが走ると友人から聞いたもので撮影に行ったのですが、その列車はどうもドイツの鉄道マニアがカレンダーか何かの写真を撮るためにチャーターしたもののようでした。彼らは列車に乗車して撮影する班と車で追いかける班に分かれ、そのほかにもブルガリア人の鉄らしい人たちも日本人のワタシのほかにいたのですが…

SLを先回りして駅で撮影しようと待っていたところ、後からやってきたそのチャーターしたグループのリーダーらしい人から、「この列車は自分達がチャーターした列車だ。撮影したいなら金を払え」と言われました。他の撮影者はその人と一緒に行動していたのかどうかは分からないのですが、何の問題もなく撮影しているようでした。

その列車は途中で何回も駅でもないところで臨時停車し、走行しているSLとしては不自然な写真をいくつも撮影していました。

日本では臨時列車や貸切の列車であってもそんなことを言われた記憶はないのですが、逆の意味での「撮り鉄のマナー」として、どう思われますか?

katamachikatamachi 2010/07/20 18:15 うえしょうさん

>「撮影ポジションでの写真は速やかに撮ろう」

それは「写真を撮るときには譲り合いの気持ちを大切にしよう 」そのものですよね。他にも待っている人間がいる、ということに考えが及ばないから、何枚も何枚も同じポジションで撮ってしまう。いい写真を撮りたいという気持ちは分かるんですが、ならば人の集まらないホーム以外でやればいい。

そこで「混雑時は撮影は1枚(あるいは連写で1構図)に抑えて」とか、細かくルール化してしまうと、やけに堅苦しくなってしまう。そこに行く前の段階で何とかマナーのレベルでなんとかしないといけないよなあ、というのがこのエントリーの主旨です。

katamachikatamachi 2010/07/20 18:53 むうちえさん

「ルール」と「マナー」という問題を提起しただけで、鉄道写真を撮ることにさほどこだわりのない僕が啓蒙的なことを言うのもなんですが、

>この列車は自分達がチャーターした列車だ。撮影したいなら金を払え」

について実体験から2点。

僕たちのグループでは5年に一度、車両を貸し切って団体運行をすることが恒例となってます(この秋も予定しています)。カネを出して運行しているのは僕らですが、写真撮影を目的として列車を運行(いわゆるフォトラン)しているのではないので、他のマニアさんが撮ろうがどうしようがどうでもいいやという気はします。ただ、運行の妨げとなる行為、あるいは「俺たちが撮って何が悪い」という類の居直りがなされたりすると、ちょっと待てよ……という気はします。10年前にモ510を名鉄岐阜市内線で借り切ったとき、雨の時に信号を無視して自転車で追っかけてくるマニアがいて、ちょっとなあ、と思ったりもしました。

一方、ヨーロッパ系のマニアさんは、自分らのフォトランのために多大な時間とカネをかけていますよね。日本だと列車を運行すること自体が目的となっているチャーター列車が多い(しかも、他の撮影者を排除することも実質的に不可能)けど、向こうはあくまでも自分たちの撮影のため。場所は趣味の人が多いとは言えない路線が中心。そこらに日本との考え方の違いはあるのかもしれません。

僕自身、ケニアとかネパールでそうしたツアーご一行様と遭遇し、チャーター列車に便乗したり、撮影させてもらったことがあります。

僕としては、あくまでも偶然そこに通りがかっただけだし、でもいろいろと労力を費やして運行にまで漕ぎ着けてくれた(と思われる)彼らへの敬意を示さないと失礼かなと思っていました。なんで、事前にスタッフやツアー参加者たちに声をかけてみましたし、快く迎えていれてくれました。ここらには、基本、決まったルールやマナーはない、あくまでもコミュニケーションの問題じゃないかなあと思います。ただ、いろんな状況がありますし、一概には言えないのかもしれません

むうちえむうちえ 2010/07/21 13:12 お返事ありがとうございます。なるほど、ですね… 状況がまったく分からない中で限られた情報しか手に入らなかったので… てっきりブルガリアでのSLの運行は、日本で言うところの「やまぐち号」のようなものだと思っていました。参考になりました。

katamachikatamachi 2010/07/23 00:13 SLに関しては、「やまぐち」号のように鉄道会社が主催する臨時列車もあれば、マニアさんの企画する団体列車もあると思うんです。むちうえさんが遭遇したのは後者だったのかもしれません。とは言え、「金を払え」というのはなんなのかなあとは僕も思います。

僕がルーマニアのモカニツァ森林鉄道のSLを見に行ったときに出会ったドイツのマニアさんたちだと、ウエルカム!と喜んで対応してくれたんじゃないかなあとか思ったりします。まあ、趣味のグループにもいろいろあるんだろうな、としか言い様はないのですが。

ますおますお 2010/07/23 13:25 どこの動画サイトか忘れましたが、神奈川の東急車輛から京成3050形を回送するときに撮り鉄の方を女子学生が邪魔してるのを見ました。
何故彼女らがこのような行動をとった事がとても不思議でした。

>3.先にカメラを構えている人の前に割り込むのはやめよう
以前黄色い線の内側で撮っている時に割り込まれたのですが、割り込んだ方が線の外に出て撮っていて危なかったので私が下がった子とがあります。
いくら良いアングルで撮りたいと行っても割り込んでまで線から出て撮るのはやめて欲しいと思いました。

ますおますお 2010/07/23 13:29 ×行動をとった事が ○行動をとったのか

確認せずコメントしてすみません。

katamachikatamachi 2010/07/23 21:45 >何故彼女らがこのような行動をとった事がとても不思議でした

女子学生が邪魔していたのですか。なんか訳の分からないことに一生懸命になっている連中(すなわち撮影している人)をオチョくりたかったのですかね。

黄色い線を割り込んで、ですか。それは危ないですね。

うえしょううえしょう 2010/07/25 02:45 コメントありがとうございます。
もし譲り合いに含めるというのであれば、4番目の場所取りは5番目の譲り合いに含まれますので、場所取りを出すくらいならむしろこちらをあげてほしいなと思うのですが、いかがでしょうか。

katamachikatamachi 2010/07/25 16:45 ここ数年、特に写真を撮る人たちの間でのいざこざがクローズアップされる要因の一つとして、

▽「早く来た人間より前に他人が割り込んではいけない」というマナーを主張するがゆえに権利意識まで持っている人たち



▽携帯電話やコンパクトデジカメの性能ゆえに、意図的または無意識に対象に接近して撮影しようとして他人のカメラを邪魔している人たち

との軋轢があると僕感じています。特に、この「鉄道ブーム」で増えた人は後者が多いですよね。

まあ、こういう「マナー」が共有されていないんじゃないか、と僕は指摘しましたが、「7つ」という数字にあわせてみただけで、深い意味がないと言えばそれまでなんですが......

JUMBO@草薙JUMBO@草薙 2010/07/28 12:44 以前、大井川鉄道DBの記事で書き込みさせて頂きました、静岡にて撮影メインで鉄道趣味活動をしている者です。
色々と考えさせられる事の多い問題だと思います。

個人的に思うのは、マナーとかモラル以前の問題として、他者への配慮と言った点が欠けている様に思える事象が多く見受けられるなと感じる事が多いです。
趣味や撮影に限らずなのですが、ほんの少しの他者への配慮が有れば譲り合えると思えるのですが...(車の運転などでも同じですね)

静岡は田舎ですので、鉄道の撮影と言えば線路近くの畑の畦道などが多くなるのですが、ネットの普及でマイナーな撮影地でも遠方から撮影者の方が来る様になりました。
ブルトレ廃止騒ぎの頃に有ったのですが、春休み期間でしたから他県から18きっぷ等で遠征してきたらしき高校生の集団が、撮影地に落ちている甘夏の実などと暇つぶしにお茶畑に投込んでいました。
撮影とは何にも関係ないのですが、これなども他人様の土地に入らせて頂いていると言った配慮が有れば、とても出来ない様な行動だと思います。
廻りに10人ほど居た自分よりも年配の同好の方々も何も注意しなかったのですが、つい声を荒げて怒ってしまいました。

撮影地で出会う方も、最近は挨拶をしても返して頂ける方が少ない様に感じます。何か、他者とのコミュニケーションが薄くなっている様に思います。

マナーとかモラルって言うのは、本来そうした他者とのコミュニケーションを取っていく中で学んでいくモノですから、世代や趣向に拘らず多くの方と付き合っていくのが一番なのでしょうね。

何だか纏まりの無い書き込みになってしまいました。
また問題点をクローズアップした記事、楽しみにしております。

katamachikatamachi 2010/08/02 21:43 >他者への配慮と言った点が欠けている様に思える事象が多く見受けられるなと感じる事が多いです


マナーやモラル以前ということですよね。鉄道撮影地の場合、目当ての列車と対峙できる場所、時間がごく限られているから、撮影者が集中し過ぎてしまう。

遠征にきた高校生の方も、

>撮影地に落ちている甘夏の実などと暇つぶしにお茶畑に投込んで

いたことに悪気を感じなかったということですよね。自分と他者との関係を構築するのが苦手なのかなあ。他者とのコミュニケーションというのが大切だとは思う。ちょっとした会話から即席で人間関係を構築することは可能だし、それが確立できればもっと穏やかに撮影したり乗車したりできるのではないか。僕はそう感じたりします。

ポッポポッポ 2010/08/06 16:05 数年前にドイツの旅行社の主催するルーマニアSL撮影ツア−に参加したことがあります。そのときのことですがSLは当然われわれのフォトンラン専用です。しかしながらどこからかツアー参加者以外の人が現れ、撮影をしていました。ツア−の主催者は彼らから、それなりの料金をもらっているからいいのだとのことでした。また、それがチャーターされた列車をとるときのル−ルだと教えてもらったことがあります。また、チェコでSLをチャ−タ−したときには金をを支払うからと撮影させてくれと頼まれたこともあります。ご参考までに

katamachikatamachi 2010/08/06 22:27 >それがチャーターされた列車をとるときのル−ルだと教えてもらったことがあります

チェコのケースも含めて、「お金のやりとりが必要」という解釈がツアーの「ルール」になるのでしょうか。主催者の立場からすると、ツアー列車に、フリーライダー(こういうときは「ただ乗り」よりも「ただ撮り」の方が相応しいのですかね)する人たちを容認してしまうと、企画目的が根底から崩れてしまいますよね。そういえば、中国東北地区のどこかのSLのチャーター列車に関して、以前同じような議論を見たことがあります。過去、途上国でSLの走っている現場に偶然立ち寄った僕が容認されたのは"特例"なのかもしれません。

ちょうど今月のレイルマガジンがチャーター列車の特集をやっていたんですが、ここらの微妙な所には触れていませんでした。マニアの団体列車の企画をやっても、問い合わせはダイヤの質問ばかりで、実際に乗ろうという人は希有なんだとか書いていましたけど。

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