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美味キノコのチタケ採りは命懸け

 栃木県内で、12日に野生食用キノコのチタケ採りの途中で転落した事故2件が発生し、13日までに男性2人の遺体が相次いで発見された。今年だけでチタケ採りで9件の事故が起こり、6人が命を落とした。47都道府県で唯一、栃木だけにチタケを食べる習慣があり、特に今年は大量自生しているため、事故に遭遇する確率が高いという。県警本部では、帰省の集中する週末に入山する人への注意喚起を強化するなど、対策に追われている。

 13日午前7時45分ごろ、日光市の山林で栃木市の無職猪股美三郎さん(73)が死亡しているのを今市署員が見つけた。また12日午後8時ごろ、鹿沼市を流れる東大芦川の浅瀬で壬生町の無職星野一雄さん(79)も遺体で発見された。ともに頭を強く打ったことが死因とみられている。2人ともそれぞれの家族に「チタケを採りにいく」と告げて12日朝に山に向かったという。県警では、がけから転落したことが死因とみている。

 今年はすでにチタケ採りで入山した事故が9件発生し、そのうち6人が死亡している。県警本部地域課に「毎年夏になるとチタケ採りで事故が起こるが、今年は犠牲者が多すぎる。山の入り口に警察官を配して注意喚起するようにした」と急きょ対策を打った。頭部を強打して死亡する例がほとんどなので、チタケ採りの人にはヘルメット着用を勧めているという。

 なぜ、栃木ばかりで事故が発生するのか?

 チタケは沖縄以外の日本全土で採取できるが、食用とするのは栃木県民だけ。日本特用林産振興会(本部・東京)が任命する栃木県在住の「きのこアドバイザー」の舘野孝良さんは「きのこの食用は地域性があって、栃木県民は幼いころからチタケを食しているため、味がDNAに刷り込まれているといっても過言ではない」と断ずる。食感はボソボソして、やや乳臭い。「お盆のころに採れるので、帰省する出身者はチタケでダシをとったそばを食べて帰ってきたことを実感できるんです」と、舘野さんはしみじみと解説した。

 かつてはどこでも採れたチタケだったが、雑木林が減少し生域が山奥になり、斜面などの危険な場所に群生するため最近は夏の事故が発生していた。特に今年は長梅雨だったことから、チタケの育成がよく、入山する数が多かったこともあって事故の発生確率が高くなっていた。

 県警では「今はちょうど帰省のピーク。とれたてを食べさせたいおじいちゃんが子どもや孫のために入山するだろう。この土日は気を引き締めたい」と緊張感を高めている。

 [2010年8月14日9時40分 紙面から]


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