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【プロ野球】

巨人 喜べない首位奪回 先発また崩壊、阿部は負傷退場

2010年8月14日 紙面から

巨人−横浜 横浜に逆転勝ちし、「ヨロコンデ〜」のパフォーマンスで勝利を喜ぶラミレス(左)とエドガー=東京ドームで

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◆巨人8−6横浜

 笑顔はない。勝つには勝った。首位にも返り咲いた。それでも、決してホメられた内容ではなかった。最下位を相手に巨人が1勝を“拾った”。原監督は「長い試合? いろんな状況がありましたね。良いところも、悪いところも」と硬い表情で会見を切り出した。

 先発陣の崩壊が止まらない。オビスポは3回、4回と先頭打者に四球を与えて失点。5回にはボール先行から3連打を浴びるなど逆転を許し、さらに2死走者なしからスレッジにも痛恨の被弾。ベンチの指揮官もガックリと首を折った。

 「先発の役割を果たせなくて申し訳ない」と巨体をしぼませた右腕に首脳陣は容赦ない。香田投手コーチは「いつも同じ失敗やな。何とかならんかな」と吐き捨て、指揮官も「あれだけ制球力のない投手を先発に使ったのは私の責任」と先発失格の烙印(らくいん)を押した。

 打線の踏ん張りで3点差をひっくり返したが、4時間6分の中には不安材料がギッシリ。6回の守備では阿部をファウルチップが直撃。右足ふくらはぎ打撲で途中交代した。慌ててマスクをかぶった鶴岡が救援5投手を必死のリード。7回にはエドガーの決勝打につなげる安打も放った。

 「彼が出て風向きを変えてくれた」と安堵(あんど)した原監督。しかし、ベンチ裏は大騒動だった。駒不足の投手陣を補充したために捕手は2人態勢。万が一の事態に備え、ブルペンでは内野手の寺内が緊急準備に入っていた。伊原ヘッドコーチが息を吐く。「総力戦? ウチは火の車だから。やれることをやるしかない」。残りはまだ41試合もある。自転車操業もそろそろ限界だ。 (井上学)

 

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