QUAKE3 3D ENGINE


過去そうであったように、id Softwareの3D ENGINEは他のゲームベンダに ライセンス供給されゲームベンダは「開発をゲームデザインに集中」できる ようにしてきました。
この最新3D ENGINE「QUAKE3 ENGINE」は「Voodooカード」でどの程度の速度 で動作させられるのかなどについてまとめてみました。

UNREAL ENGINE以来の注目3D ENGINEとなるQUAKE3 ENGINEは 駆動システムにかなり速度を要求することがわかってます。
表現力は素晴らしく、バンプマップ効果や精密なテクスチャ、 派手なライティング効果が美しい世界を表現しています。

まずは現行システムでどの程度の速度がえられるのかを計測してみました。
今回の計測では1024x768の解像度のみで行っています。
ドライバにはVoodoo2 SLIにMonster3DII Driver Ver 1.07を、 Voodoo3 3000 AGPには3dfx Voodoo3 Driver Ver 1.02.11を 用いています。
Voodoo3 Driverの新しい機能「Alpha-blending」と「Video Display」は いずれも「Automatic」にしてあります。


id Softwareの提供する設定
QUAKE3の GRAPHICS OPTIONS には「FIRSTEST」「FIRST」 「NORMAL」「HIGH QUALITY」「CUSTOM」の5つの設定が 選択できます。
「CUSTOM」以外はid Softwareがチューニングした設定で 事実上のオフィシャル設定になると思います。
まず、「CUSTOM」以外の設定条件でVoodoo3 3000 AGPでの 性能を測定してみました。
但し、「HIGH QUALITY」の「color depth」は「16-BIT」 に変更してあります。
その他の設定は以下の通り。
計測オプション設定

OPTIONS
 high quality sound : HIGH
 screen size        : MAX

GAME OPTIONS
 marks on walk      : YES
 ejecting brass     : YES
 dynamic lights     : YES
 light flares       : YES
 identify target    : YES
 high quality sky   : YES
 sync every frame   : NO
QUAKE3 Version 1.07での計測
videoclockgraphics optionq3testdemo1.dm3q3testdemo2.dm3
Voodoo3 3000183FIRSTEST77.978.0
Voodoo3 3000183FIRST68.171.9
Voodoo3 3000183NORMAL59.869.7
Voodoo3 3000183HIGH QUALITY46.362.4
どの設定でも必要十分な速度がえられるようです。
シングルゲームではともかく対戦プレイでは速度が全てですので「FIRST」や「NORMAL」 で対戦すればプレイに支障が出ることもなさそうです。


画面品質を上げた設定
「CUSTOM」ではユーザが自由に環境を構成できます。
今回はQUAKE3 3D ENGINEの表現力を確かめる為にカラー設定関連 のみ「16-BIT」とし、それ以外はもっとも品質の高い設定にしています。
具体的なオプション設定は以下の通り。
計測オプション設定

OPTIONS
 high quality sound : HIGH
 screen size        : MAX

GAME OPTIONS
 marks on walk      : YES
 ejecting brass     : YES
 dynamic lights     : YES
 light flares       : YES
 identify target    : YES
 high quality sky   : YES
 sync every frame   : NO

GRAPHICS OPTIONS
 graphics mode      : CUSTOM
 GL driver          : DEFAULT
 GL extensions      : ON
 video mode         : 1024 x 768
 color depth        : 16-BIT
 full screen        : ON
 lighting           : LIGHTMAP
 geometric detail   : HIGH
 texture detail     : 3(NORMAL) or 4(HIGH)
 texture quality    : 16-BIT
 texture filter     : TRILINEAR
QUAKE3 Version 1.07での計測
videoclocktexture detailq3testdemo1.dm3q3testdemo2.dm3
Voodoo2 SLI105NORMAL35.256.2
Voodoo2 SLI105HIGH17.118.0
Voodoo3 3000183NORMAL33.449.9
Voodoo3 3000183HIGH26.635.2
texture detailは4段階あり HIGH は最高レベル、NORMAL はそれより1つ低いレベルを示します。

texture detailが NORMALのときにVoodoo2 SLIが若干良い値を示しています。
トータルバランスではVoodoo3 3000が良く、画面のエフェクトなどもVoodoo3 3000の方が 美しく描画されます。
しかし、この設定では快適な対戦ができるとは思えません。
現行システムで全てを高品質にするのは厳しいようです。
先のid Softwareのオフィシャル設定を参考に各自の環境にあわせたチューニングが必要と 思われます。

Voodoo3のドライバのアップデート(3DFXOGL.DLLのアップデートを含む) やQUAKE3のアップデートなどもあり、新しいシステム構成で計測してみました。
QUAKE3の設定は上記に準拠しています(高画質・高音質設定) 。
今回の計測では CPU がPentiumIII 672MHz (112MHz x 6)で、 Voodoo3 3000 AGP の動作クロックが188MHzとなっています。

QUAKE3 Version 1.08での計測
resolusiontexture detailq3demo1.dm3q3demo2.dm3
640x480HORMAL72.758.2
640x480HIGH70.357.2
800x600NORMAL65.146.6
800x600HIGH59.544.9
1024x768NORMAL49.034.4
1024x768HIGH42.230.3

解像度が低ければtexture detailがHIGHであってもフレーム落ちは少ないようですが、 q3demo2.dm3ではどの解像度でもフレーム落ちをしているように見えました。
テクスチャバッファに割り当てるメモリを多くすると改善していくように見えます。
また、前回の計測環境と大きく異なりますがかなりの改善を見ることができます。
3DFXOGL.DLLの改良の成果かもしれません。
とはいえ、QUAKE2のときのような快適性は得られないことにはかわりないようです。


画面品質について
今回画質についてもチェックしてみました。
特筆すべきはVoodoo3 3000でのsky textureやlight flareでVoodoo2 SLIに有ったマッハバンド が発生せずディザ効果によって違和感無く表現されています。

効果を確認する為、スクリーンショットを取りました。


Voodoo2 SLIの場合
JPG 151K

Voodoo3 3000の場合
JPG 151K


Voodoo3 3000の場合(エフェクトオプションでチューニング)
JPG 89K

天井のライトに注目して下さい。
16bit color出力が問題視されているVoodooカードですが、3dfx社はディザによって 不自然なマッハバンドの発生を押えるようにしたようです。
これはMatrox社のG200などでも行われています。

3番目の画像は「Voodoo Power 3」を利用してエフェクトが美しくなるように チューニングしたものです。
ライト部分がより自然なグラデーションになっています。
壁のディテールやロケットラウンチャの表面がより滑らかに表現されています。

written by pentium 1