最終更新: 2010/08/13 14:03

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福島市の仮出所者の社会復帰を支援する施設をめぐる議論を取材しました。

福島市にある仮出所者の社会復帰を支援する国の施設で、まもなく入所受け入れが始まります。
しかし、この施設をめぐっては、住民の反対運動が起きていて、更生支援か、住民の理解か、議論は平行線をたどっています。

福島市の中心部に建設された福島自立更生促進センターでは、仮釈放された人が滞在し、就職先などを探して社会復帰を目指す。
7月28日、施設が最初に受け入れる仮釈放者が決まった。
福島保護観察所の井坂 巧所長は「入所を予定する者2人にかかる仮釈放を許す決定があった」と語った。
当初の計画では、2008年に運用を始める予定だった。
しかし、住民や教育関係者が猛反発した。
説明が不十分なうえ、近くに学校が多く、不安が大きいとして、抗議活動を展開し、6万7,000人以上の反対署名が集まった。
井坂所長が、「一定の理解を得たということで」と話すのに対し、反対派住民グループの熊坂良太さんは、「いったい何を基準に、一定の理解ということを口にするのでしょうか」と語った。
国が仮釈放者の受け皿作りを急ぐ理由は「再犯防止」だった。
福島市にある民間の更生保護施設「至道会」では、14人の入所者が保護司の管理のもと、規則正しい生活を送っている。
身元引受人がいない仮釈放者にとっては、更生を支える施設の存在が重要となっている。
40代の男性入所者は「保護施設っていうのがなければ、結局、満期までずっといるしかない。そういう面からいえば、刑務所の中にいるときの問題を起こさないようにするとか、そういうモチベーションっていうか、希望にはなりますよね」と語った。
国では、性犯罪者を入所させないなどの基準を示し、運用状況をチェックする第三者委員会も設けた。
反対派住民グループの熊坂さんは「理解がまったく得られない状態での開所であれば、それはあとあとしこりを残すし、受刑者のためにもよくないんじゃないかと思います」と語った。
「住民の理解」と「仮釈放者の更生」、どちらを優先すべきなのか。
両者の溝が埋まらないまま入所が始まる。

(08/13 12:53 福島テレビ)


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