2010年6月16日 11時31分 更新:6月16日 13時47分
【ワシントン古本陽荘、ロサンゼルス吉富裕倫】オバマ米大統領は15日夜(日本時間16日朝)、メキシコ湾の原油流出事故について、ホワイトハウスの大統領執務室からテレビ演説した。今回の原油流出事故を「米国が直面した史上最悪の環境災害」と明言。そのうえで「伝染病のようにはびこるもので、数カ月、数年かけ戦っていく」と語り、長期間にわたり対策が必要との考えを強調した。
歴代大統領は重要局面における演説で、大統領執務室を使ってきたが、オバマ大統領が執務室から演説を行うのは初めて。
大統領は演説で、野生動物の生息地を直撃し生態系への影響が懸念されている事故の対策として、「メキシコ湾岸長期復興計画」を策定することや、事故を起こした油田の採掘権を持つ英石油メジャーBP社の出資により被害補償のための預託基金設置などを発表した。
一方、米政府の科学チームは15日、この事故で、海底油田からの推定流出量が1日あたり3万5000~6万バレル(最大約950万リットル)に上ると発表した。事故直後の推定量の60倍にあたる上方修正。
4月20日の事故発生以来の流出量は最大276万バレルで、アラスカ州沖で89年に起きたタンカー座礁事故による25万バレルの原油流出の10倍を上回り、米史上最悪の記録を大きく塗り替えている。