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【社会】

チタケ採り、無理は禁物 栃木県内で滑落多数

2010年8月14日 夕刊

栃木県民しか食べないといわれるキノコ「チタケ」

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 栃木県民しか食べないといわれるキノコ「チタケ」を採りに山へ入り、滑落する事故が同県内で相次いでいる。毎年二、三人が亡くなっているが、今年は既に六人が滑落死。危険と知りつつも山に踏み入る理由は、「マツタケ以上」といわれるコクと香り高いだしが取れることにあるようだ。

 チタケは薄茶色や赤茶色の傘で、コナラやマツがある場所に生える。そのまま食べるとボソボソした食感で、だしを取るのが一般的。栃木県きのこ同好会副会長の舘野孝良さん(60)によると、シーズンは七月中旬から八月下旬。

 「栃木県は平地林が多く、子どものころは簡単に採れた」と舘野さん。しかし燃料用の木の葉を集めることがなくなったため、平地林の手入れがされなくなり激減。近年は山奥に入らないと採れなくなった。

 ナスと煮込んだチタケが入る「ちたけそば・うどん」は人気の郷土料理。栃木県高根沢町のうどん店店主大木利夫さん(63)も「だしの味と香りに引かれるから」と、自ら山奥に入りチタケを採ってくる。

 県警によると、同県日光市の山林で十三日、チタケ採りの男性(73)が斜面から滑落して死亡しているのが見つかった。今年はこれまで六人が死亡。二〇〇八年の三人、〇九年の二人を上回るペースに、県警は「危険な場所には入らないように」と注意を呼び掛けている。

 

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