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低価格で人気の「第三の牛乳」 なぜ他の牛乳より安いのか

8月14日15時40分配信 MONEYzine

「第三の牛乳」と呼ばれる「加工乳」が消費を伸ばしている。農林水産省が8月に公表したデータによると、平成22年4〜6月の「牛乳」の生産量は、前年同期比で3.5%減、「成分調整牛乳」は5.6%減とともに減少している。しかし、一方「加工乳」は36.0%増と大きく生産量を伸ばしている。

 牛乳類は、大きく3つの種類に分類することができる。社団法人日本酪農乳業協会によると、1つ目が成分無調整の「牛乳」で、牛からしぼったままの生乳を加熱殺菌し、水やほかの原料は入れず、成分は乳脂肪分3%以上、無脂乳固形分8%以上を含んでいるもの。

 2つ目は「成分調整牛乳」で、生乳から乳脂肪分の一部を除去するか、水分の一部を除去し、成分を濃くするなどの調整を行ったものである。そして3つ目が、生乳に脱脂粉乳やバターなどの乳製品を加え、乳成分を増やしたり、乳脂肪分を減らしたりした「加工乳」だ。
 
 加工乳が生産量を伸ばしている最大の理由は、その安さにある。値段はメーカーや販売店によって異なるが、牛乳は1パックで200円〜250円程度、成分調整牛乳は1パックで170円〜190円程度、そして加工乳は1パックが140円〜160円程度で売られている。最大で100円近くある牛乳との価格差は、加工乳の大きな魅力になっている。さらに、低脂肪をうたった加工乳や、特定の栄養素を多く含む加工乳も販売されていることから、消費者は価格差以上のお得感を感じているようだ。

 牛乳は食料品の中でも、顧客が最も価格に敏感に反応する商品の一つ。このため、小売店も価格の安い加工乳を積極的に陳列し、集客のためのアイテムとして活用しているケースが多いことも、加工乳の生産量が大きく伸びている理由とみられる。

 ただ不思議な点として、通常、生鮮食品の場合、加工することによって付加価値を高めると同時に、その分を価格に上乗せするのが一般的だ。しかし牛乳の場合、加工することが、価格を下げることにつながる。

 価格が安い理由として、成分調整牛乳は、牛乳から脂肪分などを分離し、それらはバターやチーズなどの加工品に転用できるため、その分の牛乳よりも価格が安くなる。加工乳は、さらに脱脂粉乳やバターなど規定の乳製品を混ぜることができるため、低価格化が実現できる。

 デフレ環境にある今、ビールや牛乳をはじめとした「第3の商品」は、低価格化で消費者をお店に呼び込むツールのひとつになっている。このような背景を考えると、また新たな「第3の商品」が誕生しそうだ。


(サイトウ イサム 、 加藤 秀行)

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最終更新:8月14日15時40分

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