静岡県沼津市で住所、職業不詳の日比野かおりさん(当時22)が遺体で見つかり、元交際相手で同県清水町のリフォーム業、桑田一也容疑者(44)=別の殺人罪などで起訴=が殺人容疑で逮捕された事件で、日比野さんの銀行口座から約2千万円が引き出されていたことが、捜査関係者への取材でわかった。桑田容疑者は現金の引き出しを認める供述をしているという。
桑田容疑者は別の詐欺事件で起訴され、その公判で検察側から約4千万円の借金があったと指摘されている。静岡県警は日比野さん殺害事件についても、桑田容疑者が金銭目的で犯行に及んだ可能性があるとみて調べている。
また、捜査関係者によると、日比野さんの携帯電話から、殺害されたとみられる2005年秋以降もメールが送信されていたことがわかった。日比野さんが05年に行方がわからなくなった後も、携帯電話が使える状態が続き、家族とメールのやりとりがあったという。06年春に連絡が途絶え、約4カ月後の同年8月に家族は警察に捜索願を出した。捜査本部は、桑田容疑者が犯行後、事件の発覚を遅らせるため日比野さんを装ってメールを送っていた可能性もあるとみて調べている。
県警によると、桑田容疑者は05年10〜11月ごろ、当時暮らしていた沼津市のアパートで、日比野さんの首を絞めて殺した疑いが持たれている。県警の調べに対し「金の問題でけんかとなり、首を絞めた」と話しているという。
県警の捜査で、日比野さんが殺害されたとみられる05年10〜11月ごろ、日比野さんの口座から複数回にわたり預金が引き出されたことが確認されているといい、桑田容疑者は日比野さんの口座から金を引き出したことを認めているという。