【パンドラ映画館79】米軍に実在した"超能力部隊"の真実!? ムー民、必見『ヤギと男と男と壁と』
2010年08月10日18時30分 / 提供:日刊サイゾー
細木数子がテレビから消えたと思ったら、お次はパワースポットブーム。日本人は、スピリチュアルねたが大好き。もちろん米国にもそちら系の信仰者は少なくないわけで、米国陸軍には"第一地球大隊"という名称の超能力部隊が80〜90年代に実際に存在したそうだ。じっと見つめるだけで、ヤギの心臓が止まってしまう恐ろしいサイキックソルジャーも所属していたというからスゴい! 2004年に出版された『実録・アメリカ超能力部隊』(文春文庫)は、英国のジャーナリストであるジョン・ロンスンが"第一地球大隊"の関係者たちを取材して回ったノンフィクション小説。70年代末から準備がすすめられた"第一地球大隊"のプロジェクトは、当時大ヒット中だった映画『スター・ウォーズ』(77)にちなんで"ジェダイ計画"と命名され、戦わずして世界を平和に導くスーパー戦士の育成に力を注いだという。この本にオカルト雑誌『ムー』(学研)の読者ムー民よりも早く飛びついたのが、ハリウッドの大物俳優ジョージ・クルーニー。自ら主演&プロデュースを買って出て、『スター・ウォーズ』シリーズでおなじみユアン・マクレガーや、ジェフ・ブリッジス、ケヴィン・スペイシーら実力派キャストを集めて、『THE MEN WHO STARE AT GOATS』(邦題『ヤギと男と男と壁と』)として映画化した。
03年、ミシガン州の地方紙記者ボブ(ユアン・マクレガー)は妻の浮気を知り、傷心を抱いたまま、戦時下のイラク取材を志願。道中のホテルで米国人リン・キャシディ(ジョージ・クルーニー)と知り合う。この男こそ、超能力部隊に所属し、"ヤギ殺し"として恐れられたサイキックソルジャーだったのだ。自分はジェダイ戦士であると名乗るリンによると、「世界の紛争地にパラシュートで降り立ち、キラキラ目線や平和の象徴である音楽や小動物を使って争いを解決すること」がジェダイ戦士の使命だそうだ。なんだかな〜。キラキラ目線とは、ニッコリ微笑むだけで相手の戦意を喪失させてしまうジェダイ戦士の必殺技。その他、ジェダイ戦士は必要とあれば、自分の姿を相手から見えなくすることも、壁を通り抜けることも可能らしい。出会ってすぐは「特ダネ、いただき!」とリンにすり寄ったボブだが、もうこのへんの話になると呆れて返す言葉もない。
自分こそは超能力戦士と信じて疑わないリンと半信半疑で行動を共にすることになったボブとのロードムービーとして展開する本作だが、角川春樹プロデューサーの半自伝的アニメ『幻魔大戦』(83)や"幸福の科学"が製作した宗教戦争アニメ『仏陀再誕』(09)みたいなド派手なサイキックバトルを期待していると肩すかしを食らうので用心のほどを。『幻魔大戦』や『仏陀再誕』の実写版というよりは、『ゴーマニズム宣言』で知られる小林よしのりの初期の人気作『異能戦士』に近い、脱力系コメディなのだ(本筋から脱線するが、『異能戦士』はヒロインの知世ちゃんが超ラブリーだった。石原さとみ主演で誰か実写化してくれないだろうか)。
映画の中でも描かれるが、このトンデモ系超能力部隊が80年代に発足したのは、ベトナム戦争で米国が深いキズを負ったという社会的背景があった。ベトナムに従軍した新兵のうち80〜85%は敵兵に遭遇しても忙しいふりをして発砲しないか、もしくは標的に当たらないように射撃していた。そして残りの15〜20%のうち、2%はもともと戦場に着く前から精神的に問題があった人間で、そうでなかった兵士たちは敵兵を殺すことを目的で射撃した自分の行為に苦しみ続けたという調査結果が出ている。『実録・アメリカ超能力部隊』の中心人物であるジム・チャノン中佐もベトナムから帰還後に鬱病を患うが、その後ニューエイジ思想にどっぷり浸かり"敵を武力で傷つけることない愛と平和の軍隊"としての超能力部隊の設立を軍の上司に申請する。折しもソ連の超能力兵士が念力による大統領暗殺を企んでいるという噂が米軍上層部の耳に入り、ジェダイ計画にGOサインが出たという経緯があった。
03年、ミシガン州の地方紙記者ボブ(ユアン・マクレガー)は妻の浮気を知り、傷心を抱いたまま、戦時下のイラク取材を志願。道中のホテルで米国人リン・キャシディ(ジョージ・クルーニー)と知り合う。この男こそ、超能力部隊に所属し、"ヤギ殺し"として恐れられたサイキックソルジャーだったのだ。自分はジェダイ戦士であると名乗るリンによると、「世界の紛争地にパラシュートで降り立ち、キラキラ目線や平和の象徴である音楽や小動物を使って争いを解決すること」がジェダイ戦士の使命だそうだ。なんだかな〜。キラキラ目線とは、ニッコリ微笑むだけで相手の戦意を喪失させてしまうジェダイ戦士の必殺技。その他、ジェダイ戦士は必要とあれば、自分の姿を相手から見えなくすることも、壁を通り抜けることも可能らしい。出会ってすぐは「特ダネ、いただき!」とリンにすり寄ったボブだが、もうこのへんの話になると呆れて返す言葉もない。
自分こそは超能力戦士と信じて疑わないリンと半信半疑で行動を共にすることになったボブとのロードムービーとして展開する本作だが、角川春樹プロデューサーの半自伝的アニメ『幻魔大戦』(83)や"幸福の科学"が製作した宗教戦争アニメ『仏陀再誕』(09)みたいなド派手なサイキックバトルを期待していると肩すかしを食らうので用心のほどを。『幻魔大戦』や『仏陀再誕』の実写版というよりは、『ゴーマニズム宣言』で知られる小林よしのりの初期の人気作『異能戦士』に近い、脱力系コメディなのだ(本筋から脱線するが、『異能戦士』はヒロインの知世ちゃんが超ラブリーだった。石原さとみ主演で誰か実写化してくれないだろうか)。
映画の中でも描かれるが、このトンデモ系超能力部隊が80年代に発足したのは、ベトナム戦争で米国が深いキズを負ったという社会的背景があった。ベトナムに従軍した新兵のうち80〜85%は敵兵に遭遇しても忙しいふりをして発砲しないか、もしくは標的に当たらないように射撃していた。そして残りの15〜20%のうち、2%はもともと戦場に着く前から精神的に問題があった人間で、そうでなかった兵士たちは敵兵を殺すことを目的で射撃した自分の行為に苦しみ続けたという調査結果が出ている。『実録・アメリカ超能力部隊』の中心人物であるジム・チャノン中佐もベトナムから帰還後に鬱病を患うが、その後ニューエイジ思想にどっぷり浸かり"敵を武力で傷つけることない愛と平和の軍隊"としての超能力部隊の設立を軍の上司に申請する。折しもソ連の超能力兵士が念力による大統領暗殺を企んでいるという噂が米軍上層部の耳に入り、ジェダイ計画にGOサインが出たという経緯があった。
| 1 | 2 |
Ads by Google
コメントするにはログインが必要です
関連ニュース:超能力
- セク○ス中にまさかの人体発火。
日刊テラフォー 07月29日17時00分(4)
- "歩く伝説"山本又一朗プロデューサー 小栗旬初監督作の舞台裏を存分に語る!
日刊サイゾー 08月01日15時20分(1)
- 映画『七瀬ふたたび』予告編初公開!芦名星、銃弾浴び、サトエリ逃げる大ピンチ!
シネマトゥデイ 07月28日12時38分(1)
- ジョージ・クルーニーがヤギを相手に実験するのはなぜ?
東京ウォーカー 08月13日19時00分
- 映画批評『ヤギと男と男と壁と』映画ジャッジ!映画批評 08月13日10時00分
|
179円
livedoor BOOKS
|
1,050円
楽天ブックス
|
4,057円
livedoorデパート
|
179円
livedoor BOOKS
|
エンタメアクセスランキング
- 【エンタがビタミン♪】「会いたくて、会いたくて……」磯野貴理、離婚後の心境を歌で表現。Techinsight Japan 12日17時00分(10)
- 「太田総理」退陣後の身の振り方 「お笑い」から文化人路線?
J-CASTニュース 13日20時29分(52)
- 辻希美がブログコメント欄閉鎖 夫も過去に閉鎖R25.jp 13日11時00分(4)
- 山口もえの離婚危機が本格化!? 続々報じられる夫・尾関氏の金銭疑惑とハレンチな過去
日刊サイゾー 14日08時20分(2)
- 宇多田ヒカル 無期限休養の真相ゲンダイネット 13日17時00分(8)
- 岡村休養中ながらオカレモンパンは人気!blogram通信 14日08時00分
- NHK大河ドラマで鈴木保奈美が復活 そのウラ事情
リアルライブ 12日21時00分(23)
- 雛形あきこ 嫌な予感的中しアキコ・デラックスに変身
アメーバニュース 13日09時34分
- "元エース"前田敦子 AKB48総選挙惨敗で主演ドラマ計画が頓挫
日刊サイゾー 13日11時20分(2)
- あいのり復活!! スキャンダル暴露の過去メンバーやヤラセ批判もメンズサイゾー 14日08時00分(1)
注目の情報
No.1⇒定番の大型液晶TVから、PC、家電、ゲーム機が激安価格で落札!
No.2⇒もちろん全て新品・メーカー保証書付きの正規品です!
No.3⇒新規無料登録で、5回分の入札コインを全員にプレゼント!
詳細はコチラ