南アW杯:日本代表、オランダに惜敗 サムライあと一歩

2010年6月19日 23時46分 更新:6月20日 1時13分

オランダに敗れ、落胆するパブリックビューイング会場のサポーター=国立競技場で2010年6月19日午後10時19分、久保玲撮影
オランダに敗れ、落胆するパブリックビューイング会場のサポーター=国立競技場で2010年6月19日午後10時19分、久保玲撮影

 無念の惜敗。だが、次がある--。サッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会で、日本代表は19日、世界ランキング4位の強豪・オランダ代表と対戦。一進一退の攻防を見せたが、1点差で惜しくも敗れた。14日の初戦・カメルーン戦で前評判を覆す快勝を演じ、一気にヒートアップしたW杯熱。この日も、港町・ダーバンのスタジアムで、サポーターや家族が集まった国内各地で、ニッポンコールが鳴り響き、サムライニッポンの健闘をたたえた。

【馬場直子、西田真季子、村上尊一、ダーバン(南アフリカ)安高晋】

 1点差を追う終了間際、DF田中マルクス闘莉王(とぅーりお)選手まで最前線へ。オランダ攻撃陣に対応するため、試合中に守備位置を移したサイドバック長友佑都(ゆうと)選手が右サイドを駆け上がる。途中出場のFW岡崎慎司選手のシュートはバーのわずか上。ブブゼラの音と歓声と悲鳴が交錯する中、終了を告げるホイッスルが鳴った。

 その瞬間、岡田武史監督は腰に手をあてピッチに向け仁王立ち。守備の要・中沢佑二選手はインタビューに短く答えた。「とにかく次勝つことしかない」。長友選手も「落ち込んでいる暇はない」と前を見据えた。

 国内も熱く燃えた。「パブリックビューイング」が開かれた国立競技場(東京都新宿区)には、約1万9000人のサポーターが集結。サムライブルーの代表ユニホームを着たサポーターらで最上階までいっぱいに。

 後半開始直後に失点しても、観客は総立ちで「ニッポン」コールを連呼。試合終了時には「ああー」と、ため息が広がった。千葉県柏市の会社員、成田麻美さん(34)は涙をふきながら「最後はチーム一丸でがんばってくれた」。東京都豊島区の会社経営、福山正道さん(24)は「最後まで勝てると思うほど勢いがあった。次は勝てると信じています」と決勝トーナメント進出に望みをつないだ。

 GK川島永嗣選手の母校、埼玉県立浦和東高校(さいたま市)。恩師の野崎正治監督(50)や現役サッカー部員約150人が集まった。野崎監督は「高校時代から変わらない闘志を前面に表すプレーで堅実に守ってほしい」と話しつつ、試合が始まると、腕を組み厳しい表情でテレビ放映を凝視。川島選手が終盤、1対1のピンチを身を投げ出して防ぐと、部員たちがメガホンをたたいて歓声を上げた。

 一方、マナーが問われるケースも。東京・渋谷では、初戦直後の15日未明、若者が花火を打ち上げるなどの騒ぎがあったため、警視庁はこの日、数百人体制で警戒にあたり、後半30分ごろからは交通規制も行った。

 この日も携帯電話で観戦するサポーターらが集まったが、試合終了後には、太鼓や手拍子に合わせて雄たけびをあげ、手持ちの照明具を投げたりする若者も。警告に従わなかった若者が取り押さえられ、交番に連行された際、仲間が署員に詰め寄るなどして一時騒然とした。

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