2010年6月18日 11時41分 更新:6月18日 12時18分
多重債務問題の解消を目的とした改正貸金業法が18日、完全施行された。個人の借入総額を年収の3分の1までに制限する「総量規制」が導入されるほか、出資法の上限金利を29.2%から20%に引き下げ、「グレーゾーン金利」を撤廃する。
改正貸金業法は06年12月に成立し、段階的に施行されてきた。金融庁によると、今回の完全施行で貸金業者の借り手約1420万人のうち約700万人が総量規制に引っかかり、新たな借り入れができなくなる見込み。収入のない専業主婦の借り入れには、配偶者の同意書や収入証明書の提出が必要になる。
しかし、同庁の3月の調査では、総量規制を「知っている」とした人は41.6%にとどまる。完全施行を知らないまま突然借り入れできなくなるなどの混乱も懸念されており、多重債務者の自助・支援者団体「全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会」(電話03・5207・5507)が相談を受け付けている。【中井正裕、遠藤和行】