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【芸能・社会】

ノリマサ×池坊=第九 ポップオペラといけばな初コラボ

2010年8月13日 紙面から

池坊美佳さん(右)が創作したいけばなの前で、新曲への思いを語る藤澤ノリマサ=東京都内で(中嶋大撮影)

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 歌手の藤澤ノリマサ(27)が、新曲「希望の歌〜交響曲第九番〜」(10月13日発売)のCDジャケットで、約550年の歴史を持つ華道の家元・池坊(いけのぼう)と史上初のコラボレーションを実現させた。

 ポップスとオペラを融合させた「ポップオペラ」を提唱する藤澤は、池坊作品を目にしたとき、現代においても世界中から注目されるいけばなの文化と、古典と現代の音楽を融合させた自身の音楽に共通点を感じたという。

 そこで、華道家元45世池坊専永さんの次女・美佳さんに、ベートーベンの交響曲第9番をモチーフに「笑顔の先には希望という明るい未来が待っている」というメッセージを込めた同曲をイメージした作品の創作を依頼した。

 このほど、都内のスタジオで撮影が行われ、美佳さんは「揺るぎないもの」という意味を込めたナナカマドの枝や、愛情や夢を未来に向けて発信するものの強さを表現した真っ赤なグロリオサの花など5種類を使い、生命力がみなぎる作品を造り上げた。

 最後に藤澤が一輪のトルコキキョウを挿し、完成。藤澤は「すごく美しいですね。パワーがすごい」と絶叫し、「クラシックは敷居が高いというイメージがあると思うんですが、ポップスと融合させることによって新しい可能性とか美しさが生まれてくる。さらにいけばなと音楽を組み合わせることで、お互いの良さも出てきて、新しいひとつのものになるんじゃないかと。それを実現することができました」と感慨深げに話した。

 音楽とのコラボレーションを初体験した美佳さんは「いけばなにとっても、敷居が高いと思っていた人たちに対して、いい入り口作りになったと思います」。

 さらに藤澤は「お会いするまでドキドキしてたんですけど、やらせていただいてよかった。僕もいけばなをやってみたくなりました」と新たな出会いに感謝した。すると、美佳さんは“ポップオペラの貴公子”と呼ばれる藤澤に「想像通りの貴公子でしたが、今後は“いけばなの貴公子”としても活躍してくださるそうで」と期待を込めてニヤリ。藤澤は「ライブの時に、美佳さんにもライブいけばなをやってもらったりしたら面白いかも」と、さっそく新たな構想を思い描いていた。

 ●藤澤ノリマサ(ふじさわ・のりまさ) 1983年3月8日生まれ、北海道出身。声楽家の父と歌の講師だった母との間に生まれる。高校時代に留学先のカナダで、セリーヌ・ディオンの音楽に影響を受けて歌手になることを決意。02年武蔵野音楽大学入学。卒業後、ポップスとオペラを融合させた「ポップオペラ」という新ジャンルを提唱して本格的にアーティスト活動を開始。08年4月、「ダッタン人の踊り」でデビュー。

 ●池坊美佳(いけのぼう・みか) 1970年生まれ、京都府出身。池坊家元45世の池坊専永さんと池坊保子さんの次女として生まれる。93年に皇太子さま結婚式、宮中饗宴の儀における宮殿のいけばなの挿花に参加。94年、京都三大祭りの一つ「葵祭」の第39代斎王代に。

 

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