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【大相撲】武蔵川理事長退任 後任は放駒巡業部長2010年8月13日 紙面から
日本相撲協会の武蔵川理事長(62)=元横綱三重ノ海=が12日、7月に胃がんの手術を受けた体調面の理由と、野球賭博問題など一連の不祥事の責任を取る形で辞任した。後任には理事会で放駒巡業部長(62)=元大関魁傑=が互選された。これまで外部から「うまく協会が動き出すまで外部の理事長を」という声もあったが、理事長は理事たちの互選で決まるため、そうした意見は一蹴された形だ。 武蔵川理事長は5日の復帰会見で、理事長職の続行を宣言した。しかし、すでに辞任の意志を固めていたとみられる。体調不安からくる気力の衰えに勝てなかった。だが、放駒親方に理事長を引き継いだことは相撲協会にとって大きな意味を持つ。 「ガバナンスの整備に関する独立委員会」の奥島孝康座長は以前、「武蔵川理事長はおそらく代わるだろう。(相撲界を取り巻く状況が)うまく動き出すまで、当面は外部理事にやってもらう必要がある」と、武蔵川理事長が辞任した場合は外部理事から理事長を選出すべきだという意向を示していた。だが、親方衆からは内部からの理事長選出を望む声が圧倒的に多かった。独立委の小暮浩明委員は「内部から理事長を出さないと反乱が起きる」とまで言って危惧していた。 武蔵川理事長は大麻騒動で協会が揺れた2008年9月、北の湖理事長(当時)の辞任を受けて就任。在任期間は歴代最短の1年11カ月だったが、元横綱朝青龍関が暴行騒ぎを起こした際に引退させるなど、強烈なリーダーシップを発揮した。 バトンを受けた放駒親方は「大変な時期の理事長職。大変戸惑っていますが、しっかりと相撲協会の道筋をつけていきたい。問題を一つ一つきちっと解決していきたい」と話した。 監督官庁の文部科学省幹部は「誰がトップであろうと改革を着実に実行してほしい」と話した。
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