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円周率5兆けた、PCで計算 長野の会社員、3カ月かけ

2010年8月5日4時31分

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 3.141592……と続く円周率を、長野県飯田市の会社員近藤茂さん(54)らがパソコンで小数点以下5兆けたまで計算した。計算が正しければ、フランスのエンジニアが昨年末にパソコンで出した記録(約2兆7千億けた)を大幅に更新し、世界一になる。2兆けたの壁を初めて破った筑波大の研究まではスーパーコンピューターが主流だったが、長大な円周率計算もパソコンでできる時代になった。

 計算には近藤さんのウィンドウズ・パソコンを使った。プログラムを作った米国のアレクサンダー・J・イーさんとメールをやりとりしながら、5月4日に計算を始め、3カ月後の今月3日に終了。フランスの計算のときに行われたように、検証のため最終けた付近の32けた(16進法)を別の公式で計算したところ一致した。

 計算で大量のデータを記憶させるため、パソコンには通常の数十台分にあたる22テラバイトのハードディスクを搭載。演算速度などを決めるCPUはインテルの最高レベルのもの(3.33ギガヘルツ)を使った。パソコンの費用は百数十万円かかったが、市販製品でまかなえた。

 近藤さんは高校生のとき、コンピューターによる円周率計算に興味を持ち、「未知のけた」をずっと追ってきた。「フランスでパソコンでも記録が出せるのを知って挑戦してみようと思った。今度は10兆けたに挑みたい」と話す。

 スパコンで世界で初めて1兆けたの記録を作った金田康正・東京大教授は今回の計算について「別の公式で全けたをチェックしていない不完全さはある」としながらも、パソコンの性能が向上して「家庭用のパソコンを使って力ずくで長大な計算が行える時代になったのは確か」とみている。(松井潤)

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