【宜野湾】米軍普天間飛行場所属の大型輸送機ヘリコプターCH53Dが2004年8月に宜野湾市の沖縄国際大学に墜落炎上した事故は、13日で満6年を迎えた。今でも「世界一危険な飛行場」といわれる状態は変わらず、日米が合意した同飛行場の返還も県内移設の条件が障害となり問題解決の道筋は見えない。市内各地では沖国大や市民団体の集会やデモ行進があり、固定化の懸念さえささやかれ始めた同飛行場の早期閉鎖・返還や飛行中止を国内外に訴えた。
沖国大は事故が起きた時刻にあわせて午後2時10分から飛行中止を求める集いを墜落現場で開いた。米軍機が爆音を響かせる中、大学関係者ら約200人が参加した。富川盛武学長は声明発表で、大学の要求を無視して米軍機の飛行が続いているとし、「さらに膠着(こうちゃく)が続く可能性が高くなった」と危機感を示した。その上で「いかなる国際政治論、安全保障論で飛行を正当化しても、大学の静寂・安寧を脅かし、生命すらも脅かす飛行は認められない」と強調、米軍機の即時飛行中止と、一日も早い普天間の閉鎖・返還を求めた。
平和ガイドサークル「スマイライフ」代表で社会文化学科4年の宜壽次翼さん(21)は、墜落事故が自分たちの生活から笑顔を奪ったとし、「事実を知り、そこから考えることの大切さを多くの同世代の人たちと共有したい」と意見表明した。
宜野湾市役所では、伊波洋一市長が普天間の危険性除去や県内移設断念を訴える会見を開いたほか、平和運動センターなどによる集会やデモ行進があった。
知事「時間かかっている」
普天間 3年めどの閉鎖状態
仲井真弘多知事は13日の定例会見で、沖国大に米軍ヘリが墜落した事故から6年を迎えたことに、「3年めどの閉鎖状態の実現を求めてきたが、そのままになっており、極めて残念。時間がかかった感は否めないが、これからも強く実現を要求していく」と述べた。危険性の除去については「技術的にやりようがいくつかあるだろう」と述べ、訓練の分散移転などの必要性にあらためて言及した。
前原誠司沖縄担当相が今月3日、泡瀬沖合埋め立て事業(東部海浜開発事業)を再開する方針を固めたことに、仲井真知事は「県も徹底して実現に向けやっている。第1工区はなるべく早く完成させるべきだ。その方向性の確認は非常に良いことだ」と歓迎した。
11月の知事選への再出馬について、「正直なところまだ決めていない。後援会や与党との意見交換、相談を経て最終的に決めたい」と述べ、明言を避けた。
民主党が知事選で仲井真知事の支援を決めた場合どう対応するか、との問いには「答える状況にない。考え方がだいぶ違う」と述べ、明言を避けた。