2010年7月10日 2時30分 更新:7月10日 3時10分
好調なエコカー販売の原動力になった政府の補助金が9月末に終了するが、国内新車販売首位を独走するトヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」は、事実上の“期限”が目前に迫る。申請は納車時の車両登録が条件だが、好調な受注状況から「現時点で納車は平均して2カ月半待ち」(トヨタ)で、販売店によるが、今週末から今月下旬にかけてが補助金を確実に受け取るリミットとなるためだ。リーマン・ショック後のエコカーブームを支えた補助金の終了がプリウス人気にどう影響するかも注目される。
13年以上使用した車を廃車、エコカーの登録車(660CC超)に乗り換える場合には、25万円の補助金がもらえる。だが、申請段階で新車の車検証のコピーなどが必要で、9月末までに車両登録を終えることが必要だ。
プリウスは昨年6月から今年6月まで国内新車販売で13カ月連続トップ。ただ、トヨタは、プリウスの基幹部品であるニッケル水素電池の調達量に限りがあるため増産しない方針で、需要に生産が追いつかない。
トヨタ系列の東京トヨペット(東京都港区)では「プリウスを求める顧客には、納車が間に合うかどうかを確認しながら販売している」。契約段階で9月末までの納車が間に合わない可能性がある場合は、補助金を受け取れないこともありうると伝え、判断をしてもらうという。販売店間では補助金対象のプリウスの有無を紹介しあう仕組みがないため、顧客が補助金対象車の購入を希望する場合は、個別に販売店を探す必要があるという。販売店の間では、「補助金終了後のプリウス販売がどうなるか読めない」と心配する声も強くなってきている。
補助金終了をめぐっては、日本自動車工業会の志賀俊之会長が7日、延長要請する考えを示唆している。【宮崎泰宏】