中国、「空母キラー」対艦弾道ミサイルを試験発射へ
中国メディアが「空母キラー」と呼ぶ対艦弾道ミサイル(ASBM)の「東風21D」の試験発射計画を事実上公開した。米国防総省が西海(黄海)と南シナ海で、韓国やベトナムとともに、原子力空母ジョージ・ワシントンが参加する合同演習を行うと明らかにしたことを踏まえた対抗措置ではないかとの分析も聞かれる。
中国の中央人民ラジオ(電子版)は13日、中国航天科工集団(CASIC)が近く国家の重大兵器プロジェクトの試験発射を行うと伝えた。同局は「重大兵器プロジェクト」が何かを明かさなかったが、関連写真として東風21Dと同系列の東風21C中距離弾道ミサイルが米空母を攻撃する想像図などを掲載し、今回のプロジェクトが米空母を狙った東風21Dの試験発射であることを示唆した。報道によると、同社の許達哲総経理は今月5日から6日にかけ、試験現場4カ所を訪問し、研究陣を激励した。
欧米メディアは最近、中国が東風21Dの開発を完了し、年内に試験発射を行うと報道してきたが、中国政府はこれまで確認も否定もしていなかった。
北京の外交関係者の間では、中国が東風21Dの試験発射計画を国営メディアを通じて明らかにしたのは、米空母の演習派遣に対する警告とみている。英字紙チャイナ・デーリーも同日、外電を引用する形で、「中国が対艦弾道ミサイルを開発中だ」と報じた。
同紙は、外電は中国が対艦弾道ミサイルを開発し、来年にも実戦配備すると報じているが、中国国防省はそれを認めていないと伝えた。
中国が開発している東風21Dは、最大450キログラムの弾頭6個を搭載できる中距離弾道ミサイルで、射程距離は1300-1800キロメートルとされる。空母の船体を貫き、内部で再び爆発する構造となっており、一発で空母を撃沈できるため、「空母キラー」と呼ばれている。
■米「空母攻撃には核兵器で反撃」
これに関連し、13日付香港紙文匯報は、中国が東風21Dで米空母を攻撃すれば、米国は核兵器での反撃も辞さないと報じ、中国の大型弾道ミサイルが米空母を撃破する想像写真を掲載した。同紙は米海軍幹部が米メディアに対し、「中国が東風21ミサイルで米空母を攻撃すれば、米国は核兵器を使用して対応する」と述べたと報じた。
北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員
香港=李恒洙(イ・ハンス)特派員