2010年7月12日 10時34分 更新:7月12日 11時52分
【パリ福原直樹】「ビバ・エスパニャ(スペイン万歳)!」。サッカー・ワールドカップ(W杯)で、史上初の優勝が決まった瞬間の11日深夜(日本時間12日早朝)、スペインは、歓喜の声で埋め尽くされた。国内の多くの都市は、市の中心部に巨大スクリーンを設置。オランダとの大接戦に、はらはらし通しだった後の勝利だけに、市民の喜びもひとしおで、国中の街が赤と黄金の国旗の色一色となった。
夜になっても35度を超す酷暑となった首都・マドリード。現地の報道や日本人在住者らによると、同市中心部のスクリーン前には、スペインのユニホームを着たり、国旗を掲げた約25万人が集まった。延長戦が1対0で終了した瞬間、その喜びは爆発。「スペイン、スペイン」「我々は皆、スペイン人だ」などの歓声がこだまし、感極まり泣き出す人もいた。
また、街中でテレビの実況中継を流す多くのバル(居酒屋)も満員。報道によると、W杯の勝敗の「予言」をすべて的中させ有名になったドイツ・オーバーハウゼンの水族館のタコ「パウル君」にあやかり、タコの着ぐるみで応援する人も出現した。勝利の後、街中では自動車のクラクションの音や、花火がさく裂し、お祭り騒ぎとなった。
バルで最後まで観戦した高校教師(46)は「チームの調子がいいと聞いていたが、まさか優勝するとは」と発言。「スペイン人であることを誇りに思う。優勝で国民の一体感が強まった」と話していた。マドリードでは混乱に備え、警官2000人のほか医療チームが待機した、という。