2010年6月16日 21時37分 更新:6月16日 23時14分
第174通常国会は16日閉会し、与野党は参院選(6月24日公示、7月11日投開票)へ向け事実上の選挙戦に突入した。昨年の衆院選で政権交代を果たした民主党にとっては、初めて政権への審判を受ける国政選挙となる。米軍普天間飛行場移設の迷走と「政治とカネ」問題の責任を取って鳩山由紀夫前首相が辞任し、後を継いだ菅直人首相は「本格政権」構築を掲げて参院選に臨む。自民党など野党は与党過半数割れによる「ねじれ国会」の再現を目指し、政権批判を強めている。
国会最終盤は、支持率回復を受け参院選の早期実施へかじを切った民主党と、会期延長を求める野党との攻防となった。自民党は16日、衆院に内閣不信任決議案を提出したが与党と社民党の反対多数で否決。参院にもほかの野党と共同で首相と荒井聡国家戦略担当相の問責決議案、江田五月議長の不信任決議案を提出したが審議されないまま閉会となった。
通常国会が会期延長せず150日間で閉じるのは06年以来。10年度予算が戦後5番目の早さで成立するまでは順調だった与党の国会運営も後半つまずき、首相交代による審議中断もあって政府提出法案の成立率は戦後最低の55.6%だった。
政府は16日夜、臨時閣議を開き、7月11日投開票の参院選日程を正式に決定。菅首相は記者団に「残された法案は参院選後の臨時国会でしっかり通していきたい」と政権継続へ自信をみせた。自民党の谷垣禎一総裁は「従来の政権の何を引き継ぎ、何を変えるのか明らかにしないで選挙に突っ込む実態を国民に明らかにする」と与党の対応を批判した。
参院選は定数242の半数121(選挙区73・比例代表48、任期6年)が3年おきに改選される。16日現在、毎日新聞の調べで選挙区に245人、比例代表に172人の計417人が立候補を予定。民主106人、自民84人、共産64人、みんな42人などで、民主が初めて自民を上回る見通し。1政党が100人以上を擁立するのは62年の自民党以来。「第三極」勢力の積極擁立もあり、全体では01年以来9年ぶりに400人を超える混戦模様だ。【大場伸也】