参院選:共産、社民は苦戦 たちあがれ日本、新党改革も

2010年7月12日 1時18分 更新:7月12日 3時28分

 共産、社民両党は最近の国政選挙での退潮傾向に歯止めをかけられなかった。消費税増税と米軍普天間飛行場の沖縄県内移設に明確に反対することで他党との差別化を図ったが、無党派層への支持は広がらなかった。また、4月に相次いで結党した、たちあがれ日本と新党改革は1議席にとどまり、みんなの党と明暗を分けた。

 共産党は比例代表5議席と東京選挙区での議席奪還を掲げて臨んだが、東京で議席を得られないなど改選4議席に届かなかった。志位和夫委員長は11日夜、「消費増税に憤りの声もたくさん聞こえるが、我々の力不足もあった」と反省を口にした。

 社民党は連立政権を離脱して党の主張を通した普天間問題が全国的な争点にならず、苦戦した。沖縄選挙区では推薦した無所属候補が接戦を展開したものの、同党の獲得議席は改選3議席から2議席に後退した。福島瑞穂党首の責任論が浮上する可能性もある。福島氏は11日夜、党本部での会見で「手応えはあったが議席に結びつけられず残念だ」と述べた。

 たちあがれ日本は参院選前に中山恭子参院議員(非改選)が入党し、選挙結果にかかわらず「国会議員5人以上」の政党要件は維持するものの、参院選で議席を伸ばし「政界再編の起爆剤」を狙う戦略はつまずいた。記者会見した与謝野馨共同代表は「消費税よりも10カ月間の民主党政治の総括が行われた」と語り、財政再建で存在感を発揮できなかったと総括した。今後、リベラル色の強い与謝野氏と保守色の濃い平沼赳夫代表との路線の違いが表面化する可能性もある。

 新党改革の舛添要一代表は11日夜、「準備不足もあり、まだ結果が出ていない」と述べ、結果を待たず体調不良を理由に帰宅した。自身の知名度の高さを前面に出したが、政策で独自性を発揮できず埋没した。同党は非改選の舛添氏と合わせて2議席に後退し、早くも存続が危ぶまれている。【野口武則】

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