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【プロ野球】

虎3連発で奪首 85年も03年もV、吉兆だ

2010年8月13日 紙面から

◆阪神10−6広島

 広島の夜空に咲いた鮮やかすぎる猛虎3連続花火。重いムードを吹き飛ばし、エンジンを再点火させるにはこれ以上ないものだった。2点ビハインドの6回。無死一、二塁のチャンスで打席には城島。期待を一身に集める中、描いたアーチが新たな歴史の始まりだった。

 実は初球は送りバントのサイン。だが失敗し、サインは「打て」に変更されていた。「中途半端はあかんと。思い切って振った」。2回に20号ソロ。阪神では田淵幸一氏が1978年に記録して以来、実に32年ぶりの捕手20本塁打に到達した男のバットが、期待通りに本塁打を生み出した。

 起死回生の21号逆転3ラン。余韻さめやらぬ中、続く桜井も城島と同じ左翼席へアーチをかけた。沸きに沸く阪神ベンチ。だが、至高の瞬間はその後だった。なんと代打の狩野も左翼席へぶち込んだ。左翼席3連発。打線は勢いづき、この回一挙7得点で形勢を逆転した。

 3連発と言えば思い起こされるのが、85年4月17日にバース、掛布、岡田が描いた伝説のバックスクリーン3連発。最近では03年5月9日に浜中、片岡、アリアスで記録している。85年は日本一、03年はリーグ制覇。阪神で3連発は、この上ない吉兆である。

 伝説のバックスクリーン3連発を知る真弓監督も興奮を隠せなかった。「(打線は)一昨日くらいから兆しあったけど、吹っ切れたんじゃないかな」と言い、「とにかく湿りがちだったんで、今からどんどんいきたいですね」と高らかに言い切った。

 連敗は5でストップ。巨人が敗れたため、ゲーム差はなしだが、再び首位に躍り出た。左翼席3連発は、きっとペナントを手にするための再進撃の号砲になる。(島田明)

 

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