東証:約1カ月ぶり1万円台を回復 輸出株中心に買われる

2010年6月16日 20時47分 更新:6月17日 0時18分

 東京株式市場の日経平均株価は16日、終値ベースで5月20日以来約1カ月ぶりに1万円台を回復した。欧州の信用不安が一服し、前日の米株価が急反発したことで投資家心理が改善。為替相場が円安にふれたことも追い風となり、輸出関連株を中心に幅広い銘柄が買われた。

 日経平均の終値は前日比179円26銭高の1万67円15銭、東証株価指数(TOPIX)は同13.55ポイント高の892.38。

 巨額の財政赤字を抱えるスペインなどの国債入札が15日、順調に進んで、同日の米ニューヨーク株式市場ではダウ工業株30種平均が200ドル超上昇した。

 16日の東京市場はこの流れを継ぎ、取引開始直後に日経平均が1万円台を回復。外国為替市場でユーロが買い戻され、円相場が1ユーロ=112円台後半と円安にふれたことも好材料となり、自動車株などが買われた。日経平均の上げ幅は一時、200円を超えた。

 日経平均は年初来安値をつけた9日を底に5営業日連続で上昇した。ただ、みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリストは「欧州の信用不安は一時的に薄らいでいるが、問題の火種は残り、再び1万円台を割り込む事態も考えられる」とみる。市場では「菅政権の経済政策運営を見極めたい」と一段の買いに慎重な姿勢も根強い。【大久保渉】

top
文字サイズ変更
この記事を印刷

PR情報

アーカイブ一覧

 

おすすめ情報

注目ブランド