2010年6月17日 23時42分 更新:6月18日 0時36分
羽田空港の新滑走路完成に伴い拡大する国際線の深夜早朝(午後11時~翌日午前6時)の発着便について、全日空は17日、羽田-ロサンゼルス、ホノルル、シンガポール、バンコクの4路線を開設する方針を固めた。アメリカ路線については18日にも、国土交通省にユナイテッド航空との日米路線の運営について、独占禁止法の適用除外(ATI)を申請。一体運営で便数やダイヤの効率化を進める。
発着枠に制限のある羽田空港の国際線は現在、東アジア向けチャーター便に限って運航が許可され、全日空は日本航空などとともにソウル、香港、上海、北京の4路線に就航している。10月31日から新滑走路の供用が開始され、深夜早朝の時間帯に限り、欧米や東南アジアにも就航できることになった。
全日空はすでに羽田-台北線の新規開設のほか、チャーター便で運航する4路線の定期便格上げを決めており、羽田からの国際線は計9地点になる見通し。羽田発着の米国線については、日航分も含めた全4便の割り当てを求めていたが、国交省が認めず、日航と2便ずつ分け合うことになった。
ライバルの日航もすでに深夜早朝にサンフランシスコ、ホノルル、バンコク、パリの4路線を開設。昼間は全日空と同様、台北の新規開設のほか、ソウル、香港、上海、北京の4路線の定期便格上げなど計9地点に就航することを決めている。18日にアメリカン航空とのATIを国交省に申請する。
このほか、深夜早朝では、羽田-米国間はデルタ航空がロサンゼルスとデトロイト、アメリカン航空がニューヨーク、ハワイアン航空がホノルルに就航予定。シンガポール航空やエアアジア(マレーシア)も参入表明している。キャセイ航空(香港)は東アジア向けのため昼間に参入する予定で、10月以降、羽田の国際化が一気に進みそうだ。【寺田剛】