2010年6月15日 0時38分 更新:6月15日 2時31分
○日本1-0カメルーン●(14日、E組)
「金髪の異端児」が、ひときわ輝いた。前半39分、松井の右クロスを遠いサイドで受けると、トラップして左足でけり込み、待望の先制点を奪った。「向こうが決めるかこっちが決めるか」と話し、得点で自らの地位を築き上げてきた24歳が、大舞台で結果を残した。
代表で急速に存在感を増してきた2年間だった。代表デビュー戦は08年6月22日のバーレーン戦。ゴール前の絶好機で空振りし、観客のため息を誘った。その後もチャンスを与えられながら力を発揮できない。同年にあった北京五輪でも不発に終わった。注目されるのは歯にきぬ着せぬ発言ばかり。しかし、オランダ、そしてロシアでの経験が糧になった。
「外国では、得点でしか評価されない」。献身性といった日本人の「美徳」が通じない世界。「数字でしか価値を見いだせない」と語ったこともあるほどゴールに執着し続け、そしてW杯の舞台で射止めた。【江連能弘】