最終更新: 2010/08/14 07:20

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スーダン南部で今まで貧しかった住民たちも豊かさをつかもうと動き始めています。

スーダンは、復興への波に乗って成功者が出始める中、南部地域は新たなビジネスチャンスを見逃すなと、落ち着きのない熱気に包まれています。

長い内戦を経た今、復興バブルに沸くスーダン南部は、好景気への期待に沸いている。
郊外では、今まで貧しかった住民たちも豊かさをつかもうと動き始めていた。
北部からの独立を占う住民投票を半年後に控えたアフリカ・スーダン南部。
スーダン・ジュバでは、道路工事を盛んに行っている。
こうしたインフラ整備は、外国からの援助で行われているが、人やものが集まったことで、南部の中心地ジュバは、ビジネスと消費の場へと様変わりした。
景気の良さは、街のいたるところで見てとれる。
洋裁店を営む女性は「ここに来て人生が変わったわ!」と話した。
市場で洋裁店を営むこの女性は、タンザニアからの出稼ぎだという。
飲料品店・店主は「(毎日たくさんのお客が来る?)はい、たくさん来ます。ジュバはビジネスには良い環境ですよ」と話した。
市内では人が増えたことで、飲料品といった商品の需要もうなぎ上りだという。
スーダン南部では、わずか5年前まで、南北間での内戦が20年以上続き、400万人を超える人々が難民化、地域のインフラは破壊された。
しかし現在、舗装された市の中心部の路上には、市民たちの車が行き交う。
さらに、インフラ整備は現地で雇用を生み出し、仕事のなかった人々に、現金収入の道を開いた。
各国によるこの急速な援助の影には、スーダン南部に眠る油田開発への思惑がからんでいるとされている。
ジュバ市民は「ほかの国では年1,000ドルも稼げなかったけれど、ここでは月に3,000〜4,000ドル稼げるんです」と話した。
復興バブルに沸く都市部。
だが、その郊外に出ると、未舗装の道路沿いに、貧しげな露店などが並んでいる。
そんな中、取材班は、道端で奇妙な光景に出会った。
石や岩が、岩山の下にうずたかく積まれていた。
岩山から石を切り崩して、細かく砕いて砂利にし、建築資材として利用している。
住宅建設や道路工事など、今、スーダン南部で砂利が大量に使われている。
人々は山の上に登り、岩山から砂利の原料となる石を切り出していた。
その切り出し方は、極めて原始的なものとなっている。
時には火を使い、熱で岩をもろくする工夫もしているが、なかなか割れそうにない岩もある。
やっと割られた岩は、ふもとまで下ろされ、砂利などに加工され、山と盛られる。
ここは岩や砂利の市場だった。
石を売る男性は「あれが一番大きいやつだよ」と話した。
石1山で、日本円にしておよそ1万4,000円余りとなっている。
石を売る男性は「(あなたたち以外で売っている人はいる?)いますよ、あっち側とかにもいます」と話した。
こうした岩山を砂利にする仕事は、付近の住民が自然に始めたものだという。
さらに南に向かった取材班は、ある村へ到着した。
ここでは、日本の団体に支援された、現金収入を得るプロジェクトが進行中だという。
指導員は「油を入れてください。1リットルのメモリをよく見てね」と話した。
村人が見守る中、薬品を加えると、油は茶色い粘り気のある液体に変化した。
そして、この液体を木の枠に流し込み、プラスチックの板で区切る。
作っていたのは、「シア」という木の実から作るせっけんなどで、こうした製品は、地元はもちろん、日本などでも人気が高い。
貧しい村でも現金収入が得られるように、日本の援助団体が2009年から始めたという。
国際協力機構の鶴井 視記子さんは「一緒に働いているスーダン人のこの仲間たちも、最初はやっぱり彼らも紛争で全然仕事をしたことがなかったんですね。彼女たちの変化を見ることがすごくやっぱり、やっていて楽しいなというふうに思います」と話した。
参加した村人は「もっと収入が増えるように頑張ります」と話した。
2011年、スーダン南部は、住民投票で、北部から独立する意思を示すとみられている。

(08/14 01:56)


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