ここから本文です。現在の位置は トップ > 大盛り北海道 > 社会 > 記事です。

大盛り北海道

社会

文字サイズ変更
はてなブックマークに登録
Yahoo!ブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷

司法:国側控訴せず賠償確定 元女性隊員「感無量」 空自セクハラ

記者会見で心境を語る原告の女性=札幌市中央区の司法記者クラブで12日午後5時半ごろ、金子淳撮影
記者会見で心境を語る原告の女性=札幌市中央区の司法記者クラブで12日午後5時半ごろ、金子淳撮影

 同僚の自衛官から性的暴行を受け、上司に退職を強要されたとして、北海道内の航空自衛隊基地に勤務していた元女性隊員(24)が国家賠償を求めた訴訟で国は12日、国に580万円の支払いを命じた札幌地裁判決に対し控訴しないことを明らかにした。記者会見した原告の女性は「控訴されるんじゃないかと不安だったが、感無量。裁判を続けてきて良かった」と語った。

 国側は控訴断念の理由について、「元女性自衛官の心情など諸般の事情を総合的に勘案し、司法の判断を受け入れることとした」と説明した。一方、弁護団の佐藤博文弁護士は「判決はセクハラ防止と被害者救済のリーディングケースとなる画期的な内容。女性の勇気に敬意を表したい」と述べ、女性は「自衛隊は隊員の人権を守る組織に変わらなくてはならない。セクハラ対策マニュアルを見直してほしい」と訴えた。

 裁判は、原告が夜勤中に飲酒していた同僚の男性3曹(35)から呼び出されて性的行為を強要されたうえ、事件後に相談した上司から「周囲に迷惑をかけた」と退職を迫られたとして07年5月に提訴。国側は「退職を強要した事実はない」などと主張したが、7月29日の札幌地裁(橋詰均裁判長)判決は「事件後の対応に適切さを欠き、違法な処遇が行われた」と指摘、女性の訴えを全面的に認めた。【金子淳、久野華代】

毎日新聞 2010年8月13日 1時34分

PR情報

社会 アーカイブ一覧

 

北海道で毎日新聞新朝刊スタートしました

おすすめ情報

地域体験イベント検索

注目ブランド