50年後、コメは増収? 高濃度CO2で栽培実験50年後には大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が現在の約1・5倍になると想定し、その環境で稲の生育や収穫量はどうなるかを調べる実験を、農業環境技術研究所などが茨城県つくばみらい市で進めている。 石油など化石燃料への依存が続けばCO2濃度が高まるほか、気温上昇や土壌の変化など自然環境は現在と大きく異なると予想される。実験は5年計画で、さまざまな条件で栽培した最初の収穫が9月に予定されている。 同研究所大気環境研究領域の長谷川利拡上席研究員は「将来の環境に適した品種開発や栽培法確立などに役立てるほか、食糧生産予測の精度向上にも役立てたい」と話している。 実験場所の水田は広さ5千平方メートル。CO2を高濃度にする区画は密閉はせず、囲んだチューブからCO2を放出、濃度を通常の約1・5倍の約590ppmに調節している。水温の高さや肥料の量など、さまざまな条件の場所を作り、コシヒカリなど約30品種を栽培している。 光合成で栄養を作る植物にはCO2上昇は有利とみられ、岩手県雫石町で11年間続けられた同様の実験では、平均で約14%増収となった。 【共同通信】
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