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【経済】

円高『注意深く見守る』 政府・日銀

2010年8月13日 朝刊

 政府、日銀は十二日、急激な円高進行と株価下落を受け、急きょ対応策の協議を始めた。同日夕には、野田佳彦財務相が緊急会見を開き「為替の状況を極めて注意深く見守っていきたい」と強調。白川方明日銀総裁も、市場の動きや国内経済に与える影響を「注意深くみていく」とする談話を発表するなど「口先介入」で円高をけん制した。 

 十二日の東京外国為替市場の円相場は一時、一ドル=八四円台後半まで上昇。日経平均株価(225種)は一時、今年の取引時間中の最安値(九〇九一円七〇銭)を割り込んだ。

 急激な円高を受け、休暇中の菅直人首相は同日、仙谷由人官房長官と協議、「動きが急すぎる」と市場をけん制。また、玉木林太郎財務官と日銀の中曽宏理事が都内で意見交換した。これらにより午後には八五円台後半まで円安方向に戻した。

 野田財務相は会見で「為替レートの過度な変動、無秩序な動きは、経済や金融の安定にとって悪影響を与えるというのが政府の基本姿勢」と述べた。

 一方、中曽理事は為替介入に向けた地ならしとされる「水準照会(レートチェック)」を実施したことを認めた。中央銀行が金融機関に為替取引の水準を聞くもので、望ましくない相場水準と判断した場合に実施するといわれる。

 今後は二〇〇四年三月以降、途絶えている市場介入に踏み切るか、また追加的な金融緩和や景気対策が行われるかが焦点となる。

 

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