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妻殺害起訴の男、再逮捕 ドラム缶に遺体、住民衝撃 静岡

2010.8.14 02:30

 ドラム缶の中の遺体は、行方不明となっていた女性だった。13日、妻を殺害したとして起訴された桑田一也容疑者(44)=詐欺罪で公判中=が、元交際相手をも殺害したとして再逮捕された事件。遺体は空き地に長年“放置”されていたことになり、付近の住宅街の住民らは一様に驚きの様子を見せた。県警捜査1課は御殿場、沼津両署と合同捜査本部を設置、事件の全容解明に乗り出した。

 「遺体をドラム缶に入れて捨てた」。桑田容疑者の供述に基づき捜索に乗り出した県警は12日夕方、沼津市東原の空き地に放置されたドラム缶の中から、青いビニールシートにくるまれ一部白骨化した遺体を発見。損傷が激しかったが、指紋を照合し住所・職業不詳の日比野かおりさん=当時(22)=と判明した。

 調べでは、風俗店に勤務していた日比野さんは平成14年ごろ、勤務先の店で桑田容疑者と知り合ったとみられる。桑田容疑者は17年10〜11月ごろ、沼津市西椎路の自宅アパート室内で日比野さんを絞殺。18年になって日比野さんの遺体を遺棄したとされ、遺体は4年間にもわたり隠匿され続けたことになる。

 「(空き地は)草がぼうぼう。ドラム缶の中なら誰も気づかない」。現場は、近くに田畑が広がる住宅街の一角。遮る物もなく見通しも利き、雑草が生い茂る中でナンバープレートがはずされた数台の廃車が放置されていた。近くに住む農家の男性(76)は、「朝は通勤人らで人通りが多いのだが」としながらも、穏やかな街に生じた“死角”の存在に衝撃を受けていた。

 別の会社経営の男性(34)は「この空き地では以前、中古車を売っていた。のどかな町でこんなことが起きるとは」と声を詰まらせていた。

 桑田被告が妻の殺害以前にも、別の女性を魔の手にかけていた事実が明らかになる端緒となったのは、日比野さんの母親の届け出だった。日比野さんの母親は、報道で桑田被告が殺人容疑で逮捕されたことを知ると、「この人は確かうちの娘と交際していた相手だ。もしかしたら」と御殿場署に相談したという。

 桑田容疑者は日比野さん殺害について、妻殺害の動機と同様に、金銭をめぐるトラブルを供述。合同捜査本部は、失踪(しっそう)前後に日比野さんの預金口座からは数回にわたり現金計2千万円が引き出されていることから、桑田被告の犯行動機をさらに追求する方針だ。

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