参院選:民主、2人区2人擁立 効果なし

2010年7月12日 1時56分

 党勢拡大を目指した民主党は、「共倒れ」を恐れる地元の抵抗を押しきり、改選数2の選挙区に原則2人の候補を立てた。だが、小沢一郎前幹事長の主導で擁立した新人は軒並み振るわなかった。

 「私への貴重な1票を無駄にしてしまった。組織の力の前に及ばなかった」。静岡選挙区で敗北した中本奈緒子氏(31)は浜松市中区の事務所で振り返った。自民党陣営だけでなく、民主の現職候補を一枚岩で支援した県連、連合静岡への皮肉とも聞こえた。

 現職・藤本祐司氏(53)の再選を確実にしたい県連が「候補者一本化」を求めれば、小沢氏は藤本氏への活動費支給をストップするなど対立はエスカレート。県連は連合静岡とともに藤本氏支援で結束した。

 長野選挙区の高島陽子氏(42)も落選の憂き目にあった。小沢氏は3月末、県連に知らせないまま、民主県議だった高島氏を擁立。現職で防衛相の北沢俊美氏(72)が初めて街頭に立った先月13日、県連幹部は「県連の機能はすべて北沢選対に移す」と全面支援を明言した。

 選対に小沢氏の秘書を迎え、無党派層に狙いを絞った高島氏だが、独自候補を見送った社民票に目をつけ、普天間飛行場移設問題で政権批判めいた発言を繰り返すなど迷走。当選した北沢氏は「小沢さんが強気な手法で戦略を誤った」と批判、高島氏も「(2人擁立は)結果的には厳しかった」と認めた。

 茨城選挙区で、県連が推す候補を差し替えて党本部主導で擁立された長塚智広氏(31)は3位の次点に終わった。つくば市の事務所で長塚氏は「新しいスタイルの選挙活動をしたが、やはり難しかった」と述べた。

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