しなやか一丁回り 阿波踊りグループ「虹」四宮さんら 2010/8/13 15:02
徳島市の阿波踊り初日の余韻が残る13日未明の鷹匠町で、女踊りの名手・四宮賀代さん(48)=上板町七條=が路地を踊りながら流す「一丁回り」を繰り広げた。1989年に結成した阿波踊りグループ「虹」を率いて、鍛え抜かれた円熟の踊りを披露。妙技をひと目見ようと、今年も県内外から訪れた見物客が沿道に人垣をつくった。
午前0時。ほの暗い通りに山吹色の浴衣姿の四宮さんが現れると、周囲の空気ががらりと変わった。踊り期間中、一度だけしか見られない「虹」の一丁回り。踊りファンの期待が高まる。
三味線や笛の音は、熱気あふれる演舞場とはひと味違った風情を醸し出す。四宮さんを中央に3人の踊り子がしとやかに踊りだす。約150メートルを北から南へゆっくりと流し、阿波踊りの原点を思わせる情緒あふれる光景で見物客を魅了した。
通り沿いの広場でも踊りは続き、周りにいた見物客も一緒になって輪踊りを楽しんだ。
その中に、NHK連続テレビ小説「ウェルかめ」に出演した室井滋さんの姿も。12日にNHK連と演舞場に踊り込んだ際、四宮さんにけいこを付けてもらった縁で駆け付けた。
四宮さんらはステージ用の踊りも披露。今年考案したというゴム跳びのような新ステップを繰り出し、ファンを沸かせた。
「一丁回りほどお客さんの熱気や感動を生で感じることができる場はない。これからも体力が持つ限り続けたい」。四宮さんは充実感いっぱいの笑顔を見せた。
【写真説明】「一丁回り」で円熟した踊りを披露する四宮さん(中央)ら「虹」のメンバー=徳島市鷹匠町1